#.22 脱出
コナンは腕時計型麻酔銃をセットした。
(コルンとキャンティは届かない…ジンには効かない可能性がある。ならば…)
コナンは素早くウォッカに標準を合わせた。しかし、コナンの行動はジンに読まれていた。それに気がついたのは赤井。
(マズイ!)
しかし、コナンが麻酔銃を撃つよりも早くに、ジンの銃が狙撃された。
「誰だ!」
ジンの叫び声とほぼ同時にウォッカが倒れた。そして赤井は、コルンとキャンティが狙撃の方向に目を向けたのを見逃さなかった。
「闘いの最中によそ見とは感心しないな」
二人の銃と足の間接を狙撃したのだ。そして全員が向いた先にいたのは、
「ベルモット!」
ベルモットは不敵な笑みを浮かべながらそこにいた。
「ベルモット…テメェ裏切りやがったな」
「あら、あなたは薄々感づいていたんじゃなくて?」
ジンの言葉にベルモットはそう返し、ボスと向き合った。
「ベルモット…お前が何故裏切った」
その言葉にベルモットは一度コナンの方を見て言った。
「人を助けるのに理由なんているのかしら?」
その言葉にコナンは、二年前に起こったニューヨークでの事件を思い出した。
「まさか…」
するとボスは今度はジンの方を向いた。
「こうなってしまった以上仕方あるまい…」
「ボス…貴方のもとで働けたことに感謝します」
ジンはそういうと、ポケットに忍ばせてあったスイッチを押した。それと同時に爆発音が聞こえた。
「この組織はあと10分足らずで崩壊する」
「なんだって!?」
ジンの言葉を聞いてまずボス、次にコルンとキャンティが自害した。ジンは先程の発砲によって手が使い物にならなくなっていた為、その場に横たわった。するとコナンはジンに駆け寄り灰原の居場所を聞き出そうとした。
「おい!灰原はどこだ!」
コナンはジンの胸倉を掴みながら聞き出していた。
「フン…あの女がそんなに大事か?」
「当たり前だ!早く答えろ!」
「あの女は組織の最下層にある研究室だ。もう間に合わねぇよ」
「何だって!」
「クックック…所詮裏切り者には死の体裁が下るのさ」
コナンはジンの顔面を思い切り殴り、研究室に向かおうとした。
「待て!もう間に合わない」
赤井に止められたのだ。しかしコナンは、
「…俺はあいつに言わなくちゃいけないことがあるんだ。それにあいつの帰りを待っている人達がいるんだ」
「それは坊やも同じだ。ここで二人死ぬより一人でも生き残るんだ!」
コナンはこんな状況下にいながら冷静に言った。
「今度こそあいつを守ってやりたいんだ」
そのコナンの言葉を聞いて、ある男がこちらに向かって来た。
★☆★☆★
「ほんなら早く行け!まだ間に合うやろ!」
そこにいたのは服部だった。
「服部!お前がなんでここに…」
「話は後や!向こうに『あいつ』がいる。急げ!」
コナンには服部の言う『あいつ』がわかり、服部の指差す方へ駆けて行った。
「何故ここに?」
赤井は服部に疑問を投げ付けた。
「話は後や。早ーせんと間に合わへんで!」
そういうと服部は、ジン達のもとに駆け寄ろうとしたが、頭上から瓦礫が落ちてきてしまった。
「ベルモット…!」
赤井の視線の先にはショットガンを構えているベルモットがいた。あくまでも組織の人間として身柄は拘束させなかったのだろう。赤井と服部は仕方なく、ジョディーとジェームズだけを連れて脱出した。
★☆★☆★
「いったいいつの間に内部まで調べたんだ?」
「私は天下の大泥棒。これしき造作もありませんよ」
コナンと共に走っているのは怪盗キッド。二人は猛スピードで研究室を目指していた。そして、いよいよ研究室が見えてきた。
「名探偵、あそこだぜ!」
「よし!」
二人は勢い良く扉を破った。
「灰原!」
★☆★☆★
「な、なに?」
灰原は突然研究室が爆発し始めたのに驚いた。
(組織のメインデータを破壊するってことは…)
考えられることは一つだった。組織が何者かに負けたのだ。そうなってくるといつまでもここにいては危ない。普通なら逃げなくてはならない。だが…
(ちょうどいいわね。組織も終わり私も終わる。これでいいのよ)
灰原は死を受け入れた。自分はここで死ぬのだと…。しかし、そう思った矢先に目に飛び込んできたのは、信じられない現実だった。
「灰原!」
そう叫んで飛び込んで来たのは、眼鏡をかけた少年。夢にまで見た人物がそこにいたのだ。
「く、工藤君!?あなた、どうしてここに…」
次の瞬間、灰原はコナンに抱きしめられていた。
「灰原…無事で良かった」
そう言ったコナンが泣いているのがわかった。しかし灰原は、そんなコナンから無理矢理逃れた。
「早く逃げなさい。ここは危険よ」
これ以上決心を鈍らせないで…。灰原はそう思った。
「あぁ、そうだった。早く行くぞ!」
そう言ってコナンは灰原の手を引くが灰原は動こうとしない。
「灰原…」
「…私はここで組織と運命を共にするわ。わかったら早…」
灰原はコナンに催眠ガスを嗅がされた。
「く…ど…く…」
「悪いな時間がないんだ」
そういうとコナンは、眠った灰原を抱えて脱出した。
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