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非常に残忍で残酷でエグい表現が使われています。自分で書いていて気持ち悪くなってしまいました。苦手な人は止めたほうがいいです。

結末は誰にも言わないでくださいシリーズ第一弾です。
不死
作:結城陸空


 俺は死にたい。
そう思って俺はいま80階建てのビルの屋上にいる。ここから見る景色は圧巻だ。
地球が曲線を描いて見えて、この地球が丸いことが分かる。どこまでも見通せそうなくらい空気が澄んでいて綺麗だ。
 だけど、もう俺にはその綺麗さは必要ない。俺はこれからこの屋上から地上まで落ちていく。落ちた先には見るに耐えないグチャグチャになった俺の姿があるんだろう。
だがその時、俺は死んでいるから関係ない。
 俺はもうこの世にいることはない。

 死にたい。

 その瞬間俺の足は地面をとらえていなかった。重力に引き寄せられて俺の身体はもの凄いスピードでどんどん落ちていく。
地面が徐々に迫ってくる。

 おれはまもなく死ぬ。


 果実を地面に叩きつけたような音を放ちながら俺の身体は、グチャグチャになった。微かに残る意識の中に信じられないような激痛が走る。
腕や足はちぎれ、内蔵は破裂し、骨は複雑に折れ曲がり、大量の鮮血が俺の身体と地面に吸い込まれる。
 そして目の前の視界が漆黒に染まった。

 次に俺の視界に映ったのは白い壁のようなもの。いや・・・、これは天井だ。
耳からはリズム良く機械音が聞こえてくる。腕や身体にはなにやらチューブが付けられている感覚がした。
だが俺の腕は千切れてしまったはず・・・。
いやそれ以前におれは死んだはずだ。
ビルの屋上から飛び降りて死んだはず。あの時確かに激痛と腕や足がちぎれている感覚があった。
ならここはどこだ?あの世?

なにやら機械音に混じって声が聞こえてくる。だれかがなにかを話しているようだ。
「では、いまから解体を始める」
突然声がはっきり聞こえる。だがその言葉に俺は驚いた。解体?いったいなんの?
そう思った瞬間、身体に激痛が走った。なにかで身体を切られるような感覚、あまりの激痛に叫んだがなぜか声は出なかった。切られる感覚がなくなり、意識が少しハッキリしたところにまた声が聞こえた。
「見てみろ、綺麗な色の心臓だ」
その者の手には深紅の色をした心臓が握られていた。
まさか、俺の心臓なのか?俺は必死にその者を見ようとした。するとその者は突然口を開け俺の心臓を美味しそうに食べ始めた。
あまりの衝撃からか、俺の視界は再び漆黒に染まった。


 次に気が付くと、俺は道路に立っていた。俺は自分の身体を手で触って確認した。腕も足もある。切られた後もなく、心臓が脈打つ感覚が確かにある。
次に俺は周りを見渡した。すると道路の端のほうで男がなにかを叫んでいた。だがよく聞き取れない。男は必死になにかを叫んでいる。そしてようやく俺の耳は男の言葉を理解した。
「後ろ!!」
その言葉を聞いた俺はすぐに後ろを見た。すると目の前には猛スピードでトラックが迫って来ていた。
避ける間もなく俺の身体はトラックと接触した。鈍い音と激痛と共に、俺の身体は空中に高く投げ出された。
ぶつかった衝撃で、足が片方千切れたようで足の付け根の痛みが酷い。そのまま俺は頭から地面に落ち、また激痛が走る。鮮血が地面を染める。身体から体液が流れ出ていくのを感じることができる。
地面に這い蹲って動くことのできない俺の上を先ほど俺を引いたトラックが乗り上げ通過していく。身体中の骨がキシみ砕かれ、内蔵は破裂し身体の中までもが体液で満たされていく。
言いようのない激しい痛みとなぜかハッキリしている意識の中、俺は声を出すこともできずに鮮血で深紅に染められた地面に這い蹲っている。


 目の前には扉があった。さっきまで地面に這い蹲っていたはずなのに、身体中のどこも怪我一つしていなかった。痛みもない。それどころか、ここは道路ですらない。なにがなんだか分からない。さっきまでトラックに引かれ死にかけていたはずなのに。
ここは窓一つない部屋だ。正面には扉が一つあるだけ。俺はこの扉を開けたら逃げられるような気がして扉を開けた。
その瞬間、扉の向こうから大量の水が迫ってきた。おれは逃げることもできずに水に飲み込まれていく。
水はあっという間に部屋一杯になり、おれの身体も水の中に埋もれた。
息が出来ずに苦しい。
さっきの扉のほうを見ると扉はなくなっていた。おれは息をすることもできずにひたすら苦しんでいた。あまりの苦しさに眼球が飛び出してきた。目に激痛が走る。それを感じた途端に口から大量の水を飲んでしまった。肺に水が入り、咳き込む。するとまた大量の水が肺に入りおれはますます苦しくなった。息ができない恐怖…。いや、死に続ける恐怖。


