決戦への序曲高まる。
昭和18年3月。太平洋戦線は膠着したままであった。しかし、日本側では前年の豪州との講和以降、国内では食料配給制度の緩和など、国民の中に余裕が生まれ始めていた。アジア諸国も正式に次々と独立を果たしていた。
軍事では、連合艦隊司令長官が古賀大将から豊田大将に交代し、さらに軍備の更新や増強を行っていた。
このころ、満州の旅順海軍工廠では、天城級巡洋戦艦が相次いで竣工していた。また、内地の工廠では水上機母艦改装航空母艦四隻が相次いで完成していた。さらに、秋月級防空駆逐艦や夕雲級駆逐艦も続々と竣工していたこれによって、艦隊の編成替えが行われ、第一から第四までの航空艦隊が編成されていた。
第一は、空母瑞鶴を旗艦として空母4、巡洋戦艦2、重巡2、軽巡2、駆逐艦16から編成されていた。司令長官は山口多聞中将。
第二は、空母赤城を旗艦として空母2、改装空母4、戦艦2、重巡2、軽巡2、駆逐艦12から編成されていた。司令長官は角田覚治中将。
第三は、空母伊勢を旗艦とする空母2、軽空母4、戦艦2、重巡3、軽巡1、駆逐艦12から編成され、司令長官は原忠一中将。
そして、第四は空母歴新屯を旗艦とする空母2、戦艦1、重巡2、軽巡3、駆逐艦10からなり、司令長官は矢田勝一少将。
これら機動部隊はそのほとんどが28ノット以上の高速機動が可能な次世代機動部隊であった。
第四は4つの機動部隊の中で特に異彩を放つ艦隊である。
旗艦の歴新屯は珊瑚海海戦で拿捕したレキシントンである。名前が米軍の物を使っているのは、無線情報での敵霍乱を狙っての物である。
また同艦隊の戦艦能巣加呂雷那も米戦艦ノースカロライナの後身である。その他の艦艇も多くが日豪講和の際、損害が甚大でオーストラリアのドッグに放置された米艦艇である。
ただこの艦隊、他の艦隊よりも格下とされ、司令長官も少将となっている。
その他の機動部隊について言えば、戦艦は皆高速の金剛級であるが、一部は後2隻竣工する天城級との交換が決定されていた。
また、駆逐艦の秋月級は、5番艦から魚雷を降ろし、10cm連装対空砲5基に対空能力を強化し、さらに新型の高射装置と載せている。
これらの艦隊は来る米機動部隊との決戦に向けて、訓練を開始した。そして、6月、運命の北太平洋海戦が行われることとなる。
空母レキシントン拿捕は橋本純先生の第七航空艦隊戦記を元にしています。
米艦艇の命名は徳間書店の紺碧の艦隊を元にしています。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。