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第1章
第59話 猫耳は萌えアイテムの1つ
 
 文化祭2日目
 2日目は1日目の小雪が来ていたときよりは、やっぱり少ないがそれでも人の数は文化祭らしく、いつもより人が多い
 俺は特にやることが無いので、ぶらぶらと色んなお店を回ったりして時間を潰していた

「楓太くんじゃないか」

 チョコバナナを食べながら歩いていると後ろから沙羅さんが話かけてきた

「千夏が探していたぞ」
「1人の時間も大切にしたいんですよ」
「ほぅ。そういえば私たちの店にはまだ来てないんだろう?」
「はい。いつも人でいっぱいなんで」
「なるほど。それじゃ私の権限で入れてあげるよ」
「いや、結構ですよ。行きたいとも思わな・・・」
「まぁ、行こうじゃないか」
「ちょ!」


 沙羅さんは俺の手を取って、引っ張っていく
 そして、周りの男子生徒からはチィ姉の時と同じ感じの視線を俺に向け睨んでくるが、女子生徒も睨んでくる人がかなりいる

「あの・・・すごい睨まれてるんですけど・・・」
「慣れているだろう?」
「女の人からは・・・」
「あ~私のファンだそうだ。それより着いた」

 俺と沙羅さんは15人ぐらい並んでいる列の前にあるドアの前に立っていると、ドアが開く
 そして、教室から出ていく人と猫耳をつけた女子生徒が出てきて、沙羅さんの存在に気が付いた

「あ、沙羅。もう時間?」
「いや、客を連れてきた」
「お客さん? あ~九十九くんか。ラジオ楽しませてもらってるよ」

 猫耳を付けた女子生徒は俺の方を見て、ニコっと笑った
 俺は頭を下げる

「先に入れさせてもいいか?」
「ん~・・・いいよ。1名様入りまーす」

 列に並んでいる人たちがザワザワしていたが、沙羅さんがその人たちを見て、ニコっと笑うと列に並んでいる人たちは満足したのか、どうぞっと言ってくれた
 俺はその風景を見ていると後ろから沙羅さんと猫耳を付けた女子生徒が押すように教室の中に入れさせられる

「いらっしゃいませ~」

 中に入るとチィ姉が猫の着ぐるみを来ていた

「あっ!!ふ!」
「千夏先輩、なにしてんですか?」
「ふ、楓くん。いらっしゃいませ。こちらにどうぞ~」

 何とか「ふーちゃん」と言われることを防ぎ、俺は端の方の席に促される
 そして、席に座るとチィ姉が小さい声で話かけてきた

「来てくれたんだ」
「沙羅さんに無理やり連れてこられたんだよ・・・それよりその格好何?」
「猫さんだよ。かわいいでしょ」
「・・・よくそんな着ぐるみ見つけたね」
「えへへ~。それより何頼む?」

 メニューを見ると喫茶店らしく、コーヒーを頼む
 するとチィ姉は厨房みたいな所に行って、コーヒーを持ってきた

「はい、ブラックでいい?」
「うん」

 コーヒーを受け取って飲んでみると、かなり美味しい
 チィ姉は俺の前の席に座り飲む姿を見ながらニコニコしている

「あの・・・仕事しなくていいの?」
「いいのいいの。沙羅が楓くんと話してて良いって言ってくれてるし」
「いや、俺が嫌なんだけど・・・すごい殺気を感じるから落ち着かない」
「美羽ちゃんとは2人きりで遊んだのに私とは嫌なんだ…」
「あれ?知ってるんだ」
「沙羅が教えてくれたんだ」
「ふ~ん」
「それより、どうだった?美羽ちゃんの制服姿」

 チィ姉は興味シンシンらしく、早く言えと言った感じで俺の方を見てくる
 俺は少し考えてみたが言えることは1つだけだった

「なんというか・・・高校生には見えなかった」
「あはは、そりゃまだ中学生だもん」
「まぁ・・・そうだね」

 中学生にも見えないって言いそうになったが、いくらここに美羽がいないからってそれを言うのは気が引ける
 俺はコーヒーを味わいながら飲み干した

「それじゃそろそろ家に帰るよ」
「もう帰るの?」
「ほとんど回ったし、もういいかなって。それじゃ頑張って」
「うん」

 俺はチィ姉と分かれて、家に向かって歩き出した
 さっき飲んだコーヒーの香りが口の中に残っていて、あれはたぶん沙羅さんが持ってきた高級な豆か何かだろうと思いながら家に帰っていった


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