気が付けば水が消えていた。さっきと同じ場所だが水はなく、服も濡れてはいない。目の前には扉がある。
息が少し荒い。

俺は死にたかったはずだ。死ねばすべてが楽になると、ビルの屋上から自殺をはかった。だが、おれは生きていて死を何度も繰り返している。

目の前の扉を開ければ、また死ぬかも知れない。でもここから、この恐怖から逃げられるかも知れない。
そう思ったおれは扉を開けた。目の前には真っ暗な空間が広がっていた。
その空間の奥からなにかが飛んでくる。おれは必死の思いでそれをよけた。
だがその瞬間扉はなくなっていた。さっき飛んできたなにかにおれは目を向けた。
それは火の玉だった。火が壁に移り炎になる。それはますます熱を発し黒煙をあげすべてを飲み込んでいく。
煙を吸ってしまった俺は咳き込む。炎がどんどんこちらに迫ってくる。
そして遂におれの服に燃え移り、服がどんどん燃えていく、同時におれの皮膚も焼いていく。皮膚がただれ激しい痛みが俺を包みこむ。
炎はおれの身体全体を飲み込み、おれは一瞬のうちに火だるまとなった。
皮膚が焼け、臭い匂いと激痛がおれの身体の中で暴れていく。おれの皮膚が髪が眼球が、血液が炎によって灰にされていく。


目の前には、人がいた。大勢いてみなこっちを見ている。息がかなり激しい。一体これはなんなのか。死を繰り返しているおれは後なんど死を繰り返せば済むのだろうか。

またやけどの痛みは消え、服も燃えていない。今度はどうやって死ぬのだろうか?なぜ死を繰り返さなければならないのか。この恐怖はいつまで続くのだろうか。

身体はまるで動かない。目の前にいる大勢の人達。こっちを見てなにか話している。だが聞こえない。おれも必死に助けを求めるが声が出ない。なぜ声が出ない。

突然、目の前にいた人達が逆さまになった。
いや、おれの首が飛ばされたのだ。後ろから斧によっておれは斬首された。激痛が頭全体に走る。地面に転がったおれの頭は、頭をなくし、首から大量の鮮血を噴き、身体を痙攣させている。おれの身体をとらえた。


目の前には蛇口があった。さっき切られた首が元に戻っている。切られた後も存在しない。
おれは目の前の蛇口に目をやった。その瞬間異様に喉が乾き始めた。
おれは蛇口に走り、蛇口をひねり水を出した。おれはその水を一滴も残さないように飲み始めた。
身体の中が熱くなった。ただれるような痛み、身体の中がすべて溶けていくような痛み、おれは激痛から水から口を離した。
おれの口は原型を留めてはいなかった。激しく焼け、溶け。激痛がおれを支配する。この水は硫酸だった。おれは硫酸を口から飲んでしまったのだ。内蔵も骨も身体の中から溶けていく。激しい痛みが身体を縛る。腹に穴が開き、そこから溶けた内蔵や骨が流れ出てくる。苦しく痛い。息も激しい。


おれは、ビルの屋上にいた。
そこから見える景色は圧巻だった。地球が丸いのが分かる。
どこかで見た光景だった。
そうだ。死の繰り返しはここから始まったんだ。
おれは、ここから飛び降りる時、死にたいと願った。その結果おれは何度も死を味わった。死に方はいろいろだったが、結果はどれも死。

死にたいと願ったから…。
おれは、もう死にたくない。ここから飛び降りない。おれは、生きたい。
そう思ったおれは、その場に腰を下ろした。なにも起きない。死なずに済んだ。
そうだ。人は命を大切にしなければならない。死にたいだなんて思ってはダメなんだ。
おれは生きている。そう思って自分の拳を強く強く握りしめた。


おれの頭を弾が抜けていった。遠くからライフルで撃たれたみたいだ。脳が頭からばらまかれる。激しい痛みが俺の全身を伝っていった。

なぜだ。おれは死にたくないと願った。生きたいと願ったのになぜ死を繰り返さなければならない…。
一体後どれだけ死ぬんだ…。



 「囚人、中江雅彦パターンG300終了しました」
その男はモニターを見ながら言った。
「よし、引き続きパターンAからZを繰り返させよ」
モニターを見ていた男の左側にいる男が言った。

20XX年、世界から死刑という刑罰は完全に消えた。死刑制度は消え、新たに万死制度が作られた。
本来死刑となりうる刑罰を受けるものが万死を受ける。万死制度はその名の通り1万回の死を経験する。だが実際に死ぬわけではなく、約一年で刑罰は終了する。
万死が終われば、刑務所から出ることができる。ただほとんどは廃人になって出てくる。
彼もまた、万死の刑罰を受けていた。

モニターを見ていた男の左側の男が言った。

「君は後、9700回死ぬ」


        了


こんなの書いてよかったのか。ただひたすら恐怖を書いて見ました。うまく伝わりましたかね?

感想、評価頂けると幸いです。













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