prologue
今から600年程前、大陸暦367年に大きな戦争がおきた。大陸全土を巻き込むほどの大きな戦争が。
この世界に住む人間以外の知的生物――エルフやドワーフといった亜人を下等な種とし、人類こそ世界の覇者とする人類至上主義を掲げる否定派諸国と、亜人の共存をすすめる共存主義を掲げる賛成派諸国のぶつかり合い。
それはこのアーガス大陸の中央部でおき、後に大陸中央戦争と呼ばれる事になる。
有史上最大の戦争は、数万人もの死傷者を生み出したが、それでもなお終わらず、泥沼の様相をなしていった。
大戦開始から数年が経ったある日、戦場に突如黒い穴が現れた。
それは数年間の間に貯めこまれた負の想念――瘴気によって呼び込まれたモノだった。
あまりに異質な光景に両陣営が見守る中、その穴から異形が溢れ出てきた。
その黒い穴は後に深淵とよばれ、異形たちは後に深淵のおとし子と呼ばれるようになる。
それは人類の、否、この世界に存在する全ての生物の敵だった。
戦争は一時的に終結。
人類はこの存在を駆逐する為、手を取り合った。
だが、瘴気に当てられ変化した魔獣という存在とは違い、瘴気そのものとも言える存在は魔獣とは比較できない程の力を持ち、一体倒すのに数十人もの犠牲を支払わなければならなかったが、やがて天秤は人類側へと傾く。人類の数が圧倒的だったのが幸いした。
多くの犠牲を支払い、アビスを駆逐した人類には戦争を続けられるだけの余力は無かった。
各国は疲弊し、人々もまた疲弊し――拠り所を求めていた。
そんな中、ある組織が設立される。
荒廃した世界の中で魔獣や犯罪者を狩り、人々の平和を守る組織――ギルド協会。
ギルドは警備以外でも民間の問題などを解決している内に世界一の規模を持つようになり、新技術の開発、新たに発見された大陸の探索、交通事業など、様々な方面に手を出していく様になり――世界にとって無くてはならないものになっていた。
そんな中、ギルドはまた新たな事業を始める。
次世代の有能な人間を育て上げる、学園の経営。
それは成功し、更に世界におけるギルド協会の地位は確固たる物になっていった―――
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