[ ♯5・切ない思いと夏の夜 ]
(コナンSIDE)
7月の下旬
今日は久しぶりに、博士と少年探偵団でキャンプだ
久しぶりの全員集合でなんだか懐かしい
最近はみんな部活なんかで忙しくて、学校ですれ違うくらいだった
好きだと意識し始めてから、博士の家に行っても灰原が何しているかばかり気になる
まぁ、だいたいは研究室にこもりっきりなんだけれど
けど今日はそんなこと気にしなくて良い
見えるところに灰原がいるから
灰原は歩美ちゃんと積もる話しがあるらしく、さっきから二人で話し込んでいる
もしかして俺の話しているんじゃないか?とか、いろんなことを考えてしまう
やばい俺…本当に心が中学生になって来た
[ 哀ちゃんと歩美ちゃんの会話 ]
「ねぇ哀ちゃん…コナン君ってやっぱりクラスでもモテちゃってる?」
「私は他の女子とあんまり会話していないけど、知っているだけで四人くらいかしら」
「やっぱりそうだよね、コナン君かっこいいし、頭良いし…」
「そう?吉田さんも女子の中では可愛くて頭が良いほうだと思うけど」
「哀ちゃんには負けるよ。哀ちゃんは顔も頭も、きっとうちの中学校で一番だよ!!」
「ありがと。そんなにほめられると照れるわね」
「歩美ね、哀ちゃんだからいいけど、きっと他の才色兼備の人には嫉妬しちゃうな」
「私はどうしていいの?」
「だって哀ちゃんは、小さい頃からの憧れだもん♪だから…だからね、コナン君と結ばれるとしたら哀ちゃんじゃないとダメ、絶対にダメ!」
「でも吉田さんは江戸川君のこと…」
「そりゃぁ好きだよ!大好き!でも見てるとね、コナン君の気持ち分かっちゃうんだぁ」
「江戸川君の気持ちが分かる?」
「きっと哀ちゃんはまだ気付いていないんだよ、コナン君の気持ち。だから早く気付いてあげて!そうしたら哀ちゃんも、コナン君も幸せになれるよ」
(哀SIDE)
私が気付いていない、工藤君の気持ち…
いったいなにかしら、私の事が好きとか?
まさかね、彼にかぎってそんなことはないわよね
でも…少し期待してしまう
昼休みの教室で彼は『蘭さんは思い出』って言ってた
今の気持ちは、私に向いてくれているのかしら…
(コナンSIDE)
バーべキューなどをしてみんなでわいわい騒いだ
テントは3つ、博士と俺・光彦と元太・歩美と灰原
博士はガキみたいにはしゃぎすぎて疲れたんだろう、もう眠っている
隣のテントからは元太の大きないびきが聞こえる
光彦…あんな中でちゃんと眠れるか?
確かに俺も今までよりも、今日ははしゃいだ気がする
好きな奴と一緒だから、このメンバーがやっぱり好きだから
正直な所、新一よりコナンとしての小学校生活のほうが楽しかった
もちろん新一のときも蘭がいて、園子がいて…それなりに良かった
でも、少年探偵団とはいくつもの事件を解決してきて、いろんな所に行って…
黒の組織の事で悩んで、くじけそうになったときも、あいつ等がいたから頑張れたと思う
俺ってよっぽど少年探偵団が好きなんだな…
そんなことを考えながらテントを出て、近くの川に行くとそこに灰原がいた
月明かりがあたって、いつもより綺麗に見える
気持ちを伝えるなら今かもしれない
ふとそう思った
「おい灰原、お前どうしてここにいるんだ?」
「あら悪いかしら?いつもと違う所じゃ眠れないのよ。それに…考え事してたから」
「そっか…なぁ、俺お前にさ、伝えたいことがあるんだけど」
「…何?」
「ちょっと待て、心の準備すっから」
一回、大きく深呼吸をした
「ちょっと、そんなに緊張する話しなの?」
「お前ってかなり鈍感だから、今から言うことよぉく聞けよ!!俺が教室で言ったこと、一緒に思い出作っていこうっていうのは…お前の事が好きだから、これからもずっと一緒にいたいって意味なんだよ!!」
半分やけくそに近い感じだった
灰原は目を丸くしていた
「工藤君、本当に?私の事…」
「前からだよ、正確に言うと小学校三年あたりから…って何恥ずかしいこと言ってんだろ俺」
「そう。私は…私は工藤君のこと、小学校一年生から好きだった」
「えっ!?」
思いがけない言葉に、俺は放心状態になった
中学一年7月、俺の気持ちがアイツに届いた
そして俺達は、手を繋いでテントに帰った
(哀SIDE)
繋いだ手が、涙が出るくらい嬉しかった
こんなに素直になれるなんて…自分でも驚き
きっと、こんな風になれたのは吉田さんのおかげ
ありがとう吉田さん、彼の気持ちわかったわ
これから幸せになれるかもしれない
このまま…工藤君とこの体で、一緒に成長していけたらそれでいいい
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