誠の心
『ん…ふぁぁ。』
朝か…
『おはよお!ゆっくり寝てんなぁ。』
ダルスは先に起きていた。
こんなにゆっくり寝たのは久々だな。子供の頃…以来かな…。
『ダルスは起きるの早いんだな。』
『んなことねぇ!』とナイフで外を差した。
『……。』
僕は少し気になり外に出てみる事にした。
おぉ……
『ダルス!どおしたんだよ!』
外には5、6人の男が無惨な姿で重なっていた。
『あまりにも気持ち良さそうに寝てるからさ…。』
ダルスはニコッと微笑みながら奥の武器の部屋へ歩いて行った。
ダルス…。強いのか?油断…していた。ナイフも刀も近くにはなかった。もし今、ダルスと殺し合う事になったら…。油断?………殺意はまるで感じなかった。
シャッシャッ…
奥の部屋の方から何か音がする。
とりあえずナイフを持ち、ダルスのいる奥の部屋に向かった。
『ダルス?何…やってんだ?』
ダルスは僕が問い掛けた途端動きが止まった。チラッと僕を見て『そんなのしまえよ…。まだ、信用出来ないのか?』と…少し寂しそうに俯き、また動き出した。
ダルスの事、信用してない訳ではなかった。ただ、持ってないと不安でしょうがなかったんだ…。
『そういうんじゃないんだ…ごめん。』
ダルスはまたチラリと見、手を出しヒラヒラさせた。
『手を落とせ…か?』
ダルスは慌てて手を引っ込め目をパチクリさせながら呟いた。
『違うだろ!物騒なヤツだな…セシルは。ナイフをよこせよ!研いでやるからぁ!』
『あぁ…。』
さっきから何かしているとは思っていたが…。ダルスは研ぎ師だったんだな。すっかり忘れていた。ダルスの周りには無数のナイフ、刀や洋剣…良い物だけを選び研いでいた。
『外に転がってるの…試し切りしたんだ。セシル…結構怨まれてるね…。』
『……。』
それに関しては何も言えなかった。でも…生きていく為にはどうしようもない、避けては通れない道なんだ。
『ダルス…。』
『ん?』
『仲間を集めたい!どうしたらいい?』
やっぱり旅の事は諦められなかった。親の敵討ちもあるが、知らない事が多すぎた。外の世界に出たい気持ちが日に日に強くなって行く。
『……そっか。俺…ハーネスいた時、色んな所に仲間がいたんだ。今…生きてるか分からない。グループの奴等やセシルみたいに一人で生きている奴もいる。これから会いに行ってみるか?』
『強いか?』
『かなりな…。』
ダルスの背中…初めて会った時とは別人の様な気がしていた。もしかしたら…化けるかもな。
今まで勢力とか競争とか戦争なんかは全く興味なかった。ダルスと会って違う自分に出会った気がした。組織を作り、仲間を増やし、平和な国を再建しよう…と!
『ダルス…その仲間に会いに行く前に確かめたい事がある…。』
ダルスは少し違った空気に気付き、振り向いた。
『セシル?何が言いたい!』
生唾を飲み込み、セシルの顔をジッと見るダルス。セシルがダルスに言った言葉は……
『勝負しないか…。殺しありの真剣勝負で…。』
さっきまでの寝ぼけた表情をしてた子供のセシルはいなかった。ダルスの前にいた男の表情は…眉一つ動かさない冷酷な悪魔が立っていた。
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