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この世界の平均寿命を頑張って伸ばします。 作者:ちちまさ

第一章

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交渉 前日


 若様にお願いしてから数日が過ぎた頃に若様が来てくれた。
「やあ、ヒデ君マルーツの会頭と会える日が決まったよ」
「若様、お手数をおかけしました」
「いや、僕はケネスに頼んだだけだからね、たいした事してないよ。決まった事だけ伝えるね。場所はエル商会の商談室で、時間は明日の昼過ぎ、ヒデ君の方は何人来るの?」
「俺だけのつもりですけど、もし、余裕があるなら試作品を造ってくれた人に頼んで、付いてきてもらうかもしれないです」

「うん、わかった。明日迎えに来るから準備しといてね」
「すいません、若様。こんな事を頼んでしまって」
「フフ、ヒデ君に頼られるのは気分が良いからね、ドンドン頼ってよ」
「若様はいつもそう言ってくれますが、無理な物や嫌な事は断ってくださいね」

 少しあきれた顔をして話す。
「ヒデ君の性格ぐらいわかっているつもりだよ。ヒデ君は僕にしかできない事しか頼まないからね。それに何度も言うけどヒデ君には返しきれないほどの恩があるからね」

「またそれを言う。若様と俺との仲なんだからその事はいいって事にしたでしょ?」
「そっくりそのままお返しするよ。じゃあ、また明日くるね」
 そう言うと目の前から消えて行った。暫らくすると診療所のドアをノックする音が聞こえた。

「ヒデ兄お話終わった?」
「うん、終わったよ開けていいよ」
 ドアが開くとハルナの顔がみえた。

「朝ご飯出来たよって。ママさんから」
「はーい、お腹減った。今行くね」
 ハルナと酒場に向かう時ハルナが話しかけてきた。
「ヒデ兄また何かややこしい事になってるの?」
「何だよまたって。フフ、大丈夫だよ今の俺には仲間がいっぱいいるからね」
「私達だって何かお手伝いするよ」 

「うん、頼りにしてるよ。この街に来てゲンやトラン、ハルナ、ミラこの四人が一番付き合いが長いんだからな、居てくれるだけで癒されるよ」
そう言うとハルナの頭をなでる。

「あ、それならわかる。ここに来ればヒデ兄がいてくれるって思うとホッとする感じがするの」
「ハハ、じゃあ一緒だな朝になればハルナたちが来るって思うと俺もホッとするぞ」
「フフ、一緒だね」 

「ヒデ兄、早く早く先に食べちゃうよ」
 ゲンがいつもの席でこちらに声をかけてくる。
「お、ゴメンゴメン今行くよ」
 そう言うと早足で席に着く。
「じゃあ食べよう」
「「「「「いただきます」」」」」


 ご飯を食べてから、ゲン達はクエストに出かけていった。ミラとキャリーさんにお留守番を頼んで俺はポールさんに会いに出かけた。いつものようにモニカさんに挨拶をしてポールさんの部屋に向かい、ドアをノックして中に入る。

「ヒデ君おはよう。どうしたんじゃこんな朝から?」
「おはようございます。マルーツの会頭に会える日が決まったので報告とお願いに来たんです」
「フム、もう決まったのか早いな。連絡を取る方法があると言っておったのが早いのう」
「フフ、それで会うのは明日です、場所はエル商会の商談室です」

「フーム、まあ普通に聞けばツッコミどこが満載じゃが、ヒデ君が言うならばそうなのじゃろう」
「残念、ポールさんの驚く顔が見れないのか。じゃあネタばらししちゃいますとテレポート使える人が明日来ますのでそれで行きます」

