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この世界の平均寿命を頑張って伸ばします。 作者:ちちまさ

第一章

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「も~~う、この親子は~~早く核、買わせてくれよ~~~」

「な、何だよ急にデカい声出して」
「何でもいいから、スライムの核を出せ」
「クッ、さっきの質問に答えないと売らないぞ」

 こいつ、せこい手使いやがって
「フッ、モニカさんは大人っぽい落ち着いた男性が好きそうだよな」

 本人が言ったとは言ってない。
「え、ほ、本当か?そうか~そうだったのか」

 チョロイなこいつも
「それで、スライムの核なんだけど青と赤どちらともあるかい?」
「あるぞ、どっちにする?ってかさっきの話し本当なんだろうな?」
「じゃあ、二個とももらおうかな。君、お隣さんだろそんな事もしらないのかい?」

「毎度、いや、だって、モニカ姉はウィル兄と結婚してるし」
「ん?ラウラのお父さん生きてるのか?」
「うん、一年くらい音信不通だけどね」
「音信不通って行方不明ってこと?」

「あ~、でも、ウィル兄は家に居る方が少ないよ」
「そうか、お父さんいるんだな良かった」

「ん?なんだよ良く聞こえなかったけど、モニカ姉狙ってて旦那いてがっがりか?」

 自分の事だよねそれ?現実をわからせてやるのも優しさだよな。
「諦めろ君には君の合う人が居るはずだよ」
「な、何だよわかんないだろ?ウィル兄に何かあってこう、俺が慰めて、なんかうまくいくみたいな?」

「ナイナイ、そんな夢物語は忘れて現実を見ろ。くれぐれも短気を起こして犯罪行為をしてはいかんぞ、子供達に知り合いの人が犯罪者だったなんて悲しい思いをさせないようにな」
 俺は優しい顔をして語った。

「ちょ、おま、お前、そんな優しそうな顔をしてなんてヒデェ事いいやがる、クソ~もう二度と来るな!」

 店を追い出されました。
「まったく、おちょくりがいのある奴だな」

 急いでポールさんの所に戻る。店先のおばあちゃんはコックリ、コックリとお昼寝中だった。店にいるモニカさんにその事を告げるといつもの事なのか近くのひざ掛けを持って外に出て行った。

「お帰りなさいですわ、お師匠様」
「なんじゃ、遅かったの?また、ババアに絡まれておったのか?」
「いやいや、息子の方です」
「そうか、スライムの核はあったか?」
「はい、買ってきました。でも、これ凍ってるんですけど、どうするんですか?訊く前に追い出されちゃって」
「フォフォ、貸してみろ、ここのボタンを押すんじゃよ、すると氷が一瞬で溶けてなくなるんじゃよ」
「おお、凄い面白いですね、こっちやってみていいですか?」
「フォフォ、ヒデ君は何を見ても楽しい反応を見せるから、いろんな事を教えたくなるのう」
「フフフ、なんですそれ、おお、氷が一瞬で無くなった、どうなってるんだろ?」
「ほれほれ、それよりスライムの核をよこさんか」
「はい、どうぞ、ここに吊るして待つだけですか?」
「そうじゃ、実験分じゃからそんなに時間取らんじゃろ?」

「紫より遅いですね、量も少ないし」
「フム、そうじゃの、でも、思った通り粘着は少し弱いようじゃの」
「おお、何か楽しみになってきた。ポールさん俺、先に手に塗って実験しときますね診療所開けないと流石に心配になってきた」
「ウム、わかった、ワシも後で塗ってみるからのう」
「はい、ではまた明日」
「うむ、待っておるぞ」

 店にいたモニカさんに挨拶をしてから外に出る。キャリーさんと二人でいるのを見て子供達が集まって来た。
「ヒデ兄帰るの?」
「うん、診療所に戻るけど、ゲン達は遊んでてもいいよ?」
「いや、帰るよ」

 ラウラが少し慌ててゲンに話しかける。
「何だよ、もう帰っちゃうのかよ」
「うん、昼から鍛練しないといけないからね」
「う、そうか、冒険者だもんな」

「ラウラ、また明日ポールさんの所にお邪魔するから」
「本当?ゲンも来るか?」
「多分、来るよ」
「よし、待ってるぞ、絶対来いよ」
「わかったよ、来るよ、どうしたんだよ急に?」
「別にどうもしてないよ。確認だろ、確認」
 真っ赤な顔をしながらそっぽ向いて話している。

 ほほ~、やるなゲン確かに成長すればイケメンになりそうだよな。

「ヒデ兄師匠、なにニヤニヤしてるの?またなんかくすぐったくなった?」
「フフ、これはまた違うやつだな」

「じゃあな、また明日な、絶対だぞ」
「わかってるよ、じゃあね~」
「さよなら、また明日来るねラウラちゃん、みんな」

「なんか、子供達多いな近所の子か?」
「うん、ここら辺の子だってみんな」
「ふ~ん、子供結構多いんだな良かった良かった」
「なにそれ?ヒデ兄、子供多いと何かいい事あるの?」
「ん、子供多い方が街は発展してくだろ?子供が成長してまた子供産んでドンドン増えていけばさ」
「なるほど、そういう事か」

