ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
 初投稿です。手探りの自転車操業ですので、決して更新速度は速いと言えませんが、できる限りはがんばります。感想については忌憚なき意見を希望。ただし、理不尽な罵倒、展開が気に入らない等、作者にはどうしようもないものは申し訳ありませんが拒否させていただきます。
第一期「ダークシスター編」
第一話「入学」
アルカナ~切り札の騎士~



第一話「入学」



 異世界トリップ、という単語は近年ネット上では割とお馴染みになってきている単語だろう。オリ主TUEEEEEE!! という類のヤツだ。だが、それはあくまで架空の物語だからこそ成り立つのであって、まさかそれが自分に振りかかるなんてのは夢にも……いや、夢として見ることはあってもそれはただの自分のイタイ妄想であると理解した上での夢だろう。少なくとも俺は夢にも思っていなかったのである。
「で、遊戯王GXの世界にご招待、か」
 とりあえず、自分の状況を確認。俺はあのデュエルアカデミアへの入学を控えた受験生。受験番号は112。十代の受験番号が確か110だった筈だから、その二つ後だ。
「ってことは、なんかもう一人くらいイレギュラーが混じっているわけだ」
 具体的には、111番の人。
「まあなんにせよ、まずは入学試験のデュエルに勝たなきゃ話にならないな」
 とゆーわけでデッキを確認。俺が現実で使っていたのは『終焉のカウントダウン』を使ったこの世界じゃ嫌われまくる特殊勝利系とか剣闘獣とか。まあグラディアルビーストはないな。つか、俺ってば現実じゃ大分バーンデッキや特殊勝利、デッキ破壊とかの鬼畜デッキばっかり組んでたんだよな。もしそんなんだったら孤立間違いなしじゃん。
「お……」
 デッキを確認してみると、意外や意外。俺が作った数少ないビートデッキの一つだった。しかも、この世界なら結構いい感じで目立てそうなタイプだ。俺も気に入っている奴だし、悪くない。
「くらえ! スカイスクレイパーシュート!」
「マンマミーヤ! 我が『古代の機械巨人』がぁ~!?」
 俺がデッキを確認している間に、十代が『フレイム・ウイングマン』でクロノス先生に勝利していた。やべ、見逃した。
「……はあ、では次の111番、どうぞなノ~ネ」
 そういってクロノス教諭は気分が悪くなったと壇上を降りて行った。どうやら試験は別の試験官が担当するらしい。……残念。クロノス先生と戦ってみたかったんだが。
 ともかく、次は俺と同じくイレギュラーであろう111番だ。しっかり見ておかなくては。
「は、はい」
 ちょっと困惑気味に舞台上に上がったのは女子生徒。俺と同じ状況の人間なら、ああなってもおかしくない。あとで接触してみることに決め、まずはデュエルを鑑賞することにする。
「受験番号111番、天音アテナです。よろしくお願いします」
「うむ! 全力でかかってきなさい!」
「「デュエル!」」
「行くぞ、先生のターン!」
 ……もしかして、先攻後攻って速い者勝ちか? 少女もびっくりしている。
「先生は手札から『不意打ち又佐』を攻撃表示で召喚だ! そして装備カード『デーモンの斧』を装備する!」
 『不意打ち又佐』ATK1300→2300
 うわガチだ。又佐は二回攻撃でコントロールを奪えない1300の優秀モンスター。その低い攻撃力をデーモンの斧なら十分補える。攻撃力2300を超えるモンスターはおいそれと出せるもんじゃないしな。さて、どうするイレギュラー?
「ターンエンドだ」
「私のターン。手札から『ヘカテリス』の効果を使います」
 お。
「『ヘカテリス』の効果で、デッキから『神の居城―ヴァルハラ』を手札に加え、そのまま発動します!」
 ソリッドビジョンにより、フィールドに巨大な門が現れる。
「ヴァルハラの効果発動! 手札から『アテナ』を攻撃表示で特殊召喚します」
 『アテナ』ATK2600
 フィールド上に、神々しい光を纏った戦女神が降臨する。攻撃力は2600。十分不意打ち又佐を倒せる!
