挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
この世界の平均寿命を頑張って伸ばします。 作者:ちちまさ

第一章

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

76/149

増員


 ケネスさんの訪問から何日か過ぎて工場は順調に運営出来ているようだ。そして、それに比例してやつれてきたヒューイさんこのままでは本当に倒れてしまいそうなので、商人ギルドのギルマスに相談しに向かった。

「これはヒデ様いらっしゃいませ。本日はどういたご用件で?」
「こんにちは、ゲイリーさんその後お身体の調子はどうですか?」
「はい、おかげ様で絶好調ですよ。お酒も少し控えてますよ」
 少しが小声だった。

「本当に気を付けて下さいね。今日お邪魔したのはヒューイさんの事なんですけど……」
「ん?ヒューイ君が何かしましたか?」
「いえ、そうじゃなくてこのままだといつか倒れてしまいそうで、誰かうちで働ける人がいないか探してもらえないかと思いまして」

「なるほど、ヒューイ君もギルドをやめてそちらで働くようになって頑張っているんですね。まあ、商人ギルドの言葉で商人は一度倒れてこそ一人前という言葉がありますが」

 昭和の営業か!よく往年の上司がそう言われたと聞いた事があるが。

「いやいや、うちで経理から交渉事出来るのヒューイさんしかいないですから倒れられたらうち潰れちゃいますよ」

「う~ん、結構急ぎみたいですな。トムなにかないか?」
 後ろで控えていたギルドに来た時に案内の人ってトムさんっていうのか。

「ヒューイ君の元部下の何人か聞いてみてはどうでしょか?気心も知れてますし。もちろん本人の了承が必要ですけど」

「ありがたいですけど、引き抜きみたいになってしまってますけど良いんですか?」
「ん?商人ギルドは商人の修行場みたいな機能があるのですよ、何も知らないで商人になってもすぐ騙されたりしてしまいますからね。ここで技術を学んで独り立ちする人もいますし、そのまま私の様にギルドに勤める者もいます。ですので職人みたいに引き抜きという考えは無いですよ」

「なるほど、ではその人たちに合わせてもらえますか?もちろん来てもいいと言う人だけでいいので」
「わかりました。しばらくお待ちください。確認をしてきます」

 そう言うと部屋を出て行った。それを見届けてからギルマスが場つなぎ的に話し出す。

「ご商売のどうですか?」
「ハハ、ヒューイさんのおかげで回っているようなものですよ」
「そうですか、でもエル商会とパイプを繋げたのはヒデさんだと聞いてますよ?」
「それこそ、偶々ですよ。交渉はヒューイさんがやってくれましたし」
 その時ドアがノックされ、トムさんが戻って来た。

「三名いました。一人は是非行きたいそうで、後二名は、話しを訊いてから決めたいそうです」
「そうですか、では最初の一名だけ会います。後の二名はヒューイさんと相談しますので、面談の日はこちらからご連絡します」
「わかりました。ではエドを呼んできます。他の者にはそう伝えておきます」
「お願いします」

 しばらく待つと、獣人の男の子が連れられてきた。獣人は見た目だと年齢がわかりにくいけど二〇歳は超えてないと思う。

「貴方がヒデさんですか?」
 ジロジロ無遠慮に全身を見てため息をつく。
「ダメだ、ショウラが全然出てないな」
 ショウラって何だ?初めて聞く言葉だ。こっちの言葉かな?
「ショウラって何だい?」

「お、そこを聞くとはなかなか見所があるね。ショウラとは商売で成功出来る人が纏っているオーラの事だぜ」

あ、こいつゲンに近いものがあるわ。ギルマスの方を向くと残念そうな顔をして首を振っている。トムさんが慌てて話し出す。

「エド君は商人としてはアレですが計算の速さならなかなかの物ですよ」
「ちょっと、トムさん何ですか俺がアレって」
「まあ、いいか、時間あるかな?工場まできてくれると助かるんだけど?」
「わかりました。ヒューイ先輩に会えるのか、嬉しいな」

 ギルマスとトムさんにお礼を言って工場に向かった。

 門の所にエディさんと若い男の人が立っていた。
「エディさん、お疲れ様です。ヒューイさんは中にいる?」

「ヒデさん、お疲れ様です。ヒューイは今日は朝に入ってから出てないからいるはずだよ」
「はい、わかりました。ありがとうございます」

 エド君と一緒に中に入って行く。
「ヒデさんあそこの門って門番いるんですか?」
「そうだよ、勝手に入られたら困るでしょ?」
「お屋敷ならそうだけど、工場も必要なの?」
「工場だって知らない人が入ってきたら困るよ薬を扱ってるんだし経理だってあるんだから」
「いや、だって集団で通れば入れちゃうんじゃない?」
「このカードが無いと通れないようになってるの」
 そうなのだ、要はギルドにあるカードのシステムを丸々出入り口のカギに変えただけだが魔法って便利だね。

「流石は、ヒューイ先輩だ。こんな事まで思い付くなんて」

 なんかブツブツ言ってるけど聞こえないのでスルーしてヒューイさんの部屋に向かう。ドアをノックして中に入る。

「ヒューイさん生きてる?」
 最近会うたびに言っているのであいさつ代わりになってきた。
「こんにちは、ヒデさん、だからそんな心配しなくても平気ですから」

「まあまあ、今日は商人ギルドに行って。うちに働いてもいいって言ってくれた人連れてきたよ」
「ヒューイ先輩、お久しぶりです。エドです。」
「おお、エドかまさかお前が?」

「そうですよ、ひどいじゃないですかこんな画期的な人の雇用から取引先の拡大まで、ここまでの構想があってそれを実行する力があるなんて一言も言ってくれなかったじゃ無いですか。先輩から巨大なショウラがいが見えますよ」

「ああ、俺の考えじゃないからな。考えたのはそこのヒデさんだよ。ここの三交代制で夜でも工場を動かすの考えたのも、エル商会連れてきたのもな、まだ他にもあるがそれは後でいいや。お前は全く変わらないな、思った事を言葉に出すなって、頭で一回考えてから話せって言ったろ」

「え、ヒデさんが考えたって本当ですか?だってショウラが出て無いのに」
「お前そのショウラとかもやめろって言ったろ?大体それ見えた奴って成功してる商人ばっかじゃないか、それなら誰にでもわかるぞ」

「まあまあ、ヒューイさん、ヒューイさんを心配して来てくれたんですから頭ごなしに怒らないで、エド君計算が凄く早いそうじゃないですか、この特技でヒューイさんを助けてくれますよ。それにエド商会の会頭と交渉したのは間違いなくヒューイさんなんだから」
 エル君は目をキラキラにしてヒューイさんを見てる。
「スゲ~王都一番の商会と流石ヒューイ先輩」

「いやあれは、ハァ、まあいいやお前は自分で商売するより、組織に入った方が良いだろうからな」
「え、じゃあ、ここで働かせてくれるんですか?」
「こちらから頼むよエド、お前の計算力は今のうちには必要不可欠な物だからな」
「やったー、じゃあ、ギルドに話して来ますので引継ぎとか終わったらすぐ来ますね」
 今にも走り出しそうなエド君に向かかってヒューイさんが話す。

「待て待てギルドに早く話すのいい事だけど、久し振りだからな色々話しを聞かせてくれ」

 おお、流石商人だ情報収集は怠らないんだね。

 二人が話してる間工場の作業を見まわってから部屋に戻ったら、ヒューイさんの顔色があまり良くないので本当に倒れちゃうのかと心配したら、うちで使っている薬草の販売市場を故意に釣り上げている動きがあるそうだ。


  
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