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豪州封鎖作戦 上
 




 昭和17年10月。ガダルカナル島が陥落し、米軍は窮地に立たされていた。ガダルカナル戦で、貴重な空母と戦艦を2隻づつ失い、太平洋艦隊に残存する艦艇は戦艦3、空母2となってしまった。
 戦艦は、新鋭のサウス・ダコダ、そして真珠湾の傷癒えたメリーランドとテネシーである。
 空母は、エンタープライズとワスプである。
 対し、日本側は稼動する空母は正規空母だけで7、改装空母は5であった。これはもはや圧倒的な戦力差であった。
 太平洋艦隊を預かる二ミッツ提督としては、あと3ヶ月も辛抱すれば、最新鋭のエセックス級正規空母とインディペンデンス級軽空母が各1、サウス・ダコダ級戦艦2に、修理を終えたノース・カロライナが戦列に加わり、日本側に拮抗する戦力を持てるというのに、日本軍はガダルカナルを占領した勢いに乗ったまま、一気にエスピリット・サントに上陸せんとしていた。日本としては、ここで米艦隊を壊滅させ、豪州やニュウジーランドだけでも連合軍陣営から離反させる必要があったのだ。
 あと当てになる戦力は陸上航空隊のみだが、エスピリット・サントにあつまったのは陸軍・海軍・海兵隊の各種機体併せて350機だけであった。この内日本艦隊迎撃に使えるのは280機程度であった。
 これは、ソロモン方面での消耗が激しかったことと、ドイツ本土空襲のため戦力が引き抜かれたからであった。これではとても充分な数とは言えない。しかし、日本は待ってくれなかった。
 11月1日、トラック島を日本艦隊が出撃した。戦艦6、空母10の、セイロン島攻略作戦以来の大艦隊であった。
 これに対し、米軍は全力で反撃する以外に手はなかった。もし、エスピリット・サントが陥落すれば、ソロモンの海は完全に日本の手に渡り、豪州が孤立する可能性があった。そうなれば、豪州が単独で日本と和平を結ぶ可能性も捨てきれなかった。豪州は潜水艦の基地や、補給ルート確保の上で、なんとしても必用な拠点であった。それを日本に渡すわけにはいかない。
 後に、豪州封鎖作戦と呼ばれた日本のエスピリット・サント攻略戦にともなう戦いはこうして始まった。
 
 今回の話では、特に基にした小説はありません。ただ、豪州封鎖については、各種小説にて既に取り上げられているので、別段珍しい物ではないでしょう。


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