#.20 突入
赤井を先頭に、一行は組織のアジトへ向かっていた。途中途中に組織のメンバーと思われる人物達が眠らされていた。
「ねぇ、やっぱりおかしくない?」
ジョディーの言葉に足を止める。
「いくらなんでも出来過ぎているわ。もしかしたら罠の可能性も…」
「いや、その可能性はない。万が一我々の作戦が奴らにバレていたとしたら、もっと厳重な体制をとるだろう」
ジョディーの言葉に赤井が言った。それじゃあこの状況は?FBIが考え始めると、
「大丈夫だよ。きっと僕達の見方だよ。そうじゃなきゃ僕達だって今頃殺られているよ」
コナンの言葉に赤井はフッと笑い、他のFBIもそう思い込んだ。
そして再び歩き始めると、コナンは今までのことを思い出していた。
(ついにこの日が来たんだな)
蘭と一緒に行ったトロピカルランドでジンに薬を投与されて一年。ついにこの日が来たのだ。もっとも、もとに戻るだけならもう出来るが…。
(あいつは戻ったのかな…その前にちゃんと生きてるんだろうな?お前ばっかり良い格好はさせねぇからな)
今コナンの頭の中にいるのは灰原…。コナンは前に考えたことがあった。灰原と蘭は似ているようで似ていない。だが、コナンにとっては二人とも守ってやりたい存在だ。
コナンがそんなことを考えている間に、組織のアジトへと着いた。
「おそらく、ここが奴らの根城だろ」
「えぇ…。コナン君、無茶はダメよ?」
ジョディーの言葉にコナンは頷いた。
(灰原…今助けるからな)
そして、一つの手榴弾とともにFBIメンバーとコナンは突入した。
◆◇◆◇
灰原は相変わらず研究室から出ることはなかった。だが、コナンがここに来るかもしれないという情報を聞いてからは、研究は進んでいなかった。
(…考えすぎね)
解毒剤を飲んでもとに戻り、蘭と幸せに生きている。これが当たり前。だが…
(もし彼があれを罠だと考えたら…乗り込んでくる可能性は高い)
そう考えると灰原は深く息を吐いた。
(まったく…離れても心配かけるんだから…こんなんじゃ、いつまで経っても忘れられないじゃない)
灰原は、そんなコナンを心配しているような、呆れているような…そして、何か…望んではいけない何かを望んでいる自分に、呆れ返った苦笑を浮かべながら深い溜め息を吐いた。
一方、ここは地下にあるためわからないが、上ではFBIの大きな爆発音とともに宣誓布告によって戦闘が始まろうとしていた。
◆◇◆◇
米花町にあるショッピングセンター。蘭は部活の前に買い物を済ませようと来ていた。
(今日と明日はお父さんと二人か…)
簡単に済ませよう思いながら、献立を考えていく。しかし、次の瞬間蘭の思考は止まった。今ここにいるはずのない人物達を見つけたのだ。
「歩美ちゃん!?」
「あ!蘭お姉さんだ!」
歩美と一緒にいる元太と光彦が駆け寄ってくる。
「今日はキャンプじゃなかったの?」
蘭の言葉に三人は顔を見合わせる。
「ううん。哀ちゃんが風邪引いてるの」
「ですから今日は、灰原さんの全快パーティーの買い出しに来たんです」
「食い物いっぱい買ってよ!」
三人の話を聞いて蘭の表情は険しくなった。
(じゃあコナン君は?嘘をついていたの?)
蘭の表情が険しいのに探偵団は気がついた。
「蘭さん?どうかしたんですか?」
「え?」
「なんか恐い顔してるぞ?」
蘭はみんなに心配をかけまいと、何でもないと言った。だが、
「コナン君に何かあったの?」
歩美の言葉に思わず口を滑らせてしまったのだ。
「ううん。コナン君がキャンプに行くって言ってたから…ただ…」
「コナン君が?」
三人は驚いた表情をして顔を見合わせた。
「まさか、またあいつ抜け駆けか!?」
「もしかして…哀ちゃんも?」
「とにかく、博士の家へ行ってみましょう!」
そう言うと三人は阿笠宅へと走って行った。その後ろから蘭も一緒に駆けて行く。 |