#.17 作戦会議と席
「ねぇコナン君?どうしてもお見舞いに行ったらダメなの?」
コナンと博士は、灰原は風邪が悪化したのでしばらく休むと連絡した。そのため、学校を休んでいる灰原を心配した歩美はコナンに聞いた。
「あぁ。博士の話だと相当ヤバイらしいからな」
コナンは今日と明日にあるFBIとの作戦会議に浮足が立ち、歩美の顔も見ないで答えた。そんなコナンに歩美は悲しくなり、
「私…本当に哀ちゃんが心配なの…」
歩美は目に涙を溜めながら言った。それにコナンは気付き焦った。
「お、おい…泣くなって」
「だって…コナン君全然心配そうじゃないし…歩美の話も上の空で…」
「歩美ちゃん…」
「哀ちゃんは私の大切な友達なの!」
歩美の言葉にコナンはいつもの笑顔で呟いた。
「ありがとな…」
「え?」
歩美はコナンの言葉が聞き取れなかった。そしてコナンは言った。
「大丈夫だ。歩美ちゃん達がしっかり灰原のことを思っていてくれれば、その気持ちは絶対届く」
その言葉に歩美は頷いた。そして学校帰りに、コナン達は空き巣調査中の佐藤と高木に会った。
「へぇ〜、哀ちゃん心配ね?」
灰原がいない理由を聞いた佐藤はそう言った。その言葉に探偵団は心配そうな顔をする。
「そうですよね〜。哀ちゃんは佐藤さんのお気に入りですからね?」
高木が笑いながらそう言うと、佐藤は怒った表情をした。
「何よ?高木君は心配じゃないの?」
「あ、いや、そういう意味じゃ…」
高木が慌てて弁解をすると歩美が、
「高木刑事、哀ちゃんにヤキモチ妬いているの?」
「え?」
「大人げねーな?」
「灰原さんが心配じゃないんですか!」
高木は探偵団に散々言われている。その横で佐藤はコナンに言った。
「コナン君?あんまり哀ちゃんを困らせたらダメよ?」
佐藤の言葉の真意はわからないが、コナンは佐藤の表情に頷くしかなかった。
「私はね?たくさん哀ちゃんに救われているの…フフ、小学生に助けられる刑事なんて情けないわよね?」
その言葉にコナンは曖昧な笑みを見せ、高木の方を見ると、必死に探偵に謝っていた。それに苦笑し、灰原のことを思った。
(灰原…博士だけじゃねぇ…みんな心配してるんだぜ?お前の席はちゃんとあるんだ。帰って来い)
コナンはそう思うと力が漲るような感じがした。その足でコナンは博士の家へと急ぐ。
◆◇◆◇
コナンが博士の家に着くと、そこには神妙な顔付きの博士とFBIがいた。
「あぁコナン君、こんにちは」
ジョディーは明るくコナンに挨拶をした。
「こんにちは。それよりどうかしたの?」
その言葉にFBIが顔を見合わせて、ジョディーが話した。
「実はアジトを調べに行った仲間の一人が殺害されたの」
「殺害!?まさか奴らに…」
「わからないわ。ただ死体は回収したから、私達だとは気がついていないと思うわ。ただ…」
「奴らはバカじゃない。何者かに気付かれた可能性があるアジトに長居はしないだろう」
ジョディーの言葉に赤井が続けた。
「じゃー作戦は中止!?」
コナンは嫌な予感がしたのでFBIに聞いた。
「いや、このチャンスをみすみす逃す手はない」
長官であるジェームズの言葉にコナンは安心した。だが、
「奴らの警戒は強まっている。リスクは相当上がっただろう」
その言葉にコナンはFBIが何を言いたいのかわかった。だからコナンは先に言った。
「でも僕は行くよ」
コナンの言葉にFBIは困った。何とかしてコナンに諦めてもらおうと思ったのだが…
「坊やはなぜ、そこまで奴らに関わる」
赤井の言葉にコナンは、
「…灰原にはいつも助けられていた。なのに僕はあいつに何もしてやれなかった。だから今度は僕が灰原を助けたいんだ」
コナンは感情を抑えながら言った。その言葉に赤井は何も言わずに作戦の内容を話した。
「この作戦で我々は行く。それでも来るか?」
赤井の言葉にコナンは頷いた。そのコナンの、絶対信念を曲げないという表情に赤井は笑みを浮かべた。
その帰り道でコナンはいろいろな考えを巡らせていた。
(確かに…あの作戦は一見完璧に見えるがリスクは高い)
しかしそれでもコナンの意志は揺るがない。それが本当に灰原を助けるためだけなのか…それはわからなかった。
(問題は最悪なパターンだな)
コナンは考えた。その最悪なパターンが自分の死なのか…それとま灰原の死なのか…。
(いや…失敗は許されない。もし俺が死ねば、俺の周りの人間にも被害が加わる。それを避けるためにもこの作戦は成功させなくちゃいけねぇ)
コナンはそう思った。そして、今後の作戦をキッドに連絡した。
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