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死の境に棲まうモノ
作:都築景



五章:終わりへ一歩


「で、どこにいるかは分かった?」
再び紅茶の入ったカップをテーブルに起き、イザがサノに尋ねた。カップの数は先ほどの2個より多く、5つ。 サノと文字通り叩き起こされたナギとツクの分もいれて。
「ええ。彼女の通っていた高校の辺りをうろついています」
「こっちには?」
「まだ気付かれてはいません。今回のも夜行型なので今の所は人にも気付かれていません」
「そう…、けれど昼に出歩くようになるのも時間の問題よね」
「イザ、どうする?」
イザは深々とため息をついた。手を組み、暁を含めた4人を見る。
「やるしかないでしょ。避ける訳にもいかないし」
その一言で全てが決定した。
「了解」
「はいよ」
「しかし、今回はどのようにやる?」
「んー、考えてない。けど、囮は必要よね」
そう言い、イザは暁の方を向いた。次いで他の三人も。
「囮…?」
「あいつらの狙いは飯田暁さんだし、これ以上適した人はいないわね」
「そうだな、悪くない方法だ」
「あとは、仕留める場所だよね。なるべく人目につかない方がいいし」
「サノ、候補地はある?」
「ええ。最善の場所としては―」
「ちょっと、待てぇ」
サノを遮ってそう言ったのはもちろん、暁である。本当に当然の事ながら。
「どうかした?」
「その囮っていうのはまさか、私…?」
「それ以外に誰がいるってのよ。ええ、死なないように守りはするから」
「そういう問題じゃないっての。っていうか、どっちにしろ私は死ぬんでしょう?」
「ええ、そうなんだけどね。でも、どうせなら痛くない方がいいじゃない」
「その『デキソコナイ』に殺されると、痛いの…?」
「詳しくは知らないけど、一度じゃあ死なせてくれないでしょうね。人としてのカタチがちゃんとなっていないからね」
「今すぐここで私を殺すのは?」
首をかわいらしく傾げ、暁が最後の頼みの綱に足をかける。それはもう必死の形相で。
イザはというと、
「…ダメ」
と、無情にもにもたった一言でそれを切り捨てた。ものすごく優しそうな笑みさえ浮かべて。
「イザ〜」
「私達がペナルティ課されるからそれはできないの。人生最後の人助けだと思って手を貸して」
情けない声を出す暁にイザは宥めるようにそう言った。しかし、結構自己中心的な言っている。
まぁ、そこら辺はいつもの事なので暁以外誰もつっこむなどということはしない。我関せず、でお茶を飲み続けるだけで。
「〜っ。わかったわよ、協力するわよ」
「じゃあ、それを前提に考えましょう。サノ」
「はい。やはり、人目につかない場所となると深夜の学校位しかありません」
イザに促され、サノが淡々と口にする。
「人目につかない所じゃないといけないの?」
「あんなのがいきなり現れたら大騒ぎになるでしょうが。だから、やるなら見られないよにしないと」
「普通に人通りのない路地とかは?」
腕を組み、暁が頭を捻りつつ質問していく。
「暗いから却下。アイツら黒いから見えにくいのよ。だから、明るくできてかつ広い場所が理想的ね」
「なるほど。そうなると学校とか図書館なんかがいい訳だ」
軽く納得したように頷いて暁はそう口にした。
イザも
「そういうこと」
と同意してからすっかり温くなった紅茶を喉へと流した。
「壊した物は朝までには元に戻るんだけど、人の記憶はそうはいかないでしょ。だから、公共の施設より学校の方が人が少ないしねぇ…」
「それはまあ…」
「最悪、姿見られても音聞かれても怪談で済ませられるし」
にっこりと笑ってイザがそう付け足す。
そんな風に自信満々に言われるとさすがの暁も突っ込めない。そんな適当でいいのか、と口に出さずにいるだけで。
「ま、適当っぽいけど今までこれで成功しているからさ、大丈夫。…………たぶん」
そんな暁の考えを見透かしたかのようにツクがフォローする。本当に効果があるかはともかく。
「たぶん、とは何よ。失礼だわ」
「だが、一度それが成功せずに警察を呼ばれたこともある。あれは苦労した」
「…確かに完全に効くとは限らないかと私も思いますが」
「ナギにサノまでそんなことを言うのっ?だったら少しは自分達で考えてごらんなさいよ」
「考えつかないからイザの案を受け入れているの」
「今のところ最善の案ではあるからな」
「私はイザがそれでいいのならば構いません」
