第1話:誕生パーティ殺人事件
俺の名は黒崎 新一。
東京の公立高校に通うごく普通高校生だ。
高校では水嶋 ヒロに似てるって事でかなりモテる。
それから、俺には双子の妹がいる。
名は黒崎 綾。
綾は、しっかり者で頼れる存在だ。
しかし、怒るとかなり怖い。
「何してるの?」
と、篠原 愛美に似て可愛い少女が俺に声を掛けた。
彼女が妹の綾だ。
コイツとはクラスが一緒だ。
「何してるって、読者に俺やお前の事を紹介してたんだ。」
「読者って?」
「あ、今のは気にしないでくれ。」
危ない危ない。
「そんな事より、真理絵ちゃんが新一に話しがあるって。」
真理絵が?
一体、どんな用だろう?
俺は、真理絵に会った。
「新一君、来てくれたんだ。」
と、飯田 里穂に似て可愛い少女が言った。
彼女が真理絵だ。
フルネームは奥村 真理絵。
学校での評判はかなり良い。
「それで、話しってのは?」
俺は真理絵に聞いた。
真理絵は、
「あのね、明日のお昼に中学の時の友達の誕生会があって、それに招待されてるの。」
「それで?」
「招待された人や、友達は彼氏がいるの。
しかも、皆彼氏を連れてくるみたいでさ。
だけど、私にはいないから・・・。
だから、一日だけ私の彼氏になってくれない?」
「何で?
いないならいないってハッキリ言えば良いだろ?」
「いるって言っちゃったんだ。今更言えないよ。」
と、涙ぐむ真理絵。
「そう言う事なら・・・。」
と、俺は一日だけ真理絵の彼氏を勤める事にした。
「じゃあ、10時に私の家に来て。」
真理絵は、10時に家に来る様に言った。
俺は、
「解った。」
と言って、真理絵と別れた。
自宅に帰ると、
「真理絵ちゃんの話って何だったの?」
と、綾が聞いてきたので俺は、
「お前には関係無い。」
と言って、部屋に入ってベッドに横になった。
そして翌日、俺は約束通り10時に真理絵の自宅に行った。
すると、真理絵が玄関先で待っていた。
「あ、待ってたんだ。中にいても良かったのに。」
「いや、新一君と何処か行くの初めてだったからつい嬉しくてね。」
「はぁ?」
「そんな事より早く行きましょ。」
そう言って、真理絵は俺の手を繋いで歩き出す。
俺は赤くなりながらも一緒に歩く。
「な、なぁ・・・恥ずかしいから放してくれないか?」
「あ、ごめんなさい!つい癖で。」
と、真理絵は手を放す。
癖って・・・どんな癖なんだ、おい。
今時手繋いで歩く女子高生なんかいないぞ?いや、カップルならいるか。
「所で、お友達の家は近くなのか?」
俺は真理絵に聞いた。
「うん。」
と、真理絵は頷き、
「あそこ。」
と、正面の門付きの大きな豪邸を指差した。
それはまるで、ドラえもんの骨川スネオの家を思わせる程の家だった。
「ま、マジであそこなのか!?」
俺が聞くと真理絵は、
「うん。」
と、頷いた。
ははん、随分とお金持ちなご家庭だこと。
門の前に来ると、俺はインターホンを探した。
しかし、インターホンが見当たらない。
「インターホンなら中に入った所だよ。」
と、真理絵。
成る程、いくら探しても見付からない訳だ。
俺達は門を通り、中に入って玄関の前に立った。
扉の横にはインターホンがある。
真理絵は、インターホンを押した。
ピーンポーン
と、音が鳴る。
すると、
「はい。」
と、インターホンから声がする。
家の主が応答したのだ。
「奥村です。」
と、真理絵。
「あ、真理絵ちゃん。
ちょっと待ってて。」
と、主。
それから暫くすると、扉が開いて主が出てきた。
その主は、新穂 えりかにそっくりで可愛かった。
俺はその可愛さに一目惚れをしそうだったが、必死にそれを堪えた。
