東方な日々 霊夢編
作者:春風夜風
どうも。
私は楽園の素敵な巫女こと、博麗霊夢だ。
要するに博麗神社の巫女だ。
今日はややあって、私のことについて話そうと思う。
私の住処は、ここ博麗神社だ。
まあ、博麗神社の巫女なので当然だ。
博麗神社といえば、なかなか由緒ある神社らしい。
しかしこの神社、一体何の神を祀っているのかはよく知らなかったりする。
まあ別に、大して興味もない。
大体にして、なんでこんな山の上にあるんだ。
夏は暑く、冬は寒い。
住むのには適さない。過酷な環境だ。私は修行僧じゃないってーの。
・・・話が逸れた。
私の巫女としての仕事は結界の管理だ。
なんでもこの結界、博麗大結界は、この幻想卿とその外部を隔てる巨大な結界で幻想卿全土を覆っているらしい。
どれだけ広いのかは見当もつかない。
そんなことだから当然、私一人でどうにかなるものでは無い。
私がやっていることと言えば、結界の要所である裏の鳥居に貼ってあるお札の様子を見るくらい。
古くなっていたら取り換える。それだけだ。
そういえばいつか母が、
「あんたはぐーたらだからあんまり期待してないけど、せめてこれぐらいはちゃんとやってよね。」
とか言っていた。
うるせーよ。
・・・また話が逸れた。
とにかく私の仕事はそれだけだ。
それだけなんだけど、それだけでは食べていけない。
世の中は厳しい。
お賽銭箱は寂しい。
なので、たまに携帯型賽銭箱2(霊夢作)を持ってお賽銭を回収する為、人里に下りたりする。
山を下りて少し進むと人間の里がある。
そこで私はお賽銭を乞うていた。
「ほら、ジャンプしてみなさいよ。ジャラジャラいってるじゃない」
・・・恐喝ではない。
断じて、ない。
ああ、それでも今1人、お賽銭を入れてくれたわ。
世の中捨てたもんじゃないわね
・・・って子供銀行かよ!!
・・・こんな感じでお賽銭箱は未だ寂しいままなので、適当な家を見つけて
「この家は 悪霊にとり憑かれています」
なんて言ってみる。
ほら、私ってば巫女だし、そーゆーなんていうの?
お金の気は・・・ゴホン、悪霊の気配がわかるんだよねー
・・・・・・なんちゃって。
「本当ですか!?ぜ、ぜひお祓いをして下さい!巫女様!」
あ・信じちゃった。
もう後には引けないのでテキトーにお祓いをしてみる。
誰も教えてくれなかったので我流だ。
即興とも言う。
あ・そうれ、それ。
「神の力により悪霊は祓われました」
にっこり笑ってみせる。心は痛まない。
「ありがとうございます、巫女様!おかげで助かりました!」
「では、その神への感謝の気持ちを現金に・・・」
「本当に助かりました! また何かあった時はよろしくお願いします!それじゃあね!またね!ばいばい。さよなら」
・・・・・・閉店ガラガラ。
神への感謝の気持ちは扉の奥へと消えていった。
やはり心は痛まない。
・・・どうにも信仰心が薄いようだ。別の手を考えよう。
というわけで蕎麦屋でバイトを始めた。働くのは癪だが背に腹は代えられない。
私はどこかの姫とは違うんです!今や巫女も掛け蕎麦持ってくる時代だよ!
そんなこんなで順風満帆なバイト生活がスタートするはずだったんだけど、
あれ?何?やだ!?
視線を感じた気がするわ!
私の腋が視線で汚された気がするわ!!
「テメェ何、ジロジロみてンだよ!」
「えっ?何ッスか?何も見てないッスよ?」
「うるせぇ!何か視線を感じた気がするんだよ!よーし!お前、後でちょっと来いや」
・・・・・・。
バイト仲間の平助(仮)は
その日のうちにバイトを辞めてしまいました。
ちょっとしたコミュニケーションのつもりだったんだけどな。
難しいものだ。
・・・彼には悪いことをしたな。
心は少し痛んだ。
・・・あ・私泣けたんだ。
夜、神社に帰ると萃香が一人で酒を呷っていた。
つーか酒臭ぇ。一体、何本飲んでんだよ。
なにやら絡んでくる酔っぱらいを、鬱陶しいので右から左に受け流し、お賽銭箱を見ることにした。
見なかったことにした。
「・・・ふぅ」
縁側に座り一息つく。
私は今日のことを思い出していた。
・・・・・・。
ロクなことしてないな、私。
何してんだろう。
何がしたかったんだろう。
私がこんなじゃあ、お賽銭なんて入るわけないよね。
信仰なんて集まるわけもない。
本当、何してんだろう。
でも、
それでもきっと、私は私を変えられないんだろう。
難しいものだ。
・・・本当、難しいものだ。
隣にはいつの間にか萃香がいた。
やはりまだ酒臭い。
ふと空を見上げてみる。
そうか、今夜は満月か。
月の光が頬を照らす。
少しだけ、眩しかった。
「ねぇ、萃香。・・・・・・なんか私、ちょっと疲れちゃったかも。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・zzzzzzzzzzzzzzzz」
・・・萃香はすやすやと寝息を立てていた。
なんか馬鹿らしくなってきた。
「私も寝よう」
考えるのは明日にしよう。
おそらく覚えてなんかないんだろうけど。
私はきっと、そんな感じでいいんだろう。
そういうことにしておけばいいんだろう。
「でも、・・・・・・いいのかな、こんなんで」
「・・・・・・・・・・・・。いいんだよ」
・・・どうやらそれで、
いいらしかった。
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