第6話
店に着くと店長はボーイを呼んだ。
「イワキ、彼女を化粧室に連れて行ってあげてください。」
「はい。店長。」
「クリムさん。行きましょうか。」
「はい。」
ボーイさんが化粧室まで連れて行ってくれた。
いよいよ化粧・・!どんな風に変わるんだろう。化粧・・したことないからわからないや。
化粧室に着くと女の人が立っていた。
「こんにちは。化粧担当の井上です。今から化粧をしますね。そこのイスに座って
下さい。まず始めに眉毛を整えましょう。その後顔のうぶ毛を処理して、
化粧をしていきます。」
「はい。」
私はイスに座ると彼女は眉毛を整え始めた。
「眉毛整え完了です。次はうぶ毛をそっていきます。」
「はい。」
うぶ毛処理が終わってから、あっという間に化粧が終わった。
下地→ファンデーション→アイブロー(眉)→アイシャドウ→アイライナー→
ビューラーを使ってマスカラ塗って目力つけて→チーク→グロス塗って完了。
「出来ましたよ。ナチュラルに仕上がりましたが、どうですか?」
「・・・私じゃないみたいです。別人です!!!」
ここまで変わるなんて・・!!化粧って化けるって書くけど
まさに読んで字のごとく!!化けた!!私・・!すごいよ・・化粧!!
「井上さん!!ありがとうございます!!嬉しいです!」
あぁ・・私・・変わったんだ・・変身できたんだ!!
「クリムさん。化粧の後は服の着替えです。あそこにあるドレスの中から
好きな服を選んで着替えて下さい。」
「はい!」
ワンピース?みたいなのがいっぱいあるけど。どれでもいいんだ。
わー!!この赤いドレス可愛い!でも何か大人っぽすぎるというか
胸元すごく開いてて・・恥ずかしいなぁ。
でもどれもそんな服ばっかり。このピンクのは横が結構開いてるし・・。
赤のでいいや!これにしよ!
「すみません。この赤いやつ、着たいんですけど。」
「どうぞ。あそこで着替えて着て下さい。靴はヒールが何足か置いてありますので
好きなのを選んで履いてきてください。」
「はい。」
私は着替えに行ってヒールも履き、店長のいるフロアに走って行こうとした。
ずってーーーーーーーーん!!!
「あいたたた・・・。」
慣れない靴を履いたせいか、私は皆が見てる前で豪快にコケてしまった。
「あはははは」
皆が笑ってる・・恥ずかしい・・。
「クリムさん大丈夫ですか?慣れない靴で走っちゃだめですよ。」
店長一人だけ笑っていなかった。
あまり表情の変化の出ない人なんだなぁ店長って。
「今日から皆と一緒に働くクリムさんです。新人さんなので色々教えてあげて下さい。」
「クリムです。よろしくお願いします。」
女の子達にあいさつした。
続く