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第1章
第39話  ラララ、ラブラブ、ラブレタ~♪
 
 放課後、音楽室に来てください。待っています。
 
 雨がよく振る季節も過ぎて、夏休みも近づいてきた頃に俺は靴箱の中に手紙が入っていた
 文字の形は女の子っぽい可愛らしい字で可愛らしい紙に書いてある
 
「・・・・」
「それ何?」
 
 しばらく手紙を持ちながら考えているとチィ姉が横から話しかけてきた
 チィ姉は少し厳しい顔をしていたので、とりあえず手紙をポケットの中に隠す
 
「ねぇ、なんで隠したの?」
「なんとなく・・・それじゃ」
「あっ・・・」
 
 後ろの方で何か言っているチィ姉をほっとおいて、早歩きで教室に行き自分の席でさっきの紙を見る
 内容をもう一度読んでみたが、とりあえず放課後に来いということだ
 しかし、どこにも名前が書かれていない
 
「おはよう、楓くん。それ何?」
「ん?あ~これ。はい」
 
 悠斗に手紙を渡し、反応を見ていると驚いた感じで返してきた
 
「ラブレターだね、初めて見たよ」
「俺もラブレターなら初めてだよ」
「あはは、それ行くの?」
「ん~・・・行っておこうかな。名前書いてないけど本当に待っててくれたら悪いし」
「そっか、でも星井先輩はそのこと知ってるのかな?」
「知ってるよ、さっきからずっと携帯が震えてるから」
「あはは、きっと心配なんだよ」
「俺の親か・・・」
 
 結局、授業が始まるまで着信10件、メール15通という嫌がらせレベルまで達したので電源を切った
 そのあと休みごとに俺の教室まで聞きに来る可能性があったので授業が始まる前にチィ姉に“なんでもない、教室に来たらもう俺の部屋に入れさせない”とだけ送っておく
 
「それじゃ頑張ってね、楓くん」
「告白ってことを願ってるよ・・・」
 
 俺は音楽室に期待しながら向かう
 普段はカギが閉められている音楽室なのだが、ドアが開いていて中に入ると誰もいない
 適当に窓の近くの椅子に座り、帰っていく生徒を見て暇をつぶす
 
「・・・・あ」
 
 校庭でキョロキョロ何かを探しているチィ姉を見つけた
 向こうからだと夕日が窓ガラスに反射して俺の姿は見えないだろうけど・・・それにしても、あの獲物を狙うような目はどうなんだろう・・・
 周りの人達はその姿を見てどう思ってるんだろう。鬼?悪魔?・・・んなわけないよなぁ
 あれもまた美化されて可愛いとかカッコいいとか色々言われるんだろう・・・とか色々考えてながら携帯の電源を入れる
 携帯の待ち受け画面には17時と表示されていた
 
「ふぅ・・・もう少し待ってるかな」
 
 家に帰っても特にやることがないし、帰ったら帰ったでチィ姉に問い詰められるに違いない
 俺は携帯でニュースや気になったことを調べたりしながら時間を潰していると、ブルブルと携帯が震えだす
 そして、画面には千夏と書かれていた
 
「・・・なんでしょう?」
「どこ!!!」
「っ・・・声大きい」
「ど~こ~」
「それじゃヒントをあげるよ、夕日が見えます。じゃあね」
 
 そう言って電話を切る
 俺は校庭の方を見るとチィ姉は携帯を持ちながらキョロキョロしている
 そして、俺の携帯が再び震えだした
 
「どこ!!!」
「だから声大きい・・・何?ヒント欲しいの?」
「場所教えて!」
「それじゃ今日は俺の布団に入ってこないって約束ね」
「うぅぅ・・・」
「わかった?」
「うん・・・」
「第2ヒント、俺からはチィ姉が見えます。頑張ってね」
 
 電話を切って校庭のチィ姉の様子を見ると辺りを見回しながら頭の上に?が出ている顔をしている
 そして、チィ姉は校舎の中に入っていった
 それにしても・・・このまま誰も来ないんだろうか
 
「はいはい、第3ヒント欲しいの?」
 
 あれから3分ぐらい経ってチィ姉から電話が来た
 
「それじゃ今日から俺の部屋に無断で入らないこと約束ね」
「今日だけ」
「嫌」
「2日間」
「短い」
「・・・3日間」
「・・・・」
「うぅぅ・・・4日間!」
「しょうがない・・・それじゃ一回しか言わないからよく聞いてね。第3ヒントは・・・ん~・・・大ヒントにしてあげよう。カール・ツェルニー、フェルディナント・リース、ルドルフ大公、3月26日は楽聖忌だよ。それじゃ頑張って」
 
 電話を切って音楽室の後ろの方を見る
 ヒントの3月26日は楽聖忌
 それは後ろに飾っている絵の1人 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの命日で、楽聖とはベートーヴェンの別名で3人の名前はベートーヴェンの弟子だ
 
「・・・さぁってと・・・やっぱりイタズラだったか・・・帰ろ」
 
 予想通り、イタズラっぽいのでチィ姉に見つからないように荷物をまとめて音楽室から出ようとするとドアがガラっと勢いよく開いた
 
「見つけたっ!!!」
「早いな・・・悩むと思ったんだけど」
 
 チィ姉は見つけた俺に勢いよく抱きついてきた
 それも普通に抱きつくのではなく、恐ろしく締め付けてくる
 
「く、苦しいぃ・・・は、離して・・・」
「今度こそ逃げ出さないようにしないと!」
「逃げ出さないから・・・ほ、本気でヤバい・・・」
 
 目の前がクラクラし始め、立っているだけでも奇跡的だ
 そろそろ目の前が暗くなり始めた頃に解放され、体の中に酸素を送り込む
 
「はぁ・・・はぁ・・・よ、よくわかったね・・・あのヒントで」
「前の3人はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの弟子、特にルドルフ大公は最大のパトロンだよ。あと3月26日の楽聖忌はベートーヴェンの命日だね」
「さすが・・・無駄知識まで豊富です」
「えっへん」
 
 チィ姉は腰に手を当ててどうだっ!と言う感じに俺の方を見てきた
 
 
タイトルの元ネタを分かった人はすごい(笑)
ヒントは「あ○まん○大王」
もし、当たった人は・・・特に何もありません。


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