 話しながらみんなで歩いていると馬車が止まっていた。横の方から、咳き込んで少し苦しそうにしている声が聞こえた。

 馬車を回りこもうとしたら、無精ひげをはやしたおっちゃんが前に出てきた。
「ああ、待って待ってこれ以上は近づかないでね~」
「え、でも、あの人が苦しんでるでしょ?あ、俺、冒険者ギルドで回復師やってるヒデと言います」
「あ~そうなんだ、うん、わかった、でも近づいたら切っちゃうよ」
「はあ?ほっとくとあの人死んじゃうぞ?」
「う~ん、困ったな、あんまり騒ぐと切っちゃうよ」

 話しにならない、如何しようかと思っていたら、後ろに引っ張られた。
「お師匠様、この男は危険ですわ。お下がりください」
「ああ、良かったよ話しが通じそうなのがいて、お話すのは苦手でね、こっちの方が早くていいから」

 わきに差している剣を撫でている。近づけないうちに咳が何か不味い感じになって来た。その時頭に声が響いた『マスター』一言だけでわかった。その次の瞬間には走り出していた。
「クソッ、間に合え」
《ヒール》

 右耳の近くで金属音して少し左に飛ばされた。

「やっぱり、飛び出したヒデ兄」

 キャリーさんが男の剣をいつの間にか出した両手杖で受けていて、ゲンとトランが背に俺を庇って左に押したようだ。
「ゴメン、もうちょっとそいつ止めといて」

 言うと急いで、座り込んで肩で息をしてる男に近づく。ゲンとトランが前に出て警戒してる。
「あの、俺回復師してる者です。その咳は喉の気管が狭まって起きる現象です。治療をさせてもらえないでしょうか?」

「ハァ、ハァ、押し売りの回復師か?金が目当てか?」
「まあ、俺も生活があるんで、治ったら銀貨一枚貰ってますよ」
「ハァ、ハァ、銀貨だと?金貨じゃなくか?」
「そうですよ、後、治ってからでいいですよ」

 上品そうな上着を着こんだ男は四〇歳前後だろかジーと俺の目を見ながら話してくる
「俺を誰だか知ってるか?」
「知らないですよ、しいて言うなら咳き込んで苦しんでるおじさんです」
「フフ、スミー剣を収めろ」
「ハァ、良かったこれ以上やってたら楽しくなってきちゃうとこだったよ。お嬢さん終わりだよ」
「まったく、手加減しながらだと疲れますわ」
「ハハハ、言うじゃないか、お嬢さん」


「じゃあ、ちょっとここに仰向けに寝てもらえます?」
「ここでか?高いんだがなこの上着」
「脱いでからでもいいですよ?」
「皮肉だ気にするな」

「はあ、直ぐ済みますよ」
 【診断】

『マスターのヒールで落ち着いてはいますが、気管に酷い炎症があります』
≪うん、わかったよ、ヒールをかけるから調整してくれる?≫
『はい、了解しました』

 炎症がおさまって気道が広がれ~
 《ヒール》
 胸の辺りがほんのり光り出した。

「どうですか?呼吸が楽になって来たましたか?」
「ん、おお、薬を飲んで咳が出てない時の状態どころか、凄く楽になったぞ」
「ふぅ~良かった。じゃあ、明日、ギルドに来てもらって治ってたら銀貨一枚持ってきてくださいね。あ、出来れば午前中でお願いします」

「ギルドまで行くのは手間だ、ほら、銀貨だ」
「あ、はい、毎度あり、お大事にね。また調子悪くなったらギルドの方に来て下さいね」
「お前、俺のお抱えになる気はないか?」

「ないですよ。今の生活気に入ってますから」
「俺の名はブルース、この街の裏世界ではでは少しは名が通っている。今よりいい思いが出来るぞ」
「興味ないですね。裏世界なんて怖そうだし怖いのは外のモンスターだけで充分ですよ。そんな事より調子が悪くなったら銀貨一枚持ってギルドに来てくださいね」

「ハハハ、面白い男だな。まあ、いいや、何か厄介ごとが出来たら俺の名を出していいぞ、ヒデ」
「そうですか、じゃあ、俺も病人が出たら治しに行きますよ、ブルースさん」
「ハハハ、なかなか肝が据わってるじゃないか益々ほしくなるぜ、じゃあな」
「はい、お大事に」

 ブルースさんが馬車に乗りこんでいく。無精ひげの男、スミーさんも乗り込んで馬車が走り出す。馬車が見えなくなってから、地面にへたり込む。

「怖かったよ~」
「何だよヒデ兄かっこよかったのに」
「いやいや、充分かっこよかったよ」
「今だ、ミラちゃん、チャンスだ」
「うん」

 ミラとハルナが頭を撫でにやってきた。クッ足に力がはいらん、今立とうとしたら生まれたての小鹿のようにってしまう。

ナデナデナデナデナデ
何か満たされた顔をしたミラとハルナだった。



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