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この世界の平均寿命を頑張って伸ばします。 作者:ちちまさ

第一章

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反撃

「キャリーさん気を付けてね」

 前日に言われたお師匠様の言葉を思い出しましたわ。国を出てから定住先を決めずにやってきましたの、もちろん旅の途中に気の合った仲間もいましたけどやはりソロの方が身軽で私に合ってると思ってましたわ。

 でも、この街に来て知り合ったお師匠や姉弟子であるミラお姉様は違いましたわ。帰りを待つ人がいると言うのがこれ程心安らぐ物だったとは知らなかった。その帰る場所を奪おうとしている者がいるならお師匠やお姉様に危害が無いように刈り取らなければいけませんはね。


 少し考え事をしてるうちに商人荷馬車に扮した荷馬車が出発していましたわ。予定では商人ギルドの荷馬車が後ろから来るはずですの、向こうは急ぎの荷馬車なので村で馬を交換して明日中には戻って来れる様に調整をしてあるそうですわ。

「キャロラインさん、後ろから商人ギルドの馬車が来たぜ」
ザルドさんが後方を見ながら話しかけてきましたわ。

「荷馬車を端に寄せてください」
 商人ギルドの荷馬車は黄色い旗を高々に上げています。この旗は急ぎなので先に行かせて欲しいっという合図ですの。私は容姿が目立つという理由で奥に入れられましたわ。アクブという男の顔を見ておきたのですけど仕方ないですわね。

 商人ギルドの荷馬車が過ぎ去ってしばらくしてから、盗賊共の潜伏しそうな場所を調べるため斥候の得意な者が荷馬車から降りて各方面に向かってもらいましたの。

 荷馬車はゆっくりとサウット村に向けて走らせているので、一日あれば着くサウット村までの距離の半分近くでもうそろそろ野宿の支度を始める時間になってきましたわ。ポツポツと斥候が戻ってきたのですけど、どこも空振りらしいですの。

 この時お師匠様の言葉を思い出しましたわ。

「盗賊で待ち伏せ?そんな面倒くさい事するかな?自分しか生き残ってないって事は本当に襲われたかもわからないんでしょ?このアクブって奴が自作自演してたりして」

 隣にいたザルドさんに話しかけながら召喚獣を呼びましたわ。

「嫌な予感がしますわ。私先に行かせてもらいます。後から来てください。召喚黒〇号」

 後ろでどよめきが起こっているけれども直ぐ後にザルドさんの指示を出す声が聞こえたので大丈夫でしょう。

 いくらも行かないうちに男の人の悲鳴が聞こえましたわ。冒険者風の男の胸に後ろから剣を刺している男が恐らくアクブでしょう、足元に二人倒れてるのはパーティーメンバーかしら?

 こちらにはまだ気づいていないようなのでこのまま近づき黒王〇から飛び降りて、武器を持っている右手を両手杖で打ってから振り向きざまに両足を狙いましたわ。一回転して「グエッ」っとカエルの鳴き声のような声を出して気を失しないったようですわね。なぜか私の両手杖の先の女神像の意匠を凝視したまま気を失ってましたわ。

 他のパーティーメンバーを急いで確認したら一人だけ虫の息ではあるが生きている人がいましたわ。急いでヒールをかけてもう一度傷口にかけると、気は失っていますけど呼吸音が正常になりましたわ。アイテム袋からロープを出してアクブと共に拘束しましたの。
「悪党どもは拘束しましたわ。もう大丈夫でしてよ」
 周りに叫ぶとさっき悲鳴を上げて逃げて行った男が戻って来た。

「ありがとうございます。助かりました。この男が突然仲間を襲いだして、最初は何が何だかわからなくて気が付いたら悲鳴をあげて逃げ出してました。あ、私はこの荷馬車の御者です」

 ザルドさん達が乗った荷馬車も来たのでここで野営をして朝一で街に向かえばクエスト終了ですわね。

 ++++++++++


 俺の名前はアクブ冒険者は体のいい隠れ蓑だ。護衛のクエストなんて実に美味いクエだ。

 しかし大きすぎて何パーティーも雇うようなのはダメだ。そして、金の無い奴はパーティーでなくソロの奴を雇うこれもダメだ。同じ苦労をして稼ぎが少ないなんて、もってのほかだ。一番良いのは今回のような緊急の護衛だ。

 クエの報酬も良いしなかなかだ、まあ、成功する事はないので関係ないがな。

 こういった荷物は必ず何かある物だ。少し調べたら同じ薬草を買い占めてる商人が浮かび上がった。金の匂いがする。

 俺はその商人の店まで行って少し脅したら、直ぐにベラベラと喋り出した。呆れた事にギルドの荷馬車を襲うのにここいらのチンピラを雇って盗賊に扮して襲うつもりらしい。バカかチンピラごときにCランクの冒険者が負けるか!この三倍はいないと無理だぞ。

 バカだがここまでのお膳立てした物を無駄にするのは勿体無いので、俺様が一枚噛む事にした。

 やる事はいつもと一緒だ品物を受け取ったら頃合いをみて皆殺し、後は荷物を隠して荷馬車と死んだ奴を一緒にを焼く、もう俺に取ってはお決まりの手口だ。

 この姑息な商人にその事を話し儲けは半々で収まった。まあ、後で襲って手に入れた商品を渡す時に金を搾り取るがねクククッ。

 俺がCランクだからメンバーは誰でもいいのだが、チンピラの中から適当に冒険者カードを持っている奴を、パーティーメンバーに入れて登録させておいた。

 次の日やたらと元気のいい御者と挨拶をして荷馬車に乗り込む。街を出てしばらくすると商人の荷馬車を追い越した、随分ゆっくり走ってるとこを見るとこの先の分岐でサウット村とは別の道に入るだろうから関係ないな。どうせ動くのは帰り道の野営前だからなそれまでは暇だ。

 村に着いて荷物を急いで積込み馬を替えて直ぐに出発だ、せわしないがそろそろお仕事の時間だ。

 そろそろ、野営の準備をする時間になって来たので御者が馬のスピードを緩めて道の端に止める。
「旦那方、今日はここで野営をしましょう」
 御者の声が聞こえた。答える代わりに馬車から降りて野営の準備をさせる。こいつらには朝一で仲間が襲って来ると言っておいたので黙って野営の準備している。

「さて、仕事するかな」
「ん?じゃあ、乾いてそうな木拾ってきてくださいよ」
 隣で火をつけようと枯葉を集めてきた男が話している。名前はなんて言ったかよく覚えてないが、関係ない。

「わかった」
 答えると剣を抜いて後ろからバッサリと切る。近くで見ていた男を切り上げる。もう一人は剣を抜こうと立ち上がったけど遅い、後ろに回ってブスリ骨に当てないように刺すのって難しいんだが、経験から上手くできるようになった。

 さて、悲鳴をあげて逃げた御者はどこだ?剣を抜いたとこで右手に激しい痛みが走って剣が飛んで行った?何が起こってる?考えがまとまる前に今度は景色が回ってやがる。

 人の生き死にを長く見ていたからこそ分かるこれはヤバいとどめを刺されて終わりだな。薄れゆく意識の中最後に見たのは女神様が羽を広げた姿だった。

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