真理絵は主に、
「彼氏の黒崎 新一。」
と、俺を紹介した。
「始めまして。川口 咲樹です。」
と、主。
彼女が今宵の物語に重要な人物だ。
川口は、
「どうぞ。」
と、中に入る様促した。
俺と真理絵は、
「お邪魔します。」
と言って中に入った。
中に入ると、正面に真っ直ぐな通路があり、左右に扉がある。
更に通路を進むと、リビングに出れる様になっているのが玄関からハッキリ見える。
また、その途中には、上に行く為の階段がある。
「じゃあ、上に上がりましょう。皆待ってますから。」
と、川口は言って、通路を進むと階段を昇って行った。
俺達は川口から離れない様に付いて歩いた。
階段を登り終えると、左右に道が分かれていた。
川口は、
「こっちよ。」
と、右に曲がり、正面の扉を開けた。
扉の向こうは部屋になっており、人を押し込めば20人は入るスペースだった。
部屋の中央には、数人の男女が円を描いて座っていた。
「お邪魔します。」
と言って、俺と真理絵は部屋に入る。
すると、
「真理絵、久しぶり。」
と、一人の女が真理絵に話し掛けた。
女の子は、橋本 甜歌にそっくりで可愛かった。
彼女の名は、望田 真子。
望田は、真理絵の中学の頃の同級生だ。
自慢じゃないが、高校ではかなりモテているとの事。
そしてその右隣にいるのが、汀 浩一と言う望田の彼氏である。
汀は、堂本 剛に似ていて格好いい。
因みに、マジックが得意。将来はマジシャンになるのが夢なんだとか。
堂本 剛似マジシャン登場か?
更に、その右隣にはメガネを掛けたデブ男がいた。
男の名は、小田 国男。
小田は、その名の通りオタクである。
因みに、川口の事が好きらしいが、川口は全く気にしていない。
そして隣には、佐藤祐基に似た国枝 浩と言う男がいた。
コイツは、俺の中学の時のパシリで、高校が川口と一緒らしい。
また、川口とは交際中だ。
「お、黒崎じゃねえか。」
と、国枝。
「おめえ、何時から俺の事呼び捨てする様になったんだ?あぁ!?」
「何だよ、悪いか?」
国枝は、そう言って眼を飛ばして来た。
すると、
「浩、やめなさい。」
と、川口。
「すいませんでした。」
国枝は川口に謝った。
俺はそれを見て、
「成る程、ツンデレか。」
と、言ってしまった。
「何!?」
と、国枝は立ち上がり、
「もういっぺん言ってみろ!」
と言って、俺の胸倉を掴む。
俺はそれに対し、
「やめとけ。お前は俺には勝てない。」
と言って国枝に背負い投げをした。
その瞬間、国枝は背中を床に叩き付けられ、それを見ていた奴らが俺に拍手をする。
「あの、拍手貰っても嬉しくないんですけど・・・。」
と、俺はそいつらに言った。
すると、そいつらが拍手をやめ、部屋中シーンとなった。
川口は、
「あ、あたし、ジュース持って来るね。」
と言って、場を和ませた。
俺は、
「手伝うよ。」
と言って、川口と一緒に部屋を出た。
部屋を出ると、
「あの、何か空気悪くして御免な。」
と、俺は川口に謝った。
川口は、
「あ、その事なら気にしないで下さい。悪いのは浩の方なんですから。」
と、俺に言う。
「いや、そう言うんじゃないんだ。」
「へ?」
と、目を点にする川口。
「俺・・・自分で空気悪くして、そんでそこにいるのが苦手なんだよ。」
俺は川口にそう言った。
川口は、
「そうなんですか?」
と、俺に聞く。
「あぁ。小さい頃からそうなんだ。」
「大変ですね。
所で、本当はどうなんです?」
「何が?」
と、俺は聞く。
川口は、
「真理絵ちゃんとの事ですよ。
黒崎さん、本当は真理絵ちゃんの彼氏じゃないんでしょ?」
と、唐突に聞いて来た。
