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この世界の平均寿命を頑張って伸ばします。 作者:ちちまさ

第一章

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密談

  ポールさんの店から帰ってきて、子供達のどこに行ってたの?の質問攻めを華麗に回避して(スミーさんのとこだけカットして話した)。次の日、工場の買取を済ました。その数日後、冒険者ギルドの前にあの馬車が止まった。

 少し遅めの昼ご飯をいつものメンバーでママさんに作ってもらって、食べている時いる時玄関の方から急に息を呑む音とその後の静寂、昼ご飯を食べながらキャリーさんが玄関の方を凝視して止まっているのに気付いて目線を負って初めて気づいた。

「うわ~、ブルースさんとスミーさんだ、凄い注目されてるな~」
 まあ十中八九、俺がらみだろうな。
「ブルースさん、スミーさんこっちだよ」
 名前を呼ばれて振り向き俺の顔を見るとこちらに、向かって歩いた来た。

「こんにちは、ブルースさん、スミーさん」
「こんにちは、ヒデ君」
 挨拶に答えたスミーさんをブルースさんが驚愕の顔をして見ていた。

「はあ?スミーお前、ヒデと挨拶できるのか?」
 スミーさんは黙って頷いている。ブルースさんの言っている意味がわからない?
「嫌だな、挨拶くらいしますよね、あ、こないだはジュースご馳走様でした」
「あの時は僕もパンを貰ったからね」
「あ、次の日あんぱん買いに行きましたよ、甘すぎず絶妙な味で美味しいかったです」
「僕も、ヒデ君のおかげで買う事が出来たよ」

 ブルースさんが驚愕の顔をからやっと動き出した。
「何、普通に話してるんだよヒデとも普通に話せるのか?」
「うん、あれ?そうだね、こないだあった時から普通に話せたね、なんでだろ?」

 ん?何の事だ?ブルースさんの言葉の意味を考えていたら周りからジト目で見られてるのに気付いた。

「ヒデ兄、いつ無精ひげのおっちゃに会ったって?」
「ヒデ兄、僕、聞いてないよねその話し?」
「ヒデ兄、何か言う事があるはずだよ?」
「……」
「お師匠様のんき過ぎですわよ」

「いや、あの、ねえ、あれ?話すの忘れちゃったかな~ハ、ハハ」

「ハァ、まあいい、ヒデと話があるんだが……」
「あ、はい、診療所のほういきますか?」
「……いや、ここでいいだろ、個室に入れる雰囲気でもないしな」
 言われて周りを見るとキャリーさんやゲン達だけでなく、ママさんや周りの冒険者達の数人は身構えている。

「じゃあ、そこで話しましょう。そうだ、スミーさんここのグレプのジュース甘くておいしいよそれにする?」
「う~ん、でも仕事中だしな~」
「いいから、お前もここに座ってオーダーしろ」
「え、いいの?じゃあ、ヒデ君それお願い」
「ハイハーイ、ブルースさんも頼む?」

 頭を押さえながら
「いや、お茶でいい」
「ママさん、グレプのジュース二つと紅茶一つね~」
「……はいはい、ヒデちゃんにかかればみんな同じね」
 ママさんがブツブツ言いながオーダー品を持ってくる

「ブールスさん、さっき驚いてたけどスミーさんから伝言聞いたんでしょ?だったらスミーさんと話せるのわかってたんじゃないの?」
「いや、街で偶然会ってヒデが一方的に話したのを聞いて頷いただけかと思ってた」
 そういえば、パン屋の人とも話してなかったな?いつもあんな感じなのか。

「スミーは仕事の時と剣抜いてる時しか喋らないのかと思うくらい話さない男何だよ、まあいい、スミーの事置いといてヒデ、スラムの工場を買ったな?」

え、普通にべらべら話してたよスミーさん?それより質問に答えないと
「うん、聞いたと思いますけどそこに薬の工場を建てるつもりです」

 ブルースさんが自分の、アイテムボックスから街の地図を出して指をさす。
「ヒデが買った土地がここでここら辺が俺の土地だ」
 スラムの半分くらいがブールスさんの土地らしい。あ、孤児院も含まれてる。

