ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
  the keys 作者:羽村奈留
第69話:土の意思1
 午前中に起こったリー家の屋敷全焼事件の噂はあっという間に周辺に暮らすリーの農民に広がった。
 屋敷の隣に畑を持っている農民は口を開けて黒い焼け跡となったリー家の敷地を見ていた。
 視界を遮るようにして建っていたリー家の屋敷が燃えてなくなり、今は焼け跡の先にある田畑が見えている。
 農民は黒く広がる広大なリー家の焼け跡を呆然と眺めていた。
 そこに近所の畑の持ち主がやって来て、驚いた表情で屋敷の黒い焼け跡を見た。
「あれ? 地主様の屋敷が無い。黒い地面しかないがね」
 屋敷の隣に畑を持っている農民が焼け跡を見ながら話し始めた。 
「二人の剣士様が、魔物を退治するために地主様の屋敷に入ったそうな」
「ほぉー」
「屋敷の中には、そりゃあ強い魔物がおってな。魔物は火を吐いて屋敷ごと剣士様を吹っ飛ばしたそうな」
「あいやぁー。吹っ飛ばしたのか!」
「そうしたらよ。魔物の住む屋敷も無くなってしまったもんだから、魔物は仕方なくよそへ引っ越したんだとさ」
「あれまあー」
「これで平和が戻ったんだけど、やっぱり屋敷を修復せねばならんちゅうことで、地主様の弔いついでに、親戚の偉い人がまたここに屋敷を建てるんだとさ」
「そりゃあ、よかった」
「本当に良かったよ」
 昼が過ぎて、ラグとオーカスはどこまで本当なのか分からない農民の噂話を耳にしながら、広大な焼け跡と化したリー家の屋敷跡に来ていた。
 当然、体についた泥は洗い流し服も着替えが済んでいる。
 オーカスは、黒い焼け跡の上をラグと一緒に歩いていた。
「まだ探し物があるってどういう事ですか? もう全てが燃えてしまって壊れた塀しか残っていませんが?」
Wandering Network


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。