鋭いなコイツ。
そう思った俺は、
「うん。」
と、答えた。
「じゃあ何で彼氏だなんて?」
「それは、真理絵に頼まれたからだよ。」
「頼まれた?」
と、川口が聞いて来た。
俺はその経緯を川口に話した。
「あの子らしいですね。」
と、川口。
そんな事を話している間に、俺達はリビングにやって来た。
川口は、
「付いて来て。」
と、俺を誘う。
川口に付いて行くと、俺はキッチンへとやって来た。
「ほぉ。リビングとキッチンが一緒になってるのか。」
俺は一人呟く。
すると、
「グーゥ」
と言う音が、どこからか聞こえて来た。
「あ、いけない。」
と、川口が顔を赤くしながら言った。
それに対して俺は、
「気にする事無いよ。
お昼、まだなんでしょ?」
と、川口に聞く。
川口は、
「うん。と言うか、皆も食べて無いと思う。」
と、言った。
「そうか。なら俺が腕を降るってとびっきり美味しい料理を作ってやろう。」
「え!?そんな事しなくても私がやりますから良いですよ。」
「いや、良いって。これは俺からの誕生日プレゼントだ。君は上で待っててよ。
多分、30分くらいで出来るから、そしてら皆を連れて来てよ。」
俺はそう言って、川口を二階に帰した。
さて、何を作るか・・・。
俺は、野菜室を開け、適当に材料を出した。
と言っても、出て来たのはタマネギ3個だけである。
3個か・・・。俺を入れて7人だから、ちょっときついな。
そう思いながらも、俺はタマネギの皮を剥き、上下を切り落とした。
後はチキンブイヨンにオリーブオイル、梅干し2個に出し昆布1枚と塩小さじ1/2、きぬさや10枚。
俺はそれらをキッチンをあさりながら探した。その結果、案外早く見つかった。
「よし。」
俺はそう呟くと、圧力鍋を棚から取った。
此処からが本番。
俺は、梅干しを微塵切りにすると、きぬさや以外の材料を梅干しの種ごと入れて水で15分程煮た。
そして、俺は菜箸でタマネギをつついた。
すると、タマネギに箸がすっと通る。
「このぐらいか。」
そう呟いた俺は、きぬさやから筋を取り、それを加えてさっと煮て、最後に塩こしょうで味付けをして終了。
完璧だ。
俺は皿を用意し、タマネギを半分に切って皿に盛り、皆が来るのを待つ事10分。
皆がリビングへと集まって来て、
「美味しそうな臭いがするわ。」
とか、
「良い臭い。」
とか騒ぎ出した。
俺は皆に、
「取ったらリビング中央のテーブルに持ってて。」
と、言う。
すると、国枝、真理絵、望田、汀、小田の順に俺の作った料理を持ってテーブルに向かったが、川口だけが残って、
「一人分足りませんよ?。」
と、俺に言う。
俺は、
「タマネギが3個しか無くてね。」
と言うと、
「私と半分個しましょう。」
と、川口が言った。
「え?でもそれじゃあ君の食べる分が少なく。」
「良いんです。私、ダイエット中ですから。」
そう言って、川口はタマネギを半分にし、片方を皿の上に載せてテーブルに持っていった。
ありがとう・・・。
俺はそう思いながら、自分の分の皿を持ってテーブルに着いた。
すると、
「これ、黒崎さんが作ったんですか?」
と、望田が言い、
「男で料理だなんて凄いわ。」
と、真理絵が言った。
「ふっ、騒ぐのは食べてからにしてくれ。」
俺が皆にそう言うと、皆は俺の作った料理を一口食べ、
「美味い!」
と、皆が同時に言う。
「こんなの、生まれて初めてだ。」
と、小田。
それに続き、
「お袋でもこんなの作れないぜ。」
と、汀。
「これ、何て言う料理なんですか?」
と、望田。
「タマネギのポッタラ煮だ。」
俺はそう答えた。
それから暫くすると、俺を含め、全員がポッタラ煮を完食。
