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黒崎新一の推理日誌
作:Daisy Katsura



第6話:スペードは語る(解決編)


学園祭当日、本番を前にして殺人事件が起こった。
被害者は、胸をナイフで一突きされ、死亡していた。
手には、スペードのカードが。
これは一体、何を意味するのだろうか?
「何であんたが此処にいるんだ!?」
桑田はそうとうキレていた。理由は解らない。兎に角キレているのだ。
「ここは、俺の学校ですが・・・。
で、警部、何でキレてんですか?」
俺は恐る恐る聞いた。
「休暇を利用して女房と旅行に行こうと思ったら、事件で呼び出されてムカムカしてるんだ!」
「それは、御愁傷様(ごしゅうしょうさま)・・・。」
「こうなったからには、あんたの責任だ!30分以内に解決しろ!」
桑田は無理なお願いをして来た。
「そ、それは、いくらなんでも、無理かと・・・。
てか何で俺!?」
「いいや、お前なら出来る!と言う訳で、発見者を含めた5人の容疑者を集めて来た!話を聞いて解決しろ。」
理由は答えねえのかよ!?
「いやいやいや、容疑者だけ呼ばれても・・・。」
本当にその通りである。
「すまん、被害者の身元がまだだったな。」
警部はそう言うと、警察手帳を取りだした。
桑田の記録によると、被害者は、神谷 霧子(かみや きりこ)38歳。
職業はマジシャン。
本日は、姪の神谷 竹子(かみや たけこ)が活躍をする舞台を見る為にやって来た。
死因は、心臓に刃物が刺さってしまった事によるショック死。
遺体の状況から、死後数分と見られる。
死亡推定時刻は、午前10:00頃。
第一発見者の証言によると、体育館に入って来た時には、既に倒れていたらしい。
また、当時の現場は、朝方の為か、来客が少なかった。
当然、この状況なら、誰にも気付かれずに殺害が出来る。
そして、問題の5人の容疑者。
この5人を紹介しよう。
一人目は、元自衛隊の小島 隆(こじま たかし)38歳。
神谷 霧子の友人で、息子の活躍を見に来た。
因みに、今は普通のサラリーマンである。
アリバイは無い。
二人目は、狩屋 貴之(かりや たかゆき)40歳。
彼には色々と謎が多い為、桑田が容疑者として連れてきた。
神谷の元恋人。
アリバイは無い。
三人目、黒田 伸介(くろだ しんすけ)40歳。
本日は弟の活躍を見に来た。
職業は無職。
神谷の元夫で、口論をしている所を目撃されている。
アリバイは無い。
四人目は、浅間 拓也(あさま たくや)38歳。
神谷と同じマジシャンで双子の兄妹だ。
姪の活躍を見に来た。
アリバイは無い。
そして、最後に、第一発見者の小玉 哀(こだま あい)20歳。
彼女のアリバイは、桑田の後輩刑事の必死な捜査で裏が取れている。
「桑田くーん・・・全員アリバイ無いじゃないですかぁ・・・。」
俺はわざと顔を引きつらせながら低い声で言った。
「そ、そんな事言われても・・・。」
桑田は小さく呟いた。
「ま、良いや。犯人解ったし。」
俺が言うと、容疑を掛けられた5人の方々は、驚いた様子でこっちを見た。
「君、妹を殺した犯人が解ったって、本当か!?」
浅間が言い寄る。
「浅間さん、話しますから落ちついて下さい。」
そう言って、俺は浅間を落ちつかせた。
「黒田さん、一つ聞きますが、口論の理由は何ですか?」
「それは、やり直そうと話を持ちかけたら、口論になっただけだ。
だ、だからって、俺は殺してないぞ!」
黒田は怒鳴った。
「解っています・・・。
狩屋さん。元恋人と言う事ですが、何か原因があって別れたんですか?」
「それは、彼女が留学するって言うんで、別れたんだ。何故そんな事?」
