バレンタインデー……それは、愛する人に愛を送る為の日
バレンタインデー……それは、愛する人に愛を送られる為の日
バレンタインデー……それは、友達みんなでチョコを渡し合う為の日
バレンタインデー……それは、甘いお菓子を貰う為の日
そんなことを考えている君たちは本当のバレンタインデーって言うのを分かってないね
バレンタインデー……それは、“悲しい男たち”に殺人的なダメージを与える一日なんだよ!!!!!
山田
「っと言う訳で!! 本日はみんなでチョコパーティーをしたいと思いますっ!!!!」
田中
「イエェェェェェェイッ!!!!」
佐藤
「えちょ、なんだこの盛り上がり様は? つーかどう言う訳なんだよ?」
山田
「佐藤君、せっかくのパーティーなんです。空気を読んで盛り上がろうじゃありませんか」
田中
「空気を読めない奴は社会に取り残されるぞ!」
佐藤
「いや、訳が分からないし……つーか今日は勉強会をするって聞いて来たんだが……」
田中
「あ、ごめん。それ嘘」
佐藤
「お邪魔しました〜」
山田
「あ、ちょ! 待って佐藤君! 勝手に帰ろうとしないでください!」
田中
「そうだ! せめて退会金としてチョコだけは置いていけ!」
佐藤
「うるせぇ! こっちとらテスト前で勉強に忙しいんだよ! チョコパーティーなんかてめぇら二人でしてろ!!」
山田
「まぁそう言わないで、パーティーの後に学年二位の僕が勉強を教えてあげますから」
佐藤
「…………それなら居といてやるよ……」
田中
「あ、じゃ次いでに学年一位の俺も教えてやんよ!」
佐藤
「相変わらずその順位納得いかねぇ!!!!」
山田
「さてと、それではまず始めに挨拶をさせていただきます」
田中
「イエェェェェェェイッ!!!!」
佐藤
「わーいわーい(棒読み)」
山田
「ゴホン……えぇー今日がなんの日か分かりますか? 佐藤君?」
佐藤
「え? いや、わかんねぇけど?」
山田
「……はっ、この無知野郎が」
佐藤(うわ、山田って何気に黒い)
田中
「俺は分かるぜ! 今日はバレンタインデーの次の週の休日だ!」
山田
「よく分かってますね田中君。流石は僕の他人以上友達未満の関係の方です」
田中
「ははは、そんなに誉めんなって」
佐藤
「明らかに誉められてないぞお前?
つーかバレンタインデーの次の週の休日だからって何かあるのか?」
田中
「…………はぁ……パーティー参加者だってのに分かってないないなお前は……」
山田
「全くです……こんなんだからテストの順位が下から数えた方が早いぐらいの点数しかとれないんですよこの馬鹿が……」
佐藤
「お前らが無理矢理引き留めたくせに酷い言い様だな」
山田
「バレンタインデーの次の週の休日……それは男がチョコを買い占めても痛く見えない日です!」
田中
「これはテストに出るから良い子の皆は覚えとけよ!」
佐藤
「出ない出ないって」
山田
「っと言うことで今日はチョコを大量に買い占めて来ました!」
田中
「ヒャッホォォォォイッ!!!!」
佐藤
「うわ……軽く段ボール二箱分ぐらいないかこれ?」
山田
「この日のためにお小遣いを貯めてましたからね……」
佐藤
「もっと別の使い道があるだろうが……」
田中
「五月蝿い! 俺たちブサイク組は誰からももらえなくて餓えてるんだよ!!」
山田
「そうです! 眼鏡をかけているってだけで暗いキャラ扱いするのは納得いかないんです!!」
佐藤
「それはバレンタインデーと関係なくね?」
山田
「うるせぇ! 世の中の雌豚皆死ね!! 眼鏡に埋もれて皆死ね!!!」
田中
「うわ! 馬鹿っ! 早く止めろっ! 山田は一度暴れたら取り返しがつかないことになるぞ!!」
佐藤
「山田ってこんな奴だったんだ……」
山田
「やぁ先程は失礼しました。
少し、取り乱してしまいましたね」
佐藤
「うん。少しってレベルじゃないと思うぞ」
田中
「そんなことより……フヒ…フヒヒヒ……チョコを食おうぜ!」
山田
「そうですよ! せっかくのパーティーなんです! 佐藤君も遠慮しないで食べてくださいね」
佐藤
「あ、一応チョコは食っていいんだ。じゃ頂きまーす」
山田
「代金はホワイトデーの時に三倍返しですけどね」
佐藤
「ご馳走様でしたー」
田中
「ちょw山田ww嘘つくなってwww」
山田
「え?」
田中
「え?」
山田
「……まぁ嘘なんですけど」
田中
「ですよねー」
佐藤
「とんだ茶番だな……そんなことより確か加東も呼ばれてた筈なんだがまだ来ないのかあいつ?」
