挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
この世界の平均寿命を頑張って伸ばします。 作者:ちちまさ

第二章

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

133/149

お祭りの準備 診療所


 診療所で目を覚ました。首を回し大きく伸びをすると少し意識がはっきりしてくる。

「んーー、あー、そうだ。昨日は領主様に奢ってもらって飲んだんだった。裏の宿に泊まるとか言ってたけど平気だったのかな?」
 まあ、話しを聞いた感じ学生時代から結構大変な思いをしてたみたいで、芯の強い人って印象だったし部屋が狭いとかで文句なんか言わないだろう。

「さて、こっちもお仕事始めますか」
声に出して勢いよく診療所のドアを開ける。そこには見慣れた光景が広がっている。
「はい、プットアウト欲しい人手を上げて」

俺の声に気が付いた数人が手を上げて言う。
「ヒデー、ここら辺全部だからまとめてかけてくれー」
「ハイハイ、わかったよ」

 《プットアウト》 広範囲版

 待合の椅子にだらしなく寝転んだり座っていた二日酔い達を光が包む。
「あー、助かった」
「ヒデ、いつもすまんな」
「帰ってねなおそ」

 顔色が良くなったみんなは口々に話しながら魔法球に冒険者カードを当てていく。
少し離れているとこに転がっている人にも声をかけ酔い覚ましが欲しいか聞いて回る。

「「「「ヒデ兄(師匠)おはようー」」」」
元気よく入って来た四人組が朝の挨拶を元気よくする。
「おはようー。今日は大体終わってるからママさんの所で待ってて」

そう声をかけたがミラを抜かした三人が詰め寄って来た。
「ヒデ兄、ヒール通りで祭りやるって本当?」 
「ん?院長先生から聞いたのか?」
俺の質問にハルナが答えた。
「院長先生?違うよ朝ここに来る時にミラちゃんから聞いたの」

トランが少し不機嫌そうに話す。
「昨日会った時にそんな事全然言ってなかったのに」

「ハハ、悪い悪い。今日お前達に会うし飯でも食いながらゆっくり話そうと思ってな。さあ、ママさんの所に行って朝ごはん食べよう」

 少し不機嫌そうな顔をしながら酒場に向かう。その時ギルドの玄関に見慣れた人がいた。
「あ、キャリーさん戻って来たんですね。あれ?期限よりずいぶん早いような?」

 こちらに気付いていたキャリーさんが挨拶をしてくれた。
「おはようございます。お師匠様。予定より早く片付いたので早めに戻れましたの」

「あ、キャリー姉ちゃんだ。今度はどんなのと戦ったの?話聞かせて」
 さっきまで不機嫌だったゲン達の顔が一変して目をキラキラさせている。

「ハハ、じゃあみんなでママさんの所でご飯食べよ」

「あ、先にクエスト完了届けだけ出してきますわ」
そう言ってキャリーさんは受付の方に歩いて行った。

 キャリーさんが戻って来るのを待ってからみんなで朝ご飯を食べながらお祭りの話しをした。

「‥‥‥そんな訳でお祭りを開きたいなっと思ったんだ。それで、ここの三人で順番に診療所の出張所じゃないけど、何処かにスペース作って診療所を開こうかと思ってるんだけどどうかな?きっと気分が悪くなったり怪我したりする人がいるかもしれないからさ」

キャリーさんが少し驚いた顔で話す。
「確かに、お師匠様の言う通りですわね。人が多く集まるなら怪我人や気分が悪くなる人も出るかもしれないですわ。最初に聞いた時、今より安い料金で患者さんを診るのかと思ってしまいました。まだまだ修行が足りませんわね」

「ハハ、大げさですよ。もしかしたら誰も来ないかもしれないですしね。まあ、俺達は暇な方がみんな健康で良いのだろうけどね」

「そう言われればそうですわ。お祭りの日がまだ決まってないそうですが私は言っていただければ何時でも空けておきますわ」
「キャリーさん、ありがとう」

 お礼を言い終わった時にゲンが話しかけてきた。
「ヒデ兄俺達も何か手伝いたい。何かないの?」
「そうだよ、何でも言ってよ」
「うんうん、私もやるよー」
トランとハルナも後に続く。

「フフ、ゲン達にもたっぷり手伝ってもらうからな。具体的に何をするかは祭りの規模によって変わるかもだから後で話すな」
「「「うん、わかった!」」」
 目をキラキラさせて楽しそうに頷いて答えた。


「キャリーさん今日の予定は何か決まってる?」
「いえ、今日はお師匠様のお手伝いをしようと思ってますわ」
「おお、じゃあミラと一緒に診療所お願いできる?さっき話したお祭りの事で少し動かないといけないからさ」

「はい、わかりましたわ」
キャリーさんが何となくホッとしたような感じがしたけど気のせい?

 ミラとキャリーさんが話しているのを眺めていたら昨日ギルマスから受け取った物を思い出した。
「そうだ、ミラに渡したいものがあるから診療所まで来てくれる?」
ミラが不思議そうな顔をしながら頷いた。
「もう、ごちそうさましたから今でもいい?」

 みんなで診療所に入る。いつもの魔法球の横に新型の一回り小さな魔法球が置いてある。
「これはミラ専用の魔法球だよ。ミラが治した患者さんはこの魔法球にカードを当ててもらってね」

 そう言って魔法球をミラに渡す。
「え?え?いいの?これ貰っちゃっていいの?」
 魔法球を凝視した後、周りをキョロキョロと見渡していた。
ゲン達がミラに寄って行く。
「おお、すげーな。ミラ専用なのかこれ?」
ゲンが驚いた顔で話す。

「ハハハ、そうだよ。俺のと一緒でその魔法球にカードを当てるとミラの冒険者カードに入る様になってるからね」
ミラが満面の笑顔でお礼を言ってきた。
「ヒデ兄師匠、ありがとう!」

「ハハ、前から気になっていたんだよ。ミラに報酬って言って渡してもなかなか受け取らないからね。これからも頑張ってね」

「うん、今日から使ってもいい?」
「いつでも使える様にしてもらってるからだいじょうぶだぞ」
嬉しそうに魔法球を台に置くとハンカチを出してキュキュッと磨きだした。

その姿を見てトランが楽し気に笑った。
「ミラのその姿俺達がヒデ兄にこの腕装備をプレゼントしてもらった時とダブってさ」
「あー、確かに。あの時は暇さえあれば磨いてたね」

ゲンが頷きながら話す。
「いやー、あの時は嬉しくていつも磨いてたな」

 いつまでも見ていたい風景だがそろそろ行かないとな。
「じゃあ、俺はそろそろ行くね。キャリーさん後お願いしますね」
キャリーさんに声をかけると、同じ様に子供達に見とれていた様で少し慌てて対応してくれた。

「ハ、ハイ、行ってらっしゃいませ。お師匠様」

「お前らも今日はクエに行くんだろ?まだいいのか?」

 ゲン達に声をかけると思い出したかのように動き始めた。
「あ、そうだった、早くいかないと狩り場が混んじゃう」
「急いで行こ」
「ミラちゃん、行ってきます」

 みんな一斉に動き出してあっという間に出て行った。
「フフ、みんな怪我しないようにね」
 そう言いながらミラが手を振ってみんなを送り出す。


+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