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死んでいる街
作:植崎健太郎



異変


「朋美ちゃんおはよう」
「誰?」
「何言ってるの?麻美だよ」
その不気味な『肉の塊』はそう言った。
顔は焼けただれ皮膚は腐り肉片がぼとぼと地面に落ちている。
「違うよ!麻美ちゃんじゃ無い!麻美ちゃんはもっと綺麗だ!お前みたいに気持ち悪くない!」
「何言ってるの?朋美ちゃんだって同じじゃん」
慌てて鏡を見るとそこにうつっていたのは自分を麻美だと言う『肉の塊』と同じものだった。
「きゃあぁぁぁ」

悲鳴を上げ目が覚めた。
洗面所で顔を洗い、昨日のピザの残りをレンジで温め食べた。
しかし暑い。エアコンが無かったら汗だくで脱水症状になるくらいの暑さだ。
蝿が相変わらずうるさいが慣れてきた。
しかしやはりあの匂いに慣れることは無い。
「お母さん、学校行ってくるね」
「………」
母親は最近ずっと寝たきりだ。

玄関を開けると麻美が待っていた。
私は昨夜の夢のこともありビクッとした。
「おはよう。朋美ちゃん」
いつもと様子は変わらない。
「おはよう」
すると麻美は笑っていたのに突然、怪訝な顔をした。
まるで昨日の宅配ピザ屋の配達員が見せた表情と同じような感じだ。
「ねぇ朋美ちゃん、なんか変な匂いがしない?」
麻美もこの匂いに気付いてくれたのだ。
「そうなの。ここ最近ずっと匂うんだよね」
「そうなんだ」
そうして二人は学校に向かった。
二人は他愛もない会話をしながら歩いていた。
「そういえばさっきの匂い無くなったね」
「そお?」
麻美にはもう匂わなくなったらしい。
しかし私にはやはり匂う。

しばらくして学校に到着し、自分の教室に向かった。
昨日よりも階段がキツい。日に日に階段がキツくなっている気がした。
今日は体育がある。体力の無い朋美にとって唯一嫌いな授業である。
今日の体育は100メートル走だ。
陸上選手になるわけでも無いのにタイムなんか計ってどうするのだ?
それでも朋美が走る番になり、しかたなく走った。
タイムは22秒。前よりも遅くなっていた。
やたら息が苦しい。目の前が真っ暗になった。

ドサッ

目が覚めると保健室のベッドの上だった。
100メートル走の後、倒れたらしい。
保健の先生はおそらく日射病だと言う。
私は気分も良くないので早退することにした。

帰り道、私は考えていた。
この匂いの原因は何か?
最近体力が落ちているのは何故か?
昨夜の夢は何か意味があるのか?
そうこう考えているうちに家に到着した。

「ただいま」
「………」
「お母さん、私どっか変かな?」
「……変じゃないよ」
私は母親の言葉を聞き安心した。












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