ツク、ナギ、サノの順にそれぞれが思うところを口にした。少し、イザが眉をひそめたがスルーされてしまう。
「で、どこでやることにするの?」
「ん?貴女の通っている学校」
「え、マジで?」
「マジ、で」
まぁ、そこら辺はいつもの事なので暁以外誰もつっこむなどということはしない。我関せず、でお茶を飲み続けるだけで。
「〜っ。わかったわよ、協力するわよ」
「じゃあ、それを前提に考えましょう。サノ」
「はい。やはり、人目につかない場所となると深夜の学校位しかありません」
イザに促され、サノが淡々と口にする。
「人目につかない所じゃないといけないの?」
「あんなのがいきなり現れたら大騒ぎになるでしょうが。だから、やるなら見られないよにしないと」
「普通に人通りのない路地とかは?」
腕を組み、暁が頭を捻りつつ質問していく。
「暗いから却下。アイツら黒いから見えにくいのよ。だから、明るくできてかつ広い場所が理想的ね」
「なるほど。そうなると学校とか図書館なんかがいい訳だ」
軽く納得したように頷いて暁はそう口にした。
イザも
「そういうこと」
と同意してからすっかり温くなった紅茶を喉へと流した。
「壊した物は朝までには元に戻るんだけど、人の記憶はそうはいかないでしょ。だから、公共の施設より学校の方が人が少ないしねぇ…」
「それはまあ…」
「最悪、姿見られても音聞かれても怪談で済ませられるし」
にっこりと笑ってイザがそう付け足す。
そんな風に自信満々に言われるとさすがの暁も突っ込めない。そんな適当でいいのか、と口に出さずにいるだけで。
「ま、適当っぽいけど今までこれで成功しているからさ、大丈夫。…………たぶん」
そんな暁の考えを見透かしたかのようにツクがフォローする。本当に効果があるかはともかく。
「たぶん、とは何よ。失礼だわ」
「だが、一度それが成功せずに警察を呼ばれたこともある。あれは苦労した」
「…確かに完全に効くとは限らないかと私も思いますが」
「ナギにサノまでそんなことを言うのっ?だったら少しは自分達で考えてごらんなさいよ」
「考えつかないからイザの案を受け入れているの」
「今のところ最善の案ではあるからな」
「私はイザがそれでいいのならば構いません」
ツク、ナギ、サノの順にそれぞれが思うところを口にした。少し、イザが眉をひそめたがスルーされてしまう。
「で、どこでやることにするの?」
「ん?貴女の通っている学校」
「え、マジで?」
「マジ、で」
予想外の事に驚く暁にイザは思わず見とれてしまうようなが極上の笑みを浮かべた。明らかに楽しんでいるように見えるのは暁の気のせいではないだろう。
「いつ、実行いたしますか?」
「そうねぇ、今週の金曜が満月だからその日にしましょうか?」
「それでいいと思うよ。ナギとサノも賛成だろ?」
「ああ」
「構いません」
二人がほぼ同時に首肯する。
イザは満足そうに頷いて近くにいたサノに何かを囁く。彼はそれに頷くと帽子を深く被り直してから音もなく部屋から立ち去って行った。
「さてと、それじゃあ暁さん、学校の大体の間取りを教えて」
「あ、うん。でも、彼…サノさんは?」
玄関のほうを見て暁が不思議そうに尋ねた。トイレに行ったようにも寝室に行ったようにもみえない。
「ん?ああ、サノは感知能力が高いからアレの監視に行ってもらうの。だから、私達とは別行動なの。ほら書いて」
イザからペンと紙を渡され…もとい、押し付けられ、暁は高校の全貌をまず書いた。次いで教室などの細かい部分を。
「はい」
「ありがとう。ふうん………それじゃあ、ツクは暁さんと一緒に校門の前にいて。ナギはここに、で私はここで待機。わかった?」
紙の上で指を滑らせ、イザが指示を出した。
「了解」
「オッケー」
二人が頷く。
イザは四人の名前を書き足して、紙を折り畳むと
「ナギはこれをサノに渡してきて。ツクと私と暁さんは後は自由行動。以上」
ナギに紙を押し付けた。
ナギはそのままでていき、ツクも何処かへと出掛けてしまう。
暁は外へと出れないし、やることもないので結局リビングに残ってぼーっとするしかない。ついでにイザとしゃべったりもして。
金曜日まで、は。


彼女は、わかっているだろうか。彼らとの奇妙でけれども心地よくさえある、日々がもう、終わると。けれど、知っていようと知らなかろうと時は、留まらない…












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