第3話:帰り道の殺人!(解決編)
帰り道、俺と真理絵は殺人の現場を目撃した。
「行っちゃったよ。どうするの?」
「取り敢えず、警察だろ。」
俺は携帯を出して警察を呼んだ。
警察が到着するまで、やれる事があるな。
俺は被害者を調べた。その結果、出て来たものは、財布、タバコ、ライター、免許証、キーケースの五つ。
キーケースには、複数のキーがあった。
この他にも何か持っていたと思われるが、恐らくさっきの男が持って行ってしまったのだろう。
程なくして、警察が到着した。
「警視庁の桑田だ・・・って、またアンタか!?」
「いけませんか?」
「いや、別にいけないとは・・・。そんな事より、遺体には触れてないだろうな?」
そう言う桑田だが、当の俺は遺体に触れていた。
「成る程。階段から落ちて即死って訳か。
亡くなったのは、今から5分前だ。丁度、俺達が通りかかった時刻と一緒だな。と言う事は、17:25か・・・。」
「そうか・・・って、遺体に触れるな!」
桑田は怒鳴った。
「刑事さん・・・怒ると寿命縮みますよ?」
俺は振り向き、そう言った。
桑田は、俺の発言で暗くなってしまった。
仕方がない。
「刑事さん。」
無視・・・。
「俺、犯人見ました。」
「何!?」
と、桑田は話に食いつき、
「どんな人物だね!?」
と、怒鳴る様に聞いた。
「まぁ、刑事さん。先ずは、落ちつきましょう。」
「すまん。それで、どんな人物なんだね?」
俺は先ほどの事を思い出し、
「刑事っぽい男で、自分で刑事だと言ってました。
その男、離れた所で様子を窺っていたら、被害者の持ち物を持ち去ったんです。」
と、桑田に話した。
「それで、他に気になる事は無かったかね?」
「気になると言うか、被害者を殺害して逃げる男を見ました。途中で見失いましたけど・・・。」
「関係者は二人いるのか?」
「多分、そうだと思います。」
刑事は黙り込み、何かを考え始めた。
その間、俺は被害者の免許証を見た。
免許証には、小島 明と書かれていた。
「ん、小島 明?」
桑田が後ろで声を漏らした。
俺は桑田に向き、
「知ってるんですか?」
と、訊ねた。
「ああ。そいつ、昨日、うちの署に来たんだ。」
「何の用で?」
「命を狙われてるから助けてくれって。」
命を狙われてる?誰に?
よし、少し整理してみるか。
先ず、亡くなったのは、小島 明。
死因は、後頭部損傷によるもの。
逃げる男と、刑事を名乗る男がいる事から見て、小島さんは何者かに狙われていたと考えるのが妥当だろう。
「刑事さん。」
「何だね?」
「今すぐ被害者の交友関係洗って下さい。」
「それなら昨日、被害者が言っていた、3人の怪しい人物を呼ぼう。」
「怪しい人物?」
「ああ。昨日、被害者とあった時、その怪しい人物の事を聞かされたんだ。
ま、ちょっと待っておれ。」
そう言って、桑田は、その3人の怪しい人物を素早く現場に集めた。
よし、先ずは、あの女性から話を聞こう。
俺は、増村 澄子と言う、ロングヘアでメガネを掛けた若い女性に声を掛けた。
「早速ですが、貴女のアリバイを聞きたいと思います。
17:30頃、貴女は何処にいましたか?」
「私は、ピアノのお稽古に行っておりまして、少し前に帰って来た頃です。」
「何時頃ですか?」
「えーと・・・。」
増村は時計を確認した。
「30分程前よ。」
30分前か・・・。今は、18:00だから、彼女が本当にお稽古に行っていたのなら、アリバイは成立だな。
よし、次はあの人にするか。
俺は増村に会釈をした後、久山 隆と言う小柄な男性に声を掛けた。
「俺かい?
俺は、一昨日から友達と登山に行っていて、さっき帰って来たんだ。
そうだ、これ、余っちゃったんだけど、良かったら食べる?」
そう言って、久山はチョコレートを出し、パキッと割って俺に渡した。
「あ、どうも・・・。」
俺はチョコレートを受け取り、会釈をすると、高山 浩介と言う被害者の親戚に話を掛けた。
「僕は会社にいたよ。」
「そうですか・・・。」
俺は高山に会釈をすると、桑田の前に戻った。
「何か解ったかね?」
と、桑田。
「解りましたよ、ハッキリとね。
けど、刑事を名乗った人はいませんでした。」
「そうか。で、犯人は?」
「あの人ですよ。」
俺は久山を指差した。
桑田は久山を呼んだ。
「何でしょうか?」
「久山さん、小島さんを殺害した犯人は、貴方ですね。」
「ちょ、ちょっと待って下さいよ刑事さん。
僕にはちゃんとアリバイがある!」
と、久山は犯行を否定する。
「ほぉ。だが、この子が貴方を犯人だと言っています。」
久山は俺を横目で見るとこう言った。
「刑事さんはこんな餓鬼の言うことを間に受けるんですか?」
俺はその発言を聞いてブチギレた。
「久山さん、7月の季節は?」
「夏?」
「そう。貴方はこの暑い季節に登山へ行った。こんな暑い季節に登山へ行けば、溶けるもの溶けてしまう。
しかし、何故、持って帰って来たチョコレートは溶けていないんでしょうか?
まるで、たった今、コンビニで買って来た様な。」
そう言って、俺はチョコレートを久山に見せ付けた。
「貴方は自ら犯人だと証明してしまったのです。」
久山は、逃げ場は無いと見たのか、その場に膝を付いて泣き出した。
「全て、全てあいつが悪いんです。
1年前、付き合っていた彼女を、あいつに取られ。
僕、それを昨日、初めて知ったんです。
だから、今日、現場に呼び出して、彼を殺害しました。」
「その時、逃げたのが貴方ですね?」
「え?何を言ってるんだい?
僕は、逃げる所は誰にも見られて無いですよ?」
どういう事だろう?
俺と桑田は顔を合わせた。
「ま、まぁ、兎に角、署に来てじっくり話を聞こう。」
そう言って、桑田は久山に手錠を掛け、署まで連行した。
その後、警察の捜査により、現場から逃げる不審人物が発見された。
その不審な人物は、あの現場で俺が目にした警察を名乗る男で、ただの探偵だったそうだ。
探偵が言うには、自分が犯人だと疑われ掛けたので、一旦現場を離れ、再び戻って依頼料を持ち去ったと言う事だ。
全く、金にがめつい探偵がいるとは・・・。
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