Her determination(彼女の決意) 映
親友が、死んだ……
とてもやさしい娘で、強い娘だった。
スキュラのレーザーの直撃を受け、骨すら残らなかった。
何も入っていない棺。
私は、葬儀場を出た。
彼女の魂は、ここには無いと思ったから……
悲しいはずなのに、涙は出なかった。
親友の机の中をかたづける。
もう使われる事の無い、教科書や筆記用具。
その中に、それは入っていた、1枚の写真が……
「映、どうしたの」
ルームメートが声をかけてきた。
彼女に向かって、写真を差し出す。
「ああ、たしか、速見 厚志くん。親衛隊もあって人気あるのよ。この間、アルガナ取ったって騒いでいたわ」
盗み撮りなのだろう、目線は他のほうを向いているが、ぽややんとした感じは伝わってくる。
私は、写真の男の子に、速見 厚志くんに、会ってみようと思った。あのアルガナの英雄に。
「君、プレハブの人だよね」
「はい、そうですけど」
人のよさそうな男の子は、嫌そうな顔ひとつせず答える。
写真と同じように、ぽややんとした感じがするが、彼の瞳から自信と強さが感じ取れる。
そう、親友だった、あの娘と同じように……
「私、悠木 映。あきらと呼んで」
「速水です。速水 厚志」
それから、20分ほど彼と話をすることができた。そして、私の最後の問いに、彼はこう答えた。
「僕は、ここに、5121小隊に来たから強くなれた。守りたい人達が出来たし、そばにいてほしい人ができた。僕はその為に戦うんだ。もし、皆が言うように、僕が世界を救うとしたら、それは結果だよ」
私は、屋上にやってきた。あの娘とよく来た場所。景色を見ながら、たあいも無い話を何時間もした。
グランドを、見ると5121小隊の人達が走っていた。速水君の姿も見える。
「ねえ、私も誰かのために戦いたい。と言ったら、あなたはなんて言うかな?」
もちろん、返事は無い。
「よし、私はパイロットになる」
誰もいない屋上で、宣言する。
この決意は、YESだ。たとえ、あの娘と同じ道を歩んだとしても、きっと後悔はしない。
私が、自分で選んだ運命。
なぜか、涙が零れ落ちた。脳裏に浮かぶのはあの娘の顔。
でも、私の中のあの娘は、この決意を祝福するように微笑んでくれた。
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