「いや、特に理由はありません。
さて、本題に入りますが、小島さん。
神谷 霧子を殺害した動機は何ですか?」
容疑者全員、小島に顔を向ける。
「お、俺が殺したと言うのか?冗談は顔だけにしてくれ。」
俺は、やれやれ、と呟いた。
「小島さん、冗談で犯人にする訳がありません。
貴方が殺したんでしょ、神谷さんを・・・。」
「面白い。俺が殺したと言う証拠を見せてみろ。」
小島は余裕の顔で言った。
「証拠?
そんなものありません。」
「おいおい。」
呆れた顔をする桑田。
「何だ、証拠が無いんじゃ、俺を犯人にする事は出来ないな。」
小島は笑って言った。
「証拠はありませんが、あるんですよ・・・。貴方が犯人だと言うダイイングメッセージがね。」
「何!?」
「スペードのトランプ。被害者が握っていました。」
「それが何なんだ?」
「スペード、クラブ、ダイヤ、ハート。この四つにはそれぞれ意味があるんですよ。」
「意味?」
小島は首を傾げた?
「ハートは聖杯、ダイヤはお金、クラブは棍棒、スペードは剣・・・これは、それぞれの職業を象徴しているんだ。
聖杯は僧侶、お金は商人、棍棒は農民・・・そして、剣は軍人。つまり、軍人=自衛隊で、犯人はあんただ。」
小島は脱力するかの様に膝を付いた。
「あいつが、あいつが悪いんだ!いつまで経っても金を返さないから!俺は、俺はああああ!」
小島は涙した。
「小島 隆。神谷 霧子殺害容疑で逮捕する。」
そう言って、桑田は手錠を出し、彼に掛けた。
「解決時間10分だ。」
桑田はそう言い残し、小島は連れて出口に向かった。
「許さない・・・。」
浅間が低い声で呟く。
「うわあああああ!」
浅間は叫ぶと、小島に突っ込んで行き、懐から包丁を出す。
[グサッ!]
「あっ・・・ああ・・・あ。」
小島の背中から血がポタポタ垂れる。
「浅間さん、何て事を!?」
俺は驚いた。
「お前の所為で、お前の所為で俺の妹は!」
浅間はそう叫んだ。
小島は脱力し、バタッ、と音を立てて前に倒れた。
「妹が受けた苦しみ・・・お前も味わえ!」
浅間は小島に向かって叫んだ。
「あ・・・あ・・・さ・・・ま・・・。」
小島はそう言い残すと、息を引き取った。
桑田は手錠を取りだした。
「浅間 拓也。小島 隆殺害の現行犯で逮捕する。」
[カシャ!]
桑田は浅間に手錠を・・・いや、自分の手に手錠を掛けてしまった。
「な、何で!?」
「浅間さんが手を引いたからだよ。」
俺は呟いた。
「こんな所で捕まる訳にはいかない!」
そう叫んだ浅間は、真理絵を人質に取った。
「一歩でも動いてみろ。この女の命は無いぜ。」
そう言って、浅間はナイフを、真理絵の首に当てた。
「バカ・・・。」
俺は呟いた。
「己、女の子を人質に取るとは!」
桑田は叫んだ。
「浅間、直ぐにその子を解放するんだ!」
桑田は怒鳴った。
「その必要は無い。」
俺は桑田に言った。
「何故だ!?放っておいたら、彼女死んでしまうぞ!」
「いや、死ぬのは浅間だ。良く見てろ。」
桑田は、浅間を凝視する。
「やれ。」
俺は真理絵に言う。
真理絵は、浅間にの腹に、肘パンチをくれてやった。
「がはっ!?」
浅間は口から血を吐き、ナイフを落として気絶し、真理絵に寄りかかる。
真理絵は微笑むとこう言った。
「眠ってるだけだから安心して。」
こうして、浅間は逮捕され、事件は幕を降ろした。
にしても、真理絵って、本当に人間か?
疑問を抱く俺であった。




やべ、ついついサイボーグの乗りで書いてしまった。
まぁ、設定上はサイボーグとリンクするから問題無いけどね。














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