「おぉ……」
「さらに、私は手札から『ジェルエンデュオ』を攻撃表示で召喚します!」
 『ジェルエンデュオ』ATK1700
「ぬぅ!」
「『アテナ』の特殊効果起動! 天使族モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚されるたびに、相手ライフに600ポイントのダメージを与えます!」
「ぐぁ!?」
 教師LP3400
 あーそういや、ライフって4000なんだよな。少ないなぁ。
「『アテナ』の効果起動! 『ジェルエンデュオ』をリリースして再び『ジェルエンデュオ』を特殊召喚! 『アテナ』の効果! 600ポイントダメージ!」
 教師LP2800
 出た!『アテナ』のループバーン! こりゃライフ4000じゃ溜まったもんじゃないよな。
「バトルフェイズ!『アテナ』で『不意打ち又佐』を攻撃! えと、じゃ、『ジャッジメント・レイ』!」
 あ、名前考えるの苦手っぽい。顔赤いし。
「おぉぉ!?」
 教師LP2500
「『ジェルエンデュオ』でプレイヤーにダイレクトアタック! うぅ……『セイント・アタック・デュオ』!」
 とりあえずひねり出しました的なネーミングだ!
「うあぁ!」
 教師LP800
 まあなんにせよ試験官のライフはあと少しだ。『アテナ』の効果もあるし、このまま押し切れるだろう。
「カードを一枚セットして、ターンエンドです」
「くっ……やるな! 先生のターン! ドロー!」
「トラップ発動! 『ソーラー・レイ』! 1200ポイントのライフダメージ! 私の勝ちです!」
「なにっ!? うわあああああああ!?」
 教師LP0
 あ……。
 いや、別にいいんだけど。ほぼワンキルなのもまあいいんだけど。流石にこの世界でバーンフィニッシュはちょっと悪目立ちするんじゃねーかなー? ほら、なんかザワついてるし。
「よ、よし。もういいぞ。良いデュエルだった」
「は、はい。ありがとう、ございました……」
 少女もなにやらビクついてるな。まあともかく、十代、少女と二人して目立ってくれちゃって。これじゃ俺が目立てやしない。
「最後! 112番」
「イエス、ティーチャー。112番御堂切、よろしくお願いしまっす!」
 気楽に答えて舞台に上がる。おーおー見てる。さっきの少女がガン見してるよ。こりゃ俺が話しかける前に向こうから話しかけられるかもな。
「今年の新入生は粒ぞろいのようだな! 君にも期待しているよ」
「ども。期待を裏切らないよう精いっぱいやらせていただきますってね」
「「デュエル!」」
 ひゅ~わくわくしてきた。さーて手札は……。
「先生の先攻だ! ドロー!」
 うお。またしても言ったもん勝ちの先攻。まあいいや。手札は揃いまくってるし。ぶっちゃけワンキルオーケーです。
「さっきは様子見が過ぎたからな。今度は全開だ! 行くぞ!『重装武者―ベン・ケイ』を攻撃表示で召喚だ!」
 『重装武者―ベン・ケイ』ATK500
 おっと。今度はベン・ケイか。つか、この人矢ヶ城先生か? そうっぽいな。
「ベン・ケイに『デーモンの斧』を二枚と『団結の力』を装備! ターンエンドだ!」
 『重装武者―ベン・ケイ』ATK500→3300
 おおう。これで3300の四回攻撃モンスターですかい。こりゃ圧巻。
 観客席もザワついている。まあ一ターン目からあんなの出てきたら驚くわな。
「さあ! どうする?」
「すいませんセンセイ。ワンキル、行かせていただきますよ」
「なっ……」
 観客席のザワめきが大きくなった。そりゃまああんなフィールドの相手にワンキル宣言とかどんだけ~? って気持ちもわかるけどな。
「俺のターン、ドロー! 手札から『融合賢者』を使わせてもらいます」
 『融合賢者』で『融合』をサーチ。
「んでもって『融合』発動! 手札の『クィーンズ・ナイト』『キングス・ナイト』『ジャックス・ナイト』の三体を融合! さあて、いきなりだけどお出ましだ! 出てこい『アルカナ ナイト・ジョーカー』!」