山田
「………………」
田中
「………………」
佐藤
「……どうしたんだ? 急に黙り込んで?」
山田
「…………あの人は裏切り者です……」
佐藤
「は?」
田中
「死ね!! 幼馴染みルートをめでたくクリアしたイケメンなんて死ね!!!」
佐藤
「あぁー……そういやあいつ最近彼女出来たんだったな……」
山田
「裏切り者にパーティーに参加する資格はありません。
……佐藤君はもちろん僕たちの仲間ですよね?」
佐藤
「お前達の仲間になりたくはないが……まぁ本命は貰ってないな」
田中
「よし、とりあえず死ね」
佐藤
「ちょ! 何故に!?」
山田
「“本命は”……つまり義理は貰っていたのですね……」
佐藤
「え……? もしかして……」
田中
「そうだよコノヤロウ! 俺たちは義理さえも貰ってねぇよ!!」
山田
「よし、今すぐ代金を返して下さい、もちろん三万倍返しで」
佐藤
「いやいやいや、貰ったって言っても母親からだぜ?」
田中
「佐藤! やっぱりお前は俺達の仲間だ!!」
山田
「疑ったりしてすみませんでした!!」
佐藤
「あぁーもぉー! 面倒くさいなてめぇら!!」
〜〜一時間後〜〜
佐藤
「……なぁ、そろそろ飽きてきたんだけど」
田中
「五月蝿い……それ以上喋るな……」
山田
「そうです……このチョコパーティーはチョコを全て食べきるまで行うものなのです……」
佐藤
「じゃあこんなに一杯チョコを買うんじゃねーよ……」
山田
「だって! 一度はチョコを大人買いしたいじゃないですか!」
田中
「そうだ! 貴様には男のロマンが分かってね……ブヒャァァァァ!!!!」
山田
「あぁ! 田中君! そんなにテンションを上げたら鼻血が……ブゥゥゥェェェェ!!!!」
佐藤
「ちょ! そんな汚い効果音と共に鼻血を出すなょ……ブリャァァァァ!!!!」
山田
「うぅ……皆さん……無事ですか……?」
田中
「無事ではない……誰か……血を……」
佐藤
「なんと言う地獄絵図……部屋一面が血だらけだ……」
田中
「あはははは、血が止まらないや」
山田
「…………そろそろ勉強でも始めませんか……?」
田中
「…………そうだな……」
佐藤
「はぁ……やっと勉強できる……」
――ピンポーン
佐藤
「ん? 誰か来たみたいだぞ?」
山田
「ちっ、せっかく勉強を始めようと思ったのに……田中君、行ってきなさい」
佐藤(うわ、黒い山田が降臨しなさった)
田中
「仕方ないな……はーい、どちら様ですかー?」
佐藤(こいつも慣れてやがる!?)
――ガチャ
田中
「なっ!? き、貴様は!?」
??
「え?」
田中
「隊長!! 裏切り者がノコノコと現れましたぜ!!」
??
「裏切り者!?」
佐藤
「もしかして……」
山田
「加東さん……何の用ですかね?」
加東
「何の用って……確か僕も呼ばれてたはずなんだけど……」
佐藤
「あ、やっぱり加東か」
田中
「“裏切り者は来なくていい”……昨日そうメールを送っておいたはずだ!」
山田
「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!!! 彼女持ちなんて! 彼女持ちなんて死んでしまえばいいんですよ!!」
佐藤(うわぁ……こいつら妬みすぎだろ……)
加東
「裏切り者は言い過ぎでしょ……って言うかやっぱり今年もやってたの……?」
佐藤
「今年も?」
加東
「あ、佐藤君。今年は君も呼ばれたんだ」
佐藤
「…………もしかしてこの大惨事は去年も……」
加東
「うん、やってたよ。因みに参加者は僕と山田と田中の三人だけ
……去年にあれほど貧血で死にかけたのにまだ懲りてないの?」
山田
「過ちは繰り返すものなんですよ……」
佐藤
「いや、繰り返しちゃダメだろそれは」
山田
「五月蝿い! 毎年毎年チョコを貰えなかったら嫌でも繰り返したくなるものなんです!!」
加東
「全く……そんなのだから彼女ができないんだよ……」
田中
「うるせぇ! てめぇは彼女に貰ったチョコでも食って鼻血出して死んでろ!!」
加東
「まぁまぁ、そう言わないでさ。今日はお土産があるんだよ」
佐藤
「お土産?」
山田
「ほぅ? 物によっては受け取ってやろうではないですか」
佐藤
「いや、お前何様だよ」
加東
「大丈夫だよ、絶対に君たちが喜ぶものだから
……じゃ入っていいよー」
??
「遅い! いつまで待たせる気よ!?」
佐藤
「ん? この声は……」
田中
「ま、まさかお前!?」
??
