第54話:リー家の屋敷4
ラグの冷やかしを、オーカスは気にもせずじっと雑草を見続けている。
暫くして雑草が揺れ動いた。揺れ動く雑草の背丈が低くなり、ラグの足元から雑草が土の中に飲まれていき、幅約1メールの道が作られていく。
剥き出しの地面が道となって屋敷まで伸びると、オーカスは意識の集中を解いて一息ついた。
「ふう。これくらいでいいかな」
ラグは感心する。
「魔法で地面を耕し、重力をかけて地面を踏み均して固くするとは、農民顔負けだな。シーライト将軍に見限られたら、ここの田畑を耕して余生を送るといい」
オーカスへの冷やかしも忘れてはいない。
「私の余生を勝手に決めないで下さい。さあ、中へ入りますよ。私はラグ殿の魔物見物を早く終わらせて、次の鍵の継承者の所へ行きたいのですから」
オーカスはラグに腹を立てながらラグより先に歩いて割れた窓から邸内に入った。
邸内は思ったほど汚れておらず、家具などは片付けられているものの、リー家の人々が暮らしていた生活感がまだ残っている。
オーカスは床の埃に足跡を残しながら周りを見て歩く。
「魔物が出ると聞いていたので、屋敷の中は荒れ果てていると思いましたが、思ったより綺麗ですね」
「襲われて半年しか経ってないし、魔物が出るって事で人が近寄らないからだろう」
ラグも部屋などを覗きながら屋敷の奥へと入って行く。
オーカスは廊下の途中で倒れている白骨化した死体に近づく。
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