第78話:終わりなき痛み4
「意味も無く、俺を何回も呼ぶな」
ラグはオーカスから視線を外すと、逃げるようにして部屋を出て行ってしまった。
ラグがぶっきら棒になるのは照れ隠しだと知ったオーカスは、更に喜んで「はい」と返事をしながらラグに続いて部屋をあとにした。
ここは、リー地方から東へ数週間地竜に揺られて移動した所にある中規模の街である。
ラグとオーカスが泊まっている宿は、リー地方にあった田舎宿に比べると、ベッドが柔らかくて備え付けてあるテーブルや椅子は造りの良いものとなっている。
ラグとオーカスは宿代を払い外に出た。
宿の前には地面に伏せて眠っている地竜がいる。
オーカスは地竜にもたれながら地図を広げた。
「次の鍵の継承者は、サザーランド国のケルティック地方に住んでいるのですが、実はケルティック地方の中心にサザーランドの王都があるのです。ご推測かと思いますが、鍵の継承一族であるケルティック家は代々サザーランド国王に仕え、ローラン国の王宮書庫の資料によると、鍵の継承者は王の主治医として仕えている事が多いようです」
ラグは地竜の背に荷物を載せながら言う。
「そいつに、鍵の継承者の護衛のため敵国ローランから来ました。と言ったら、問答無用で、頭に注射を打たれそうだな」
オーカスは笑うが、すぐに真面目な表情になって言う。
「ローラン王都の図書館にあった古代の文献も読んだのですが、ケルティック家は水の鍵を継承している一族で、鍵の魔力によって水質変化はもちろん、体内の血流に影響を与え、体調異常や、即死させる事も可能のようです。水の鍵についは情報が少なくてこれくらいしか分かりませんでした」
頑張って調べた甲斐がなかったとモチベーションが下がり気味のオーカス。
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