上陸支援艦隊
1942年3月に海軍は陸軍の要請に従い、陸軍輸送船団の護衛、上陸支援専門の艦隊の編成に着手した。
研究段階において、この艦隊には上陸支援時に火力支援が行える戦艦、巡洋艦。そしてエアカバーが敷ける空母。そして航海時に対潜・対空護衛可能な駆逐艦が必要とされた。
戦艦の候補は直ぐに決まった。「山城」級の2隻である。
この時期、帝国海軍においては機動部隊直援用の「金剛」級戦艦しか稼動している戦艦は無く、その他の艦は、真珠湾攻撃によって仮想敵が全滅したため、遊んでいる状態だった。そこで、この内旧式に属する「伊勢」ならびに「山城」級の改装が決定した。
この内、足の速いほうであった「伊勢」級は2隻とも、高速化の上で全通甲板を持った空母への改装が決定し、17年4月から本格的な改装工事に着手した。
一方、「山城」級は空母ではなく、この上陸支援艦隊用の戦艦への改装が決定した。
改装内容は、まずこれまで爆風が問題となっていた3番砲塔を撤去し、代わりに無線と試験段階の電探設備、そして水上機2機のプラットホームにするものであった。加えて副砲塔も半分に減らし、その代わりに12,7cm連装高角砲4基を増設し、そして40mm連装機関砲も4基増設された。
当初、事実上陸軍の犬になるこの任務に就く事に、多くの乗員が反対した。しかし、上官がもしかしたら艦隊戦も行えるかもしれないという言葉になだめられた。
巡洋艦は、重巡の「鈴鹿」、軽巡の「賀茂」が編入された。これらはいずれも以前購入した元仏蘭西艦である。ちなみに後に増強された艦も、全て拿捕艦となる。
駆逐艦は旧式の「睦月」級が改装された上で8隻集められた。これらは、いずれも魚雷発射管を半減させ、主砲を両用砲に載せ代えていた。
空母は海軍からは出さず、陸軍から出される事となった。これは、以前より陸軍が建造していた「あきつ丸」級で、いずれも兵員輸送設備を大きく削減した。それによって出たスペースと重量を、搭載機とエレベーターの増設に活かした。
ちなみに、これらの代わりに専門の強襲揚陸艦の建造が急がれた。これが後の二等輸送艦である。
艦隊の改装が突貫で進められ、工事はいずれも5月までに完了した。そして、艦隊はそこで演習を始める筈であったが、その前にセイロン島攻略作戦への参加が命じられ。ぶっつけ本番で出撃した。幸い、この作戦は大成功に終わった。
そして、これ以後セイロン島は欧州への中継拠点として活用されるようになる。
次回は、陸軍海上機動旅団に焦点を当てます。乞うご期待。
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