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この世界の平均寿命を頑張って伸ばします。 作者:ちちまさ

第一章

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買い占め

 ヒューイさんが渋い顔をして話す。
「ここ最近の市場の動きを見て、買占めをしてきたのだろうな」
「何か対策ある?」
「う~ん、在庫はあるから今回のノルマは何とかなるけど、この状態が続けば不味いかな?」

「確かそんなに珍しい薬草じゃないよね?」
「うん、だから不思議でね、買い占めても直ぐに追加されるし」
「う~ん、その薬草ってどこからの入荷が多いかわかる?」
「サウット村です。その村の近くに薬草の群生地があるんです」
 ヒューイさんが答えるより先にエド君が答えた。

「サウット村か、市場の薬草が無くなったって事は早めに荷物を取りに村に向かう便がでるよね?」
「はい、本当は三日後の便が明日朝一で出ます」
「じゃあ、商人ギルドのギルマスに、うち持ちで追加の護衛出すからって言っておいてくれる?」

「へ?ギルドの護衛に追加?なんで?」
「ヒデさん、まさか定期便が狙われるってこと?」
「う~ん、取り越し苦労ならいいけどね、だって補充が簡単にきくのに買い占めっておかしいでしょ。短期間だけ市場から無くせば、うちが高値でも買うって市場の動き見て考えたのかなって思ってさ」

 エド君の目がキラキラしている。益々ゲンと重なるな。
「今の情報でそこまで凄いです」
「いやいや、見当違いかもしれないし出来る範囲で動こうかなって思ってるだけだよ」

 ヒューイさんがエド君に向かって話す。
「じゃあ、エドさっきの話しギルマスに伝えてくれ」
「はい、直ぐに行ってきます」

「じゃあ、俺は冒険者ギルドに戻って人の手配をしてくるよ。ヒューイさんはここで通常業務しててね」
「はい、お願いしますねヒデさん」

 エド君と一緒に工場を出て、それぞれの役目を果たしに目的地へ向かう。

 冒険者ギルドに着いて、診療所に顔を出そうと近づくと留守番をしてもらっていた、二人の楽しそうに笑っている声が聞こえてきた。ミラの髪型を色々変えているキャリーさんと鏡を見ながらニコニコしているミラがいた。

「ただいま、おお、ミラの可愛さがさらにアップしたな」
「クスクス、ありがとう。お帰りなさいヒデ兄師匠」
「お帰りなさいお師匠様、患者さんは少し前に二名ほど来ましたわ」
「おお、ご苦労様でした。患者さんは問題なかった?」
「はい、二名とも冒険者の方で擦り傷と二日酔いでしたわ」
「そうか、良かった。ちょっと受付に行ってきますね」
「あら、何かあったのですか?」

「う~ん、キャリーさんにも聞いてもらおうかな、一緒に来てくれる?」
「わかりましたわ」
 みんなで受けまで来て見渡してみたら、オファンさんがいたので予想だけどもと断わってから話しを聞いてもらった。

「確かに今日、緊急で商人ギルドからサウット村までの護衛のクエストが出てますね」
「誰が受けたかって教えてもらって平気?」
「問題無いですよ。少しお待ちください」
 隣の受付の女の子が書類の束から1枚を抜いて渡している。

「えっと、ん?あまり聞かないパーティーですね。他から移って来た人達かな?」
「ん?護衛クエってCランク以上だったよね?」
「そうです、メンバーは……」
 オファンさんの顔が少し曇った。

「かなりグレーの人がいますね」
「グレーって何です?」
「ああ、ギルド内部の言葉なんですが護衛クエストの半分くらいが失敗してますが、本人だけは生存しているんですよ」
「本人だけってパーティーメンバーも含めて?」
「そうです、このアクブという冒険者のみです」
「なんか、俺の予想が現実味出てきたな。さっき話した護衛の追加の話しは、追加じゃなくて護衛の見張りにした方がいいかも」

「何の話しだ?」
 後ろからギルマスの野太い声が聞こえた。丁度良いので最初から全部話して判断してもらった。
「う~ん、クサイな、嫌な臭いがする」
「加えて薬草の事がありますし偶然って事はないでしょうね」

