ガンパレード・マーチ短編集(13/17)PDFで表示縦書き表示RDF


ガンパレード・マーチ短編集
作:金城 ユウ



Her determination(彼女の決意) 映



 親友が、死んだ……
 とてもやさしい娘で、強い娘だった。
 スキュラのレーザーの直撃を受け、骨すら残らなかった。
 何も入っていない棺。
 私は、葬儀場を出た。
 彼女の魂は、ここには無いと思ったから……
 悲しいはずなのに、涙は出なかった。

 親友の机の中をかたづける。
 もう使われる事の無い、教科書や筆記用具。
 その中に、それは入っていた、1枚の写真が……
「映、どうしたの」
 ルームメートが声をかけてきた。
 彼女に向かって、写真を差し出す。
「ああ、たしか、速見 厚志くん。親衛隊もあって人気あるのよ。この間、アルガナ取ったって騒いでいたわ」 
 盗み撮りなのだろう、目線は他のほうを向いているが、ぽややんとした感じは伝わってくる。
 私は、写真の男の子に、速見 厚志くんに、会ってみようと思った。あのアルガナの英雄に。



「君、プレハブの人だよね」 
「はい、そうですけど」
 人のよさそうな男の子は、嫌そうな顔ひとつせず答える。
 写真と同じように、ぽややんとした感じがするが、彼の瞳から自信と強さが感じ取れる。
 そう、親友だった、あの娘と同じように……
「私、悠木 映。あきらと呼んで」
「速水です。速水 厚志」
 それから、20分ほど彼と話をすることができた。そして、私の最後の問いに、彼はこう答えた。
「僕は、ここに、5121小隊に来たから強くなれた。守りたい人達が出来たし、そばにいてほしい人ができた。僕はその為に戦うんだ。もし、皆が言うように、僕が世界を救うとしたら、それは結果だよ」



 私は、屋上にやってきた。あの娘とよく来た場所。景色を見ながら、たあいも無い話を何時間もした。
 グランドを、見ると5121小隊の人達が走っていた。速水君の姿も見える。
「ねえ、私も誰かのために戦いたい。と言ったら、あなたはなんて言うかな?」
 もちろん、返事は無い。
「よし、私はパイロットになる」
 誰もいない屋上で、宣言する。
 この決意は、YESだ。たとえ、あの娘と同じ道を歩んだとしても、きっと後悔はしない。
 私が、自分で選んだ運命。
 なぜか、涙が零れ落ちた。脳裏に浮かぶのはあの娘の顔。
 でも、私の中のあの娘は、この決意を祝福するように微笑んでくれた。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回は、悠木 映ちゃんのお話。
ゲーム内での、この娘の登場も衝撃的(まさか隠れキャラ?と思いました)でしたが、結末も衝撃的でした。
学校でラブコメしてても、主人公たちは戦争をしてると思い知らされたイベントでしたもの。

続けてきたガンパレ短編も残り4本となりました。
速水×舞が2本
瀬戸口×壬生屋が1本
速水×森が1本
の内訳です。
宜しければ、最後までお付き合いよろしくお願いましす。











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