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珊瑚海海戦 占領編
  損傷した米機動艦隊は、一路陸上航空隊の支援を受けられるポートモレスビーへと向かって航行していた。そして米機動部隊がモレスビー入港予定2時間前に、それは起きた。

 米艦隊はこの時、既にレーダーを導入していたが、昼間の海戦で搭載艦艇は軒並み損傷を受け使用不能に陥り、この時は見張り員の目だけが頼りであった。しかし疲労困憊状態にあった彼らは気づかなかった。日本艦隊が接近している事に。

 実は、米軍は偵察機が発見した日本機動艦隊の一時的反転を、日本側のモレスビー攻略中止と判断したが、実際は攻略部隊も機動部隊も隊列を組み直して、モレスビーへ向かっていたのだ。

 この時、米機動部隊に接触したのは攻略部隊の方であった。

 闇の中で米機動部隊を発見した日本艦隊は、当初相手は角田機動部隊と思った。しかしながら「レキシントン」の特徴的な煙突を認め、自らが米機動部隊と接敵したと判断した。

 そして、間髪を置かずにまずお得意の魚雷攻撃をかけた。

 かなりの遠距離からの雷撃であったが、帝国海軍が誇る酸素魚雷は期待に答えてくれた。

 魚雷攻撃の結果は、発射した40本中8本が命中した。魚雷が命中した軽巡1、駆逐艦1が瞬く間に轟沈し、空母「ヨークタウン」にも4本が突き刺さり、後沈没した。この時になって、米側も日本艦隊を確認し、反撃に出た。

 距離が近かったため、この後はもう完全に乱戦になってしまった。しかし、多くの損傷艦艇を抱える米艦隊は有効な反撃策が出来なかった。

 そのため、多数の砲弾を被弾した「レキシントン」は航行不能にされ、接舷した日本駆逐艦により拿捕され、その他の艦艇も多くが沈んだ。なんとか1隻がモレスビーへ逃げ込み、2隻がオーストラリアに逃走した。しかし、彼らも意地を見せ、日本側の駆逐艦「菊月」を沈め、重巡「加古」を大破(後回航途中に米潜水艦「S44」の雷撃で沈没)させたのは天晴れと言えた。

 翌朝、角田機動艦隊が合流し、日本側はポートモレスビー攻略にかかった。この時連合軍側にとって不幸だったのは、前日の日本艦隊撤退の報を受け、臨戦態勢を解いてしまっていたことであった。結果、易々と上陸を許し、また飛行場や軍港の早期占領を許してしまった。

 モレスビーは僅か3日で陥落し、日本側は多大な量の航空機や物資、さらに海上と港内で合わせて30隻近い艦艇を拿捕する事に成功した。こうして、米豪遮断作戦は大きく前へと進められる事となる。

 しかし、日本側も喜んでばかりはいられなかった。この海戦で、日本側の対空火器や射撃指揮装置の遅れと航空機、とくに艦攻と艦爆の防弾性能の遅れが表面化した。また、米機動艦隊の出現は帝国海軍の暗号が解読されたのをあらわしていた。

 重巡加古は実際に米潜水艦S44に撃沈されています。


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