第一幻:解
DARK SHELL
第一幻 解
只それとなく過ごしていた日々に決着が付いたのは、8月の終わりだった。
今までは、俺の彼女と楽しく過ごす位しか能が無かった。
これでも、体育の評定は10。だが、他の成績は、まるっきしダメだった。
それに比べ、彼女は、体育以外10。当に才女だ。
何とか留年は、乗り過ごしていたが、俺には夢が無かった。
これ以上勉強したって、意味無いんじゃないのか。自分の頭で、それが過ぎり続けた。
「やべぇ・・・、そろそろテストだ」
俺が溜息交じりに、言い放った。
「ほらほら、大人しく勉強しなさいっ!」
はいはい。分かった分かった。
彼女とは、幼稚園からの幼なじみだ。
いっつも俺の背中に隠れて、何かに怯えていたのは、記憶に残っている。
昔は、独りで居る彼女に声を掛け、俺が率いるグループの奴等と悪戯したもんだ。
今では、誰もが羨む、元気いっぱいの少女だ。
テスト勉強もキリの良い所まで終わり、HRの教室から出た。
時刻は、午後6:30。未だ夏なので、外は、ほんのり明るいはずなのだが、真っ黒に染まっている。
(何か様子がおかしい・・・)
兎に角、外が暗いので、彼女を連れて、校舎から急いで出た。
校舎から出た所にグラウンドが有るのだが、そのど真ん中に、黒いニットキャップを被った、背丈は小学生ほど、歯並びはガタガタ、ピアスを付けている少年が、こちらを舐め回すように見ていた。
「何だ・・・、何か用か?」
俺が、少年にボソッと声を掛けた。
「お前を殺しに来た。」
その言葉は、俺に重くのし掛かった。
体中が震えている。
結局俺は、大した抵抗も出来ずに、
彼女の前で、死んだ。
<第一幻 終>
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