二刀流のナイフ使い
勝負しないか…。僕はダルスに真剣勝負を挑んだ。最初の印象とかけ離れたダルス。騙しているとは思いたくなかった。だが…確かめない事には先には進めない…。
信用…したいから…。
『セシル?辞めてくれよ…。俺が勝てる訳ないだろ!』
『いいから…早く来い…。』
僕は阿修羅を持ち一言、たった一言呟き外に出た。
朝方ってのもあり、外は静かなものだった。
困り果てた表情をするダルス。
『やっぱりセシルにはかなわないな…。』
『騙していたのか?』
最初は研ぎ師は貴重だから生き残ったのかと思っていた。でも…ダルスの実力、周りの人脈…計り知れないダルスの影。何か企んでるとしたら……今のうちに…。
『騙すつもりはなかった…。セシルの殺気に怖じ気付いたってのが本音だ…。情けないけど。』
『そっか…。んじゃ行くぞ!』
セシルは阿修羅を抜き、ダルスは二本のサバイバルナイフを抜き構えた。
先に仕掛けたのはダルス。右のナイフで刺す様に突いた。セシルは左に避け目を狙い斬りつけた。
ダルスは左のナイフで交わし構えた。
お互いに素早い攻防。ダルスのスピードは盗賊クラスだ。
思った以上に出来るダルス。ダルスのいたハーネスは、盗賊組織の一角。いくつかの組織が集まった巨大組織だった。強くて当たり前だ…。
出会った頃の印象は撤回だ!ハーネスの一員…ダルス。
全力を持って潰す!
『ダルス覚悟しろ…。』
セシルは姿勢を深く構え…殺気を放つ。
“暫撃 阿修羅”
『うわぁぁぁ!』
素早い太刀裁き、本来なら足から斜めに腹部、切り返して頭から体を斬りつける技。
セシルは敢えて空気を切った。ダルスは殺すには惜しい存在だった。
『セ…セシル?』
『あぁ…ごめん。』
ダルスの服を斬り腹部の薄皮をかすってしまった。まだまだ修行が足りない…。
『…じゃなくて、何故?』
セシルは阿修羅を鞘に納め微笑みながら話し始めた。
『ん?最初から殺すつもりは全くなかった。ただ…ダルスの本当の力を見たかった。試したりしてごめん…。』
『……。』
ダルスは俯き、深くため息を吐いた。そして…『ありがとう。』。
セシルは『ダルス。』と手を伸ばした。
ダルスは『落としていいのか?』と笑いながらセシルの手に捕まり起き上がった。
こうやって徐々に二人の絆が深まっていった。
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