「あら、田中。相変わらず太いわね……もう少し痩せたら?」
山田
「毒舌女王こと香野!?」
香野
「誰が毒舌女王よ!?」
佐藤
「もしかして加東に出来た幼馴染みの彼女って」
加東
「うん、香野だよ」
香野
「なっ! アンタなに勝手にこんな奴らに教えてるのよ!?」
加東
「え? なにか悪いことした?」
香野
「悪いことしまくりよ!! 大体私達の事は暫く内緒にしてってあれほど言ったのに……」
加東
「いいじゃん。早くみんなに知られた方が堂々とイチャイチャできるんだし」
香野
「いっ! イチャイチャとか言うな〜!!」
加東
「ははは、怒ってる顔も可愛いな」
香野
「う゛ぅ゛〜〜〜バカッ!」
山田
「………………」
田中
「………………」
佐藤
「………………」
山田
「…………あの人たちを血祭りにしたい……」
田中
「…………うん……」
佐藤
「…………今回だけはお前たちと全く同じ意見だ……」
加東
「あれ? どうしたの皆? そんなに暗い顔をして」
佐藤
「自分の胸に聞いてみるんだな……」
加東
「……?」
山田
「……で、貴方は態々私達の傷口を抉るために彼女を連れてきたのですか……?」
加東
「そ、そういう訳じゃないよ!」
田中
「じゃあどういう訳なんだよ! 自慢なら他所でやって来れコノヤロウ!!」
香野
「五月蝿いわね……人が折角チョコを持ってきてあげたって言うのに……そんなに邪魔なら帰るわよ?」
田中
「あぁー! 帰れ! かぇ……えっ?」
山田
「チョコを……持ってきた……?」
加東
「そうだよ。どうせ今年も馬鹿なことをやってるんだと思って香野に頼んで作って貰ったんだよ」
香野
「べ、別にアンタ達の為に作ったんじゃないわよ? 加東な頼まれたから仕方なくなんだからね!」
佐藤
「ツンデレ乙。……って言うかその話はマジか?」
加東
「あぁ、マジ中のマジだ」
香野
「人数分作るの大変だったんだからね……感謝しなさいよ!」
山田
「…………田中君、自分の頬をつねってみてください……」
田中
「(ギリリリ…)……凄く、痛いです」
山田
「……と言うことは、これは現実?」
山田・田中『ヒャッホォォォォォイ!!!!』
佐藤
「こいつら分かりやすすぎだな……」
加東
「全くだよ……」
香野
「…………キモッ……」
山田
「キモくて結構! そんなこと自覚してますよ! そんなことより……」
田中
「 チ ョ コ く れ よ ! ! 」
香野
「分かったわよ……渡すから静かにしなさいって……はいっ」
山田
「ふっ……これが義理チョコと言うものですか……美しい色ですね……」
香野
「カッコつけるな眼鏡が! はいっ、次」
田中
「フヒッ……フヒヒヒ……初めての義理チョコだ……!」
香野
「豚みたいに笑ってんじゃないわよデブが! っで、次」
佐藤
「あ、俺ももらっていいのか?」
香野
「当たり前でしょ、人数分作ったんだから」
加東
「って言うか佐藤君なら義理ぐらい貰ったことあるんじゃないの?」
佐藤
「…………いや、実はいつも断ってるんだよ……」
加東
「えっ?」
香野
「何でよ? 折角作ってきたのに可哀想じゃない?」
佐藤
「だってさ……小遣い少ないしホワイトデーに返せないんだよ……
中学生の頃クラス中の女子達に貰って破産したからな……」
加東
「あぁー……」
香野
「確かにアンタって馬鹿の癖に実はモテてるからね……」
佐藤
「馬鹿は余計だ、馬鹿は」
加東
「でも、じゃ何であの二人に仲間意識持たれてるの?」
佐藤
「流れ的に言えなくなったんだよ……」
山田
「チョコ……何て美しい響きなんでしょうか……」
田中
「フヒヒヒ……フヒヒヒヒヒヒ……」
香野
「確かにあの二人にその事を言ったら殺されそうね……」
佐藤
「だろ?」
山田
「さて! それでは田中君! 佐藤君!」
田中
「はいよ!!」
佐藤
「え? なに?」
山田
「今日のパーティーはこのチョコを食べて終わらせましょう!」
田中
「イエッサー!!」
山田
「では行きますよ! せーのっ!」
田中
「レッツイッティーング!!」
佐藤
「へ? あ、ちょ! お前ら待……」
――ガブッ
……………………………
山田
「フベルワァァァァッ!!!!」
田中
「ブゥヒィィィィィッ!!!!」
香野
「キャァァッ!!?」
加東
「うぉぉぉぉぉっ!!?」
佐藤
「遅かったか……」
香野
「え!? なっ! 何が起きたの!?」
加東
「まさかこれは……!?」
佐藤
「あぁ、チョコの食い過ぎだな。さっき出したばっかりなのにこの馬鹿……」
山田
「うぅっ……」
加東
「待って、もう喋っちゃダメだよ。
とりあえず去年みたいに救急車読んでおくからさ」
佐藤
「去年も救急車のお世話になってるのかよ……」
山田
「…………香野さん……」
香野
「ヒッ!? な、何っ!?」
山田
「…………ナイス縞パ」
香野
「どさくさに紛れてパンツ見てんじゃねぇぇぇぇぇっ!!!!!」
山田
「ぐふぉぉぉぉっ!!!!」
佐藤
「ナイスキック」
加東
「あ、すみません。一名の症状が負傷に変更です」
電話
「はっ?」
こうしてバレンタインデー後のチョコパーティーは幕を閉じるのであった……
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