第70話:土の意思2
ラグは焼けた黒い地面を見ながらゆっくりと歩く。
「ここにはまだカレンがいる。捜せ。と、俺の中にいるコトックの爺さんが言うんだ」
「コトックの爺さん……」
オーカスは暫く考えて賢者コトックの事かと認識する。賢者コトックが捜せと言っているのかもしれないが、黒い焼け跡は真っ平。何も無いのは一目瞭然で分かる。捜す気の無いオーカスは、暇を持て余してラグの周りを歩きながら言った。
「亡骸を捜すにしても、こうも跡形も無く燃えてしまっては、骨すら残っていないと思うのですが?」
「俺もそう思う」
オーカスはラグの目の前で立ち止まった。
「珍しく意見が合いましたね」
ラグは笑顔のオーカスと目が合った瞬間、視線を外して横を向いた。間を取り繕うために、急いで捜す振りをして地面を見る。
「そんな事で一々喜ぶな」
「すぐに怒る。貴族の身分がバレて少しは大人しくなると思いましたが、短気な性分は全く直りませんね」
オーカスは膨れっ面になってラグに背を向けた。何気なく見た焼け跡の先に小さな光が見える。
「ん? あれはなんだろう」
「何か見つけたのか?」
ラグはオーカスの横に並び、オーカスが見ている先を見る。だが、何も見えない。
「何も無いぞ」
オーカスは指をさす。
「あそこですよ」
「どこだ? 見えんぞ」
「どうして見えないのですか?」
オーカスは光の場所まで駆けて行き、立ち止まって声を上げる。
「あ!」
「何かあるのか?」
ラグも小走りでオーカスの所へ行く。
オーカスはしゃがんで黒い地面から小さな物を拾い上げた。それを掌に乗せる。
ラグはオーカスの掌に載っているものを見る。何かのリングに見える。
オーカスは摘まんで持ち上げた。
「これは土の鍵です」
Wandering Network
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。