豪腕丸太使い
ダルスから聞いた話だと、ここメフィスにも強者がいると…
僕と同じ、一人で生き抜くかなりの強者だと。
『なぁ、ダルス?』
『なんだ?』
『そいつはここから近いのか?』
『セリーヌの裏側だよ!』
僕は阿修羅を担ぎ、出掛ける支度を始めた。
『おいおいセシル!何処行くつもりだよ!』
慌てて止めに入るダルス。
『ソイツに会いに行くんだよ!』
僕は今すぐにでも会いたかった。同じ街にいて、そんな強者がいたなんて……
『早まるなって!なっ?俺がいなきゃ始まんないだろ!』
『始まるも何も、勝ちゃいいだろ!』
『相変わらず物騒な奴だよな!セシルは…』
ダルスに説得され、とりあえずはとどまる事にしたセシル。だが、いつ飛び出すか分からないセシルに気が気ではなかった。
心なしか研ぎに集中出来なかったダルス。どうにか武器の研ぎを終わらせ、強者に会いに行く事にした。
セリーヌを横目に歩くセシルとダルス。
『ソイツ…何て名前だ?』
『確か……ゲンドーだったかな?』
『だったかなって…。ダルス!信用していいんだな!』
ダルスは少し困った様な表情をし『わからない!』……。
結局、あまり覚えていないと、情報も殆ど無いままメフィス北部に到着した。
『ここら辺なのか?』
『……多分!』
『ダルス…てめぇ!』
余りにもいい加減なダルスに怒りを露わにするセシル。
『ちょっ!だってしょうがないだろ?久々なんだから!』
遠い記憶を頼りにしてきたけど、この調子じゃ見つかる物も見つからない……そんな時…
『どぅりゃぁ〜!』
家の中から低い怒鳴り声と共に3人の男が宙を舞ながら飛んできた!
ドガッ!ガシャ!
何だありゃ!
僕は思わず自分の目を疑った!人間ってそこまで飛ぶか?
うずくまる男達。
その男達に近づき問いかけた…
『おい、大丈夫か?何があった?』
『…ぐっ…ひゃあぁ!』
セシルの問いかけにも答えず、怯えきった様子…
僕は怒鳴り声のした家が気になった。そして、ナイフに手を添えながら徐々に近付いていった…
『おいセシル!ヤバいよ!』
一部始終見ていたダルスは嫌な予感を感じていた。
ダルスの忠告を無視し、家の玄関前へと……
『な!……』
玄関から一人の大男がノソノソと現れた!セシルはその巨漢に驚き後ずさり。首筋に冷や汗をかきながら構えをとった!
外に出た巨漢の男は2メートル近くある長身。片手に太い丸太を持ち、欠伸をしながらセシルを見下ろしていた。
『お?お前は、南部の方で暴れてる小僧か?』
低い声で喋り始めるゲンドー。さっきまで殺気立っていた者とは思えない程優しい笑顔をしていた。
まるで戦う意志はないと判断したセシルは、ナイフを鞘に納めた。
『僕はセシル!』
『あぁ、確かそんな名前だったかな?忘れてしまったよ。俺の名前はゲンドーだ!』
お!ゲンドー見つけた!思った以上の強者。そしてかなりの怪力…
首が疲れる身長差。ゲンドーは笑っているが…。人が信じれないこの時代。セシルはナイフから手を離す事はなかった。
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