「ごちそうさまでした。」
と、皆が言う。
すると、急に川口が立ち上がり、
「うっ・・・うう・・・うっ。」
と、首を押さえて苦しんだかと思うと、その場に倒れてしまった。
「咲樹ちゃん大丈夫!?」
と、言いながら、小田が川口を揺らす。
「触るな!」
と、俺が小田に怒鳴ると、小田は川口から手を放した。
俺は川口の様子を確認した。
すると、川口の口元からアーモンドの臭いがした。
と言う事は、青酸カリだろう・・・。
「新一君、咲樹どうしちゃったの!?」
と、真理絵。
「死んだ・・・。」
俺はそう呟いた。
「咲樹ちゃんが!?」
と、小田が言うと、皆が一斉に俺を睨む。
「俺・・・疑われてます?」
俺がそう聞くと、
「うん。」
と、皆が頷き、
「貴方が作った料理を食べたからこうなったのよ。
貴方、咲樹の料理に毒を混ぜたんじゃないの!?」
と、望田。
「ちょ、ちょと待て!確かに作ったのは俺だ。でも、毒なんか盛ってはいない。
それに、もし毒を盛ってたら俺も死んでっからな。」
と、反論する俺。
「どういう事?」
と、真理絵。
「半分個・・・。川口さん・・・人数分足りないって、俺と半分個にしてるんだ。
勿論、半分個にしたのは川口さん本人だ。」
「でもでも、その後に毒を盛る事は可能だよね。
ほら、君は咲樹ちゃんの隣に座ったし。」
と、小田が言う。
「そうだそうだ。」
と、汀。
それに続き、
「黒崎。お前という奴は!?」
と、国枝が言い、俺の胸倉を掴む。
「待て国枝。そう言うお前はどうなんだ?」
俺が聞くと国枝は、
「俺はやってねえよ!」
と、俺を突き放す。
「ま、取り敢えず、警察呼んでくれないか真理絵。」
俺は真理絵にそう言う。
真理絵は、携帯を取り出すと、110番に電話を掛けた。
それから暫くすると、一人の刑事と鑑識、監察医が川口家に入って来た。
「警視庁捜査一課の桑田だ。」
と言って、桑田刑事は警察手帳を見せ、
「話を聞かせて貰おう。」
と、付け足す。
すると、
「こいつだ。こいつが咲樹ちゃんに毒を盛ったんだ!」
と、小田が俺を指差して言う。
桑田刑事は、
「ん?」
と、鼻を鳴らしながら俺を見る。
「おや?黒崎君じゃないか。」
と、桑田刑事。
「黒崎さんを知ってるんですか?」
と、望田。
それに対し、
「知ってるも何も、ここらじゃ有名な探偵だよ。」
と、桑田刑事が言う。
「探偵ですって?」
と、望田。
「嘘だろ?」
と、小田。
「刑事さん・・・俺は探偵じゃなくて、探偵の兄。何勘違いしちゃってんですか!?」
「あぁ、そうだったな。」
と、笑いながら言う桑田刑事。
「何だよ。びっくり損じゃねえか。」
と、国枝。
「いや、損じゃないと思うよ。」
と、望田。
「何で?」
「ここらで有名な探偵と言ったら、女子高生の黒崎 綾さんでしょ?
それの兄って事だけでもかなりびっくりだよ。」
と、汀。
「あ、そっか。」
と、国枝。
その割には驚いてないがな。
と、頭の中でツッコミをする俺。
「まぁ、兎に角、これから事情聴取をするんで、一人ずつ順番に話をしてくれ。」
桑田刑事はそう言った。
俺は、面倒な事になったなと思いながら、両手をズボンのポケットに入れた。
すると、右のポケットに瓶の様な物が入っていた。
「何だ?」
俺はそう呟き、それを出した。
取りだした瓶には粉末が入っており、
「potassium cyanide」
と、側面に書いてあった。
シアン化カリウム・・・何でもこんなものが俺のポケットに?
「ねぇ、それって薬じゃないの?」
と、真理絵。
「ちょっと見せてみろ。」
と、桑田刑事は取り上げる。
「こ、これは!?