「よし、オファン秘密裏に人を集めろ気付かれるなよ」
「はい」
「私もメンバーに入れておいてくださいね。そのふざけた冒険者モドキをのさばらせておく事は出来ませんわ」
「キャロライン様が参加して下さるのは心強い。他のメンバーも急いで集めます」

「ギルマス、薬草なんだけどクエスト出して集められないかな?」
「ん?この計画を潰せば普通に入って来るぞ?」
「そうなんだけどさ、ちょっとね」

「そうか、それなら問題ないぞヒデ、なあ、お前ら仲間のヒデが困ってるぞ手を貸してくれる奴はいるか?」
「お、何々ヒデさんの頼み事?何か困ってるなら言ってよ」
「如何した?」
「いつも二日酔いでお世話になってるからね」
「手貸すぞ」……

「ヒデが薬草を探していて市場に無いから森で採ってきて欲しいそうだ」

「あ、もちろん、特別クエで出すよ」

「なに言ってんだよヒデさん俺達はクエストの帰りに薬草を偶々いつもより多めに持って帰って来るだけだぜ。ギルドで普通に買い取ってくれるんだろ?」

「おう、いつも通りの買い取り金額で買い取るぞ」

「そういう事だ、さってみんな今日は森に行ってゴブリンでも狩って来るか!」
「おお!今日は狩り日和だぜ!」
「俺も行くぜ、新武器を試したいからな!帰りに偶々薬草の群生地見つけちゃうかもな!」

「おお、最高だぜお前ら、みんな怪我しても今日はタダで見るからな生きて帰って来いよ!」
「ハハハ、頼むぜ回復師様」

 意気揚々と飛び出していく冒険者を見ながらギルマスが話す。
「よし、丁度いい目くらましにもなるな」
「え?目くらましって、薬草必要ないの?」
 ミラの頭を撫でながら話す。
「フフ、違うよミラこれも計画の一つだよ」
「ふ~ん?」

「この計画を計画を立てた人にも損してもらわないとね。芋ずる式に捕まればいいけど悪い事考える奴って逃げ道用意してそうだからさ」

 その時オファンさんが戻ってきて話しかける。
「選定は出来ました連絡の取れた人はすべて引き受けてくれましたよ。ヒデ様の名前を出したらみんな快く引き受けてくれました」

「ありがたいな、儲かったら奢らないとね」
「ハハハ、気にすんな仲間だろ」

 ギルマスが前に俺がやったのと同じようにギルドカード振って見せる。そのニヤリと笑った顔を見たらわらってしまった。

「さて、俺は商人ギルドに詳しい話をしてくるね」
「おう、頼むな商人ギルドにも事情が知れてないとまずいからな」
「行ってきますね、ミラ達どうする?」
「私は一緒に行来ますわ。ちょっとキナ臭くなってきましたので」
「私も行くよ」
「うん、平気だと思うけど一緒に行こうか」

 少し急ぎ足で商人ギルドまで向かう。商人ギルドに着いてギルマスと会いたいと伝えると直ぐに会えた。ギルマスの部屋に入ると、ギルマスとトムさん、エド君が話していた。

「おお、ちょうどよかった。今エドに話しを聞き終わったとこだよ」
「はい、その話しの予想に少し裏付けが出来てきました」
「なんと、どういうことだ?」
 ギルマスに今までの事を話した。

「なるほど、そのアクブって奴はもううちに来たのか?」
「いえ、本人は来てないですねパーティーメンバーが来て明日、朝一で門の前で合流すると連絡を受けてます」

「そうか、それではうちは普通に定期の臨時便を出せばいいのだな」
「はい、後は冒険者ギルドの方でやります」
「うむ、頼んだぞ、うちの定期便を狙うなどゆるせん」
 この後、少し打ち合わせをして部屋を出た。

「じゃあ、ギルマス薬草の便は明後日には着くんですね?」
 部屋を出て少し大きな声で他の人にも聞こえるように話す。
「うむ、心配しないでも明後日には入って来るから大丈夫だよ」
「良かったです。では、失礼します」

 この後カモフラージュでパン屋さんであんぱんを買って食べた。

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