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第2章
第24話 脅迫罪と言うより強要罪
 

 GW2日目の朝
 俺はホテルを出て、もう1つの約束を果たすためにある場所に向かった
 約束と言っても向こうの一方的なやつだし、言い方を変えればただの脅迫
『GW2日目、地図の指す場所に来い。さもなければ楓太くんの家を爆破する』
 今回を入れて、2回目の脅迫
 もしかすると、裁判をすれば勝てるかもしれない・・・

 俺はそんなバカなことを考えながら地図の指す場所へと向かっていた
 そして、近くまで来ると1人、俺を見つけてこっちに来いと手招きしてきた

「来た来た。楓太くんこっちだ」
「あれ?なんで沙羅さんがここにいるんですか?」
「なんでとは?」
「いや、悠斗からチィ姉のマネージャーしてるって聞いてましたから、悠斗が待ってるのかと思ってたんで」
「あ~、悠斗は私の仕事を任せた。というより、千夏のマネージャーは悠斗より私の方が適任だろう」
「ん~・・・まぁ友達ですからね。それで?なんで俺の家は爆破されないといけないんですか?」
「まぁここではアレだ。こっちに」

 沙羅さんはそう言って、人ごみの中に入っていく
 そして、しばらく付いていくとテントの中に凄く眠たそうな、半分寝た状態のチィ姉が椅子に座りながらコクコクと頭を揺らしていた

「まぁ見てわかる通りだ」
「いやいや、何にも分かんないです」
「要するに私はこれから別の仕事ができたから代理マネージャーの君に任せる」
「え?」
「ん?聞こえなかったのかな?」
「いや、聞こえてましたけど、いつ俺が代理マネージャーになったんですか!」
「いつかだったか小牧さんが言っていたよ。なかなか仕事のできる代理マネージャーができたって」
「俺は代理じゃないです」
「とりあえず、これは今日、明日の千夏のスケジュールだ。あとは・・・・まぁ君の独断に任せる」
「ちょっと!!!」

 沙羅さんはそう言って俺の肩を叩くとテントの中から出ていった
 俺は沙羅さんを追って外に出ると前に車を止めていたのか、沙羅さんは車に乗ってニコッと微笑んで走り出した
 俺はその車を見ながら、もう身体の底の更に底から深いため息を吐く

「はぁぁ・・・任せるって言われても・・・・・・」

 チィ姉はどうか知らないけど、俺は表面にこそ出さないけど、あの気持ちをまだ少し引きずってる
 しばらく悩んだ結果、後で多額の報酬を貰うと言うことで自分自身を納得させ、沙羅さんから渡された手帳の中身をみる

「うわっ・・・なにこのスケジュール・・・・・」

 千夏のスケジュール帳を見ると15分ペースで埋まっていて休憩なんてほとんど無い
 今から10分後には生中継の番組に出て、それが終わるとすぐ別の局の番組に、そのあとは歌番組の撮影、雑誌のインタビュー、ドラマの撮影などが今日1日に凝縮されて入っている
 俺が代理マネージャーとしてやる2日間でチィ姉がちゃんと寝れるのは、上手くいって2時間。あとは移動時間
 ドラマの撮影が遅れると思うから寝れるか寝れないかって感じだろう
 俺はチィ姉の凄さを思い知りながら、テントの中に入る

「すぅ・・・すぅ・・・・」
「チィ姉」
「んん・・・すぅ・・・」
「チィ姉、起きて。仕事だよ」
「んん・・・んあ?」
「あともうちょっとで撮影が始まるから起きて」

 チィ姉はうっすらと目が開いて、キョロキョロを辺りを見回し、ここがテントの中ということに気が付くとスイッチがONになったように立ち上がった

「あれ?なんでふーくんが?」
「沙羅さんに他の仕事が入ったらしいから代理で俺がやるの。ここ跳ねてる・・・とりあえずゴムでまとめて誤魔化そうかな・・・。チィ姉座って」
「え?あ」

 チィ姉を椅子に座らせてから、櫛で梳かし、ヘアゴムで後ろの跳ねた髪を誤魔化すためにまとめてポニーテールみたいにする

「・・・まぁ跳ねて出るよりはマシでしょ。はい、行くよ」
「あ、うん」

 チィ姉の手を引いて撮影会場に行くと、すでに中継は始まっていた
 俺とチィ姉は急いで近寄ると、ちょうどチィ姉の出番だったのか呼ばれる
 チィ姉は少し深呼吸してから元気よくカメラの前に立った



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