 『アルカナ ナイト・ジョーカー』ATK3800
 そう、俺のデッキは『絵札の三銃士』。『アルカナ ナイト・ジョーカー』があまりにもかっこよかったもんでデッキを組んでみたら案外強かった。以来お気に入りのデッキだ。
「攻撃力……3800!?」
「一ターン目からこんな……!」
 おおー、目立ってる目立ってる。やりぃ。
「いっきまーす!『アルカナ・ナイト・ジョーカー』で、ベン・ケイを攻撃!『ロイヤル・ストレート・スラッシュ』!」
 名前は即興。まあなんでもいいし。
 教師LP3500
「ぐぅ! だが、それではワンターンキルはできないぞ!」
「まだだ。まだ俺のバトルフェイズは終わっちゃいない!」
「なに!?」
「速攻魔法『融合解除』! 戻ってこい、三銃士!」
 『クィーンズ・ナイト』ATK1500
 『キングス・ナイト』ATK1600
 『ジャックス・ナイト』ATK1900
 アニメで遊戯さんが使ってたやつ、俺もぜひ一度やってみたかったんだよね~。
「そして『融合解除』で特殊召喚された絵札の三銃士には、まだバトルフェイズが残っている!」
 キタ! キタコレ!
「絵札の三銃士のダイレクトアタック!『三位一体』!」
「ぐああああああああああ!?」
 教師LP0
「っしゃ! 宣言通りワンキル達成! ありがとうございました~♪」
 なにやらザワめくを通り越して沈黙してしまった観客席を尻目に、俺は意気揚々と会場を後にする。さーてと、あの少女はっと?
「おーい!」
 むっ、あそこで手を振っているのは十代! それに翔とスリー・スワンプ・アース(三沢)じゃないか。
「なんだ、どした?」
 無視すんのも感じ悪いので、とりあえず近寄ってみる。
「お前すんげーデュエルだったな! まさかワンターンキル決めてくるとは思わなかったぜ!」
「ありゃ初手からアホみたいに手札が揃ってたからだっての。普通、あんなに上手行くもんかい」
 事実だ。正直史上稀にみる揃い方だったと思う。
「まあ、たとえそうだとしても華麗なワンターンキルだったと思うぞ。確かに、揃いすぎだった気もするが」
「ところで、えーと」
 知ってるが、一応初対面設定なので名前を知らないふりをする。
「オレ、遊城十代! 十代でいいぜ!」
「僕は丸藤翔ッス。翔でいいッスよ!」
「俺は三沢。三沢大地だ」
「オッケ、把握。俺は御堂切。切でいいや」
「おう! セツだな。よろしく!」
「み、御堂さん!」
「お?」
 自己紹介が終わったところで、イレギュラーの少女が声を掛けてきた。
「ちょっと……お話があるんですけど、お話し中ですか?」
「んにゃ。悪い三人とも。またあとで」
「なんだ? いきなりラブコメか?」
「そんなんじゃねっての」
 意地の悪そうな笑顔で聞いてくる三沢を一蹴し、少女の下へ。
「あいよお待たせ」
「すみません。お話し中だったのに」
「いいっての。で? 話ってのは?」
 単刀直入に聞くと、少女は言おうかどうしようか迷っている様子でもじもじしていた。
「えと、笑わないで聞いて欲しいんですけど……」
「ういうい了解」
「その、わ、私と……」
 うん?
「私とお付き合いしてください!」
 ……あるぇ~?
 と、いうわけで、主人公とヒロイン登場の回です。
 まあ初めてのデュエルだったので、ご都合主義として、そしてテンプレとしてめちゃめちゃ揃いまくった手札からのワンキルを決めさせてもらいました。
 この小説は基本、今回出てきた二人を主軸としてまわしていきます。十代たちについてはさほど出番の予定はありませんが、扱いやすい翔あたりは出番が多めになるやも。といっても、まあ比較的、というだけの話ですが。あと、この小説で一番空気なのはおそらく三沢ではなくコアラ君です。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。