「ほほー、なるほどのう。納得じゃな」
「それで、出来ればポールさんにも一緒に行って頂きたいと思いまして」

「フム、やはり縁かのう。いや、了承した明日の今ぐらいにヒデ君の診療所に行けばよいのかの?」
「え?あ、はい。お願いします」
「フム、王都か久し振りじゃのう」

「あ、そうかポ-ルさん昔、王都にいた事があるってラウラから聞いた事がある」
「フォフォ、いたと言ってもお師匠様に弟子入りしていた数年間だけじゃがな」

「王都ってどんなとこなんです?行った事無くて。今回も会合が終わったらそのまま戻るから街なんか見れないだろうし」

「そうじゃな、人が多くて物価が高い。他はあんまり変わらんよ。ワシも数年しかおらんかったし出不精じゃからあんまり外にでなかったからのう」

「おお、真面目な弟子だったんですね」
「フォフォ、ただの貧乏人じゃわい。研究ばっかりしとったから金がなかったんじゃよ。今思えばどうやって生活できていたのか不思議じゃわい」

 そんな話を色々聞きながらお昼前にポールさんの店を出た。

 一旦ギルドに戻ってキャリーさんとミラの三人で屋台広場に行って昼ご飯を食べながら話していた。
「こうやって見回すとお化粧してる人って少ない?っていうかいない?」
「そうですわね。こういった所にはお化粧なんかしてきませんわ」

「えっと、庶民だから?」
「いえ、そういった事ではなくて単純に汗をかいてしまったらお化粧は落ちてしまいますもの」
「……そうか、そうだよね。じゃあ、貴族のパーティー中に汗かいてきちゃったらどうするの?」
「それは、パーティー会場には普通お化粧を直す部屋が隣接してますわ」

 汗か、地球の化粧品ってどうなってるんだろ?流石にそこまではわかんないしな。CMで汗に強い化粧品って見た事あるくらいだしな。取り合えず頭の隅にでも置いておこう。

「一昔前は肌を白くするために血を抜いていた人もいたそうですわ」
「え?あ、何か聞いた事ある」
「私がお化粧をしていた時は、健康的な感じが良いとされてましたわ」

 その後、思いつく限りの質問をキャリーさんにして答えてもらってから、また三人でギルドに戻っていった。

 まあ、後は会ってから、人となりを見てからじゃないとわからないしな。

 ギルドについて診療所のドアを開けたら中に、若様とケネスさんと護衛のヴァネッサさんがいた。キャリーさんとミラに、ママさんの所で休憩してもらって若様達と話をした。

「ヒデ君ゴメンよ。ケネスがどうしてもヒデ君と先に話がしたいそうなんだ」
「いえ、構わないですよ。ケネスさんどうしました?」

「ヒデ君突然にすまんな。どうしても明日の事で聞いておきたくてな。時間もないし単刀直入に聞くぞ。マルーツから発売している化粧品は本当に危険な物なのか?」
「はい、危険な物です」

「そうか、今は品切れ状態で在庫も持っていないから、交渉時期としてはいいかもしれんな」

「あれ?自分で言うのもなんですが信じちゃうんですか?」
「ん?ヒデ君はウソを言って無いからな」

 やっぱりこの人何かスキル持ってるんだな。初めて会った時に感じたのは間違ってなかった。もしかしたらすんなり事が進むかな?

「だが、それを奴が信じるかは別だぞ?」
 こちらの考えてる事がお見通しのように付け加える。

「この件はヒデ君とマルーツの話し合いだからな。同席はするがマルーツの友人としてそこにいるつもりだ」

 そうだった。何とかこの試作品お認めてもらって鉛白の使用を止めてもらわないとたくさんの被害が出てしまうのだ。

 両手でほっぺを強くたたいて。
「そうでした。明日マルーツさんに誠意をもってお話ししますよ」
「フフ、良い目だ。昔の奴と同じ目をしている。余計な気を回す必要もなかったな。お邪魔したよヒデ君」
「え?いえ、こちらこそお構いもしませんで」

「ケネス、もういいのかい?」
「はい、用事は済みました。明日が楽しみになって来ましたよ」
「ケネスが楽しみとか嫌な予感しかしないんだけど。それより、僕は明日ヒデ君の友人として参加するからね」

「フフフ、頼もしいですね若様。では、また明日」
「うん、じゃあね」

 挨拶とともに消えて行った。

 さて明日の用意でもするかな。

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