#.19 先客
コナンはアラームより早く目が覚めた。
(いよいよだな…)
コナンはそう思いながら、一時間程早く布団から出た。それから、コナンが身仕度とキャンプの用意をしていると蘭が起きてきた。
「おはよう、コナン君。ずいぶん早起きね?」
「おはよう蘭姉ちゃん。楽しみで早く起きないちゃったんだ!」
コナンはそう言って笑う。それに連れて蘭も笑うが、すぐに心配そうな表情になった。
「怪我だけはしないでね?危険なことはしないのよ?」
「わかってるよ!行ってきま〜す!」
コナンはそう言って家を出て行った。だが、蘭の表情は暗いままだった。そしてその日の午後、蘭の不安は現実となる。
◆◇◆◇
コナンは阿笠宅に着いてトーストを食べていた。朝食をたべてくるのを忘れたのだ。
「まったく、大切な決戦の日に朝食を抜いてくるなんて」
「抜いたんじゃねぇよ」
コナンはそう言ってトーストを二枚食べた。それから間もなくして、優作と有希子が訪れた。
「新一、本当に行くんだな」
「あぁ」
優作の言葉にコナンは頷く。
「本当なら父さん達も一緒に行きたいが、行っても邪魔になるだけだ。だから新一。あの約束だけは守ってくれ」
コナンは頷いた。優作との約束…『生きて帰ってくる』。その言葉をしっかりと胸の中に刻み込んだ。そして、次に有希子が言った。
「新ちゃん…私達はここからあなたの無事を祈ることしか出来ないことを許してちょうだい…」
「母さん…」
「新ちゃんが必ず無事に帰って来るって信じているわ」
「ありがとう…母さん」
そして二人はFBIが来る前に帰っていった。そして最後に博士がコナンに言った。
「新一、哀君のことを頼む…」
「あぁ、必ず一緒に帰ってくるぜ」
それから数十分後、コナンはFBIとともに茨城県を目指した。
◆◇◆◇
コナンはジョディー、ジェームズの車に乗った。そして、コナンは先日の事件について聞いた。
「車で走っている最中に撃たれたのよ。幸い運転していた方には弾は当たらなかったから、すぐに引き返してこれたのよ。でも、その周辺にアジトがあるのは確実になったわ」
ジョディーの言葉にジェームズが付け足した。
「おそらくアジトは、その地点から50kmと見ている」
「なんでそんなことがわかるの?」
「赤井君だよ。彼が言うのだから間違いはないよ」
「…赤井さんって何者なの?」
コナンの言葉に二人は答えなかった。この戦いが無事にすんだら教えると言って。そして、茨城県の外れにある森に差し掛かると、別ルートで来たFBIが固まっていた。
「おいおい、こんなに固まっていては奴らに…これは!」
ジェームズはその場に倒れている人がいるのを見て言葉を切った。
「どうやら眠らされているようです」
「…このことを赤井君には伝えたのか?」
そこに倒れているのはFBIのメンバーではなかった。つまり組織の人間の可能性が極めて高い。ジェームズの言葉にメンバーが答えようとすると、森の奥から赤井の車が走ってきた。
「秀!あなたまさか一人で行ったの!?」
車から降りてきた赤井にジョディーが詰め寄る。
「様子を見てきただけだ」
「それで赤井君、どうだったのだ?」
ジェームズは赤井の行動に不満はないようで、赤井に報告を求めた。
「えぇ。どうやら我々以外の何者かがいるのは確かなようですね」
赤井はそう言って車の荷台を指した。そこには、同じように眠らされている人が何人もいた。
「その何者かが敵か見方かはわかりませんが、このチャンスを逃す手はない」
赤井の言葉に全員が賛成した。そして、見張り班と突入班の他に、眠らされている人の回収班を増やした。もちろんコナンは突入班。
「いいことコナン君?危険になったらすぐに逃げるのよ?」
「わかった」
ジョディーの言葉にコナンは頷き、一行はアジトを目指して出発した。
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