「こっちの後半分のスラムの土地は誰のなんですか?」
「こっちは他の勢力と商人ギルドのだ、それより、こんな場所の工場で人が集まるのか?」
「ん?人集めはスラムの中でやるよ?」

「はあ?わかってんのか?男は大体が怪我人の冒険者崩れだし、使えるのは女子供ぐらいしかいないぞ?まさか、女子供を安い賃金で働かせるとか考えてるんじゃないだろうな?」
「考えてないよそんな事、出来れば普通より多く出せればいいのだけどそこは儲け次第かな まあ、男手も少しは残ってくれるでしょ?」
「残る?何の事だ?」

「えっと、スラムで身体検査しようかと思って」
「は?スラム全部か?」
「まあ、出来れば、でも、最初は工場周辺からかな」
「ん、ん、お前怪我人を治して工場で働かせるつもりか?」
「希望者にはね、また冒険者に戻る人や他の仕事を探す人もいるだろうから」

「それで、働く奴に普通より高い給料を出すのか?金があればスラムから出れるな、スラムから人がいなくなるのか?」

「いや、この近くの環境を変えて住みやすくしたいんだ。ゴミを片付けて、家を建て直して」
「家を建て直す?どっからそんな金が出る?」
「うちで稼いでじゃあ、時間かかるから儲かってれば住宅ローンとかやってもいいかな」
「ローン?個人に金を貸すのか?」

「う~ん、うちの工場で働いてる人限定でかな給料から天引きで返済してもらうの」
「給料の前借りか?」
「そうだけど、家が担保だから返せなくなったら家を没収」
「なるほどな~、良く思いつくなそんな事?」
「まあ、故郷のシステム持ってきてるだけだけどね、それにね人って生活水準上げるとそこから落ちないように頑張るんだよ。どお?一緒に工場やらない?」

「フフ、お前と一緒にやるのは楽しそうだが、やめておこう」
「ん?何か腑に落ちない事とかあった?」

「いや、逆だ商品さえ売れれば間違いなく上手くいくだろう、だから手を出さない、俺達みたいななのが手を出すと変な噂が立つからな、その代わり絶対に手出しはさせないようにする」

「う~ん、なるほど、わかりました。宜しくお願い致します」


 ジーっと地図を見ていたゲンが指さしてトランと話している。男の子はコマゴマしてるの好きだもんね地図見るの楽しいよね。
「ここがギルドでしょ?」
「うん、じゃあ、こう行って、ここが院だね」

 ゲン達を見ながら
「お前達孤児院の子供か?」
「え、うんそうだよ」
「そうか、あの暴力女はまだ元気か?」
「え?誰の事?」

「院長先生の奥さんで髪の毛後ろでお団子にしている」
「院長先生って女の人だよ?」
「えっと、旦那さんが亡くなってから院長先生になったんだよ、前に聞いたような気がする」
「……そうか、亡くなったのか……」
「うん、俺達が入る前みたいだからよくわかんけど、今の院長先生も病気でヒデ兄が治してくれたんだよ」
「そうか……そうか、ヒデ、お前には返しきれない程の借りが出来ちまったな」

 俺は頭をかきながら
「フフ、俺がやりたいからやってるだけだよ」
「フフ、まあいい、俺も勝手に借りを返していくぜ」

 ブルースさんが右手を出して握手をする。握手をしている右手で引っ張られて左手を背中に回して抱擁され、耳元でつぶやくように言った。
「お母さんを助けてくれてありがとう」

 この後スミーさんにも同じ事され同じ言葉をかけられた。

「ヒデ、お前の敵は俺が必ず潰してやる」
「え?いやいや、いないですよ敵とか」
「フフ、形式だよ、じゃあな」
「じゃあね、ヒデ君」

「はい、また、甘いもので食べに行きましょう」
「ハハハ、締まらねえなまったく」
 笑いながら去っていくブルースさんが玄関から見えなくなるまで見送る。

 あの人は孤児院を守るために裏の世界に入ったのだろうか?フッと脳裏に浮かんだ。そうだったらいいな~






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