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僕のお人形
作:アクア☆



懐かしき優しさ



『ひゃっはっはぁ!』


外から聞こえてくる声で僕は目覚めた。


朝か…


眠たい目を擦りながら周りを見渡すと、床に転がって寝てるゲンドーと、酒を持ったまま眠るダルス。


そうか…
僕ん家じゃなかったんだよな…


欠伸をしながらナイフを持ち、うるさい輩を追い払おうと外へと出た…



何処も同じか…



朝から群れた輩が一人を囲み、笑いながら脅していた。


『1、2、3…あぁ、面倒。うるさいよ、お前等!』


バカな大人が八人。一斉に僕に振り向いた。そして、一人のスキンヘッドの男が近づき…


『おはよーでちゅねぇ!代わりに遊んでくれまちゅかぁ?』


ナイフを手のひらで遊ぶ様に叩く男。そして、調子に乗った男達が後ろから近付いてくる。


『お前等みたいなバカ、相手にするのも面倒だ!早く消えろ!』


僕は冷めた口調で見下し、家の中へと入ろうとした…


『おい!バカガキ!お前の母ちゃん犯っちゃうよ?あははっ!』


バカ笑いする男達。耳障りな笑い声と暴言がセシルを怒りへと導いた…


『おい!今、何て言った?』

『……へ?何だこのガキ。』

『お前等、死ぬぞ?』



凍り付く様な視線を男達一人一人に向けた。出来れば無駄な殺しはしたくない…。


『お前等じゃ勝てない!』


最後の忠告をしナイフに手を添えた…

さっきとはうって変わって怯えた表情をする男達。


『う、うわぁぁ!』


後退りし逃げてしまった。

僕は思った…
何処の輩も同じか。呆れてモノも言えないや…

でも、無駄に血が流れなくて良かったと少しホッとしていた。


『セシル、随分冷めた殺気だったな!』


いきなり後ろから低い声が!後ろを振り返ると、そこにはゲンドーが立っていた。片手には鉄の金棒を持ち、笑顔でセシルの頭を撫でた。


『や、ゲンドー!子供扱いするな!』

『あははっ!まだ子供だろ!そんなに背伸びする事はない!』


優しく微笑み、まるで自分の子供の様に接するゲンドー。

そのまま家の中へと引きずり込まれた。


ゲンドーがいたからなのか…。ゲンドーがいなかったら、やっぱり…


部屋に戻るとダルスも起きていた。さっきまで寝ていた者とは思えない顔付き。


『ほれ!しけた面してないで飯でも食おうや!』


大声で喋り出したゲンドー。

僕もこんなデカい人間になりたい。気持ちだけがドンドン膨れ上がる…


『ダルス!旅支度しよう!』

『へぇ?』


間の抜けた返事をするダルス。いつもいきなりのセシルに困り果てていた。


『旅って何だ?セシル?…ダルス!』


さっきまで笑っていたゲンドー。セシルの言葉に驚きを隠せなかった。


ダルスは困った表情をし、渋々話始めた…



『ここに来たのは仲間集めをしに来たんだ。ゲンドーの話をしたらセシルが会いたいって…。』

『ほうほう。』


ゲンドーは、目をまん丸にしながらダルスの話に耳を傾けていた。


『見た目、子供だけど正直、俺より強いんだ!…あ、ごめん。』


子供と言われダルスを睨みつけるセシル。


『世界の話をしたら行きたいって。止まらなくなっちゃってね…。血の気が多いよ!セシルは!』


ため息を吐きながら…でも、どことなく楽しげな表情で喋るダルス。

そんなダルスとセシルを見つめるゲンドー。俯き、悩み…


『よし!もう一日考えさせてくれ!』


ゲンドーの言葉に驚きを隠せないセシルとダルス。こんな優雅な生活をしていたゲンドーが共に来てくれるとは思ってもみなかった。


『そっか!んじゃ明日、もう一回顔出すよ!来る来ない関係なく必ず顔出す。その後は旅に出る!』


まるで実家を出る様に言い切ったセシル。暖かく、深く包み込んでくれるゲンドーに父親を…懐かしき家族をダブらせていた。

そんなセシルの表情は心なしか優しさに満ち溢れていた。















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