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この世界の平均寿命を頑張って伸ばします。 作者:ちちまさ

第二章

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アオちゃん日記 その6


 さて、キイちゃんに連絡をしなきゃね。

(キイちゃん今大丈夫?)

(アオちゃん?ちょっと待ってね?‥‥‥ハイ、どうぞ)
(今、若様からお預かりしたお手紙を相手に渡し終えたんだけど、このまま街に戻ってヒデ様の護衛に付けばいいのかな?)

(待ってて若様に聞いて、こっちから連絡するね)
(わかったよ、待ってるね)

 スキルを切ると目の前に置いてあるグレプのジュースを飲みながら待つことにした。さっきまで騒いでいた村長さんや、イアン様だっけか?

 しかし、あの領主に命を狙われているって言ってましたがどんな関係なんでしょうか?確かあの領主には
幼い息子が一人いたはずですが‥‥‥いや、年が違いすぎますし自分の子供の命を狙うとかおかしいですし。

 グレプのジュースを飲み終わった時にキイちゃんから連絡が入った。
(アオちゃん今大丈夫?)
(いいよー、待ってたよ)

(じゃあ、若様の言葉を伝えるね。そこから領主の家に向かう様に村長さんに伝えて、後、アオちゃんは村長さんの護衛をしながら一緒に領主館まで来る様にだって)
(ここから領主館までだったら三日くらいかな?)

(そうだね、後領主館に乗り込む時は若様も同行するから連絡は逐一入れる様にですって。以上)
(わかりました。村長を領主館まで護衛します)
 行動の復唱をして形式の返答をする。

(はい、若様に伝えておきます。ふぅ、ゴメンね時間かかっちゃってこっちもデブルッチの追い込み作戦の最中でさ、こっちはアカちゃんが動いてて少し忙しくてね。若様がここを越しちゃえば少し時間に余裕が出るって言ってるんだけど)
(何々なんか忙しいって言う割にはキイちゃん楽しそうじゃない?)
(フフ、それが今回の作戦が面白いの聖女様を誕生させるんですって)

(うん?どういう事?)
(フフフ、詳細はまた今度ね。アカちゃんから連絡入ったから切るね)

 あ、もうー良いところで話を切るんだから続きが気になるー。スキルに集中していたら目の前に先ほどイアン様の横にいた執事さんが来た。
「使者様、イアン様がお呼びです。ご同行してもらえないでしょうか?」
「はい、わかりました。案内を頼みます」
「はい、こちらです」

 支払いを済ますと執事さんの後ろについて行く。暫らく行くと屋敷が見えてきた。あそこがイアン様の住まいの様だ。

 屋敷の中に入ると旅支度の整ったイアン様がいた。
「イアン様、ご使者様をお連れしました」

イアン様が執事さんに頷くとこっちに向いて話し出す。
「ご使者様先ほどは失礼を致しました。待ちに待った吉報だったので少し浮かれてしまって」

「いえ、お気になさらずに。それより主より伝言です。これより領主館に向かってほしいそうです」
「ふむ、ここからなら二日とかからないから時間的には少し余裕がありますね。わかりました」

「後、護衛として私も同行しますのでよろしくお願いします」
「わかりました。よろしくお願いします。恐らく私がこの村を出る機会を窺っているはずなので」

 この後イアン様と執事さんと護衛のために二人の騎士が付いたので五人で領主館に向かった。


 村を出て街道に向かう途中予想通り賊が襲ってきた。


「ガハハ、やっとあの村から出てきやがったか。出てくるまで待っている作戦は成功したな。無駄な抵抗は止めて武器を捨てな。用があるのはそこの村長さんだけだ。この人数にかなうわけがないだろ?」

 馬から降りた先頭の男が得意顔で話し始める。護衛の騎士がイアン様を守る様に前に出て武器をかまえた。私はその横を通り過ぎる時に「動かないで」と武器を構えている騎士に小声で話す。ゆっくりと人数と場所を確認してから得意顔の男の前に立った。

「やれやれ、村から出なければ手も足も出なかった雑魚が良く吠えますね」
 目の前の集団の中で一番小さな、しかも女の子が出てきて文句を言っているのを見て周りの男達がさも楽しそうに下卑た笑い方をする。

「何だ?お嬢ちゃん命乞いなら後にしてくれ。まずはこいつらの首を刎ねてからお嬢ちゃんは最後のーー」
 目の前の男は最後まで言葉を言い切る事が出来ないまま頭を地面に落とす。

 周りの男達が何が起こったのか理解する前に半数の首が落ちた、残り半数が逃げようとするのを懐から投げナイフを取り出して五人に向かって投げ動きを止める。ナイフは吸い込まれる様に脚や背中に刺さる。痛みで動きが止まった五人の首も飛ばす。

「さあ、行きましょう。時間がもったいないです」
イアン様がポカンとしていたがその言葉を聞いて他の皆に声をかける。

「ム、皆急いでここを離れよう。街道まで行けば安全だし急ごう」
 その号令に他の皆も動き出す。その後は襲われることもなく無事領主館の近くの村に着く事が出来た。

 その村に入ると村の入り口に顔見知りの親衛隊のダニエルさんが立っていた。ダニエルさんに案内された先の宿屋には若様がいた。イアン様が急いで若様の前に行き跪く。

「オイオイ、イアンそんな畏まるなよ。時間がかかってすまなかった。ようやく約束が果たせるよ」
「もったいないお言葉です。今の政治の状況を考えれば動く時ではないのはわかっておりました」

「フフ、流石は学園のトップスリーだね」
「ハハ、常に一位だった王子から言われても嬉しくないですね」

「まあ、そう言うなよ。状況が変わったんだよ。まだここだけの話しだが、父が復帰される」
「おお、それではデブルッチ派は一掃できますな」
「その計画も今進んでいるんだ。それが終わった後の方が処理しやすかったんだけど、こちらにも急がないとイケナイ事情が出来てしまってね」

「それって、女神の祝福を受けし村の関係ですか?」
「ん?何か掴んでるの?」
「いえ、この領土で大きな事件というとその村くらいなので。確かその事件の前にゴブリン討伐で近くのギルドが出動して事を収めた時、奇跡的に死者はおろか怪我人も出なかったのは優秀な回復師がいたからという事ぐらいですが」

「それは、良く調べたね。情報規制はしていたんだけど?」
「フフ、上の方の情報は規制できても下々の方は無理ですからね。近くに居ればそれぐらいは入ってきますよ」

「まあ、そうだろうね。今回はその事もあって君に領主になってもらいたくてね」

 少し楽しそうに話す若様の前で顎に手を添えて考えているイアン様が、何かに気が付いて顔を上げ若様を見る。
「まさか、件の回復師が王の病気を?」
「まったく、相変わらず頭の回転が早いね。そんな君だからここの領主になってもらいたいんだけどね」
「わかりました。王都の方の計画も教えてください。明日の為にも情報があった方が助かります」

 そう言いながら目をキラキラさせている。旅の疲れなどみじんも感じさせないイアン様でした。若様の方も楽し気で珍しく自慢げに計画を話しているように聞こえた。


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