黒崎君、何処にあったんだね?」
「ズボンのポケットに。」
俺は桑田刑事にそう言った。
すると、
「やっぱりお前じゃねえかよ!」
と、国枝が言い、俺の胸倉を掴んだ。
「ちょ、ちょっと待てって!それは俺じゃない!
誰かが勝手に入れ・・・はっ!」
「どうしたんだ?」
と、桑田刑事。
「解ったんですよ。俺のポケットに瓶を入れた人物がね。」
「何?他にいると言うのか?」
と言って、国枝は俺の胸倉を放した。
「あぁ・・・。だが、証拠が無い。」
俺がそう言うと、
「証拠は無くても良い。誰がポケットに入れたんだ?」
と、桑田刑事が聞く。
俺は、ゆっくり手を挙げると、国枝を指差した。
「ちょ、ちょっと待て黒崎!俺が咲樹を殺したって言うのか!?」
俺はそう聞く国枝に対し、
「川口さんを殺したのはお前じゃない。」
と、腕を組みながら言った。
「ちょ、ちょっと待ち賜え黒崎君。
君のポケットに青酸カリの瓶を入れたのが彼で、犯人が他にいるってどういう事だね?」
「無理なんですよ。コイツに青酸カリを盛るのは。」
「どうして無理なんだね?」
「料理を持って行った順番です。
国枝は、一番最初に料理を持って席に着いた。だからコイツが毒を盛る事は不可能です。」
と、俺は国枝に毒を盛るチャンスが無かった事を話した。
「じゃあその次だ。」
と、桑田刑事。
「それも無理ですよ。
考えてもみて下さい。
容疑者は俺を含めて7人です。
先ず、料理を持って行った順番は、国枝、真理絵、望田、汀、小田。
そして、最後に被害者の川口さんと俺。」
「料理を作ったのは?」
「俺です。でも、この時に川口さんの食事に毒は盛られていませんよ。」
「どうして解るんだね?」
「そうしたら俺も死んでるからです。」
「どういう事だね?」
と、桑田刑事は聞く。
「人数分足りなくて俺と半分個にしてるんですよ。勿論、半分にしたのは彼女だ。
その後に彼女はテーブルに着いたんです。その間、俺は彼女の料理には触っていません。」
「他に触れた奴は?」
他に触れた奴か・・・。
確か、川口さんが載せた皿に小田が触れていたな・・・。
と、俺は皆が料理を取って行った時の事を思い出した。
「ま、まさか・・・。」
と、俺は呟いてしまった。
「どうしたんだね!?」
と、聞く桑田刑事。
「ちょっと気になる事がありましてね。
国枝、この青酸カリ、誰かに渡されたとかしなかったか?」
俺がそう聞くと、国枝は俺の耳元で、
「小田とか言うメガネデブに渡されたんだよ。」
と、囁いた。
「それ本当か?」
「あぁ。そんで俺、怖くなって、あんたのポケットに入れたんだ。」
「入れたのは何時だ?」
「咲樹が死んで、俺があんたの胸倉を掴んだ時だよ。」
成る程、そう言う事か。
「桑田刑事。」
「何だね?」
「そこにいるメガネを掛けた如何にもオタクっぽいデブの小田が犯人だ。逮捕しろ。」
俺がそう言うと、小田は慌てて逃げ出した。
「待て!」
と、桑田刑事が追う。
「くそっ、捕まってたまるかよ!」
小田はそう言うと、その場にずっ転けてしまった。
何とも哀れな。
桑田刑事は、その隙に小田に手錠を掛けた。
「署まで来い。」
そう言うと、桑田刑事は小田を連れて行った。
後日、小田は桑田刑事に酷く殴られ、全てを自供したと言う。
何はともあれ、こうして事件は解決をし、幕を閉じた。
が、真理絵がおいおいと三日三晩泣き続けたのは言うまでも無かった。
「解ったからもう泣くなって。」
と、俺は真理絵に言ったが、泣きやむ事は無かった。
やれやれ、こりゃ暫く泣きやみそうも無いな・・・。
そう思った俺は、放って置く事にした。
「じゃあ俺は帰るからな。」
そう言って、俺は真理絵と別れると、一人家路に着いた。
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