テイルズオブミクリヤ〜第三章〜鮮血縦書き表示RDF


多少グロテスクな表現を貫きます
テイルズオブミクリヤ〜第三章〜鮮血
作:勇者


ただならぬ雰囲気が勇者ナズチ一行を包み込んでいた


『……ど、どうすれば…』


近藤が呟いた、無理もないこのメンバーの中で近藤だけが闘いを経験していない


『……まてよ!?あいつの両手は…』

ナズチがなにかに気付いた


『あぁ…お前も気付いたか』


ケンクもなにかに気づいている


『両手って…ただの手袋じゃないですか?』

『その手袋をよく見てみろ』


近藤はよく目をこらし手袋を見た


『………あれは』


『わかっただろう?あれは手袋じゃない、メタルフィストだ』


『メタルフィスト…』

メタルフィストとは、一見ただの手袋だがその中に鋼の板が何枚も埋め込んであるグローブのような物だ


『村長め……味な真似しやがる』



『なら…ナズチ!俺に考えがある』

と、ケンクは何やらナズチと話し合い、なかま達に言った


『気配を探って見たがこいつの他にまだ敵が迫ってきてるみたいだ!だからそっちにナズチが向かうことになった』


パーティの雰囲気がどっとかわる


『そ、そんな…』

近藤は不安そうに

『ケンクさん!何を言っているんですか!?ナズチさん抜きで倒せる相手じゃないですよ!それにあっちの敵もナズチさん一人で倒せるんですか!?』


近藤の言い分は最もだ

しかし…


『大丈夫だ!向こうの敵もこいつ程強くないし、数もそう多くない…心配ごとはなにもない!それに、後ろの皆を見てみろ』


近藤は振り返った


そこには決意に満ちた表情のパーティ全員がいた


『ナズチさんなしでもやってやるよ』

と、昌也


『お前一人で闘う訳じゃない…全員一眼となって闘うんだ…いいな?』

と、ユーキ


『自分に自信を持て、お前は俺の直弟子だろう?』


『皆…』


『近藤!』


ナズチが言った


『俺の後を任せたぞ』

近藤は力強く頷いた


『じゃあ俺は行く』


と、ナズチは敵のもとへ走り出した


『とは言ったものの…どうするんすか?ケンクさん』


『どうすっかねぇ…』

『前衛…おれしかいませんよ?』


『あ!…』


近藤が声を漏らした


『しゃぁない…俺が前衛に入る、昌也、刀一本貸してくれ』


『しょうがないですね』

と、昌也は刀袋から一本抜き出し、ケンクに渡した


『とはいっても俺は前衛専門じゃないから主体は昌也だ』


『りょーかい…』


と、同時に昌也が飛び出した


即座に切りかかるが素早く手の甲で防がれ、空いた腹部に一撃を向けられる…しかしその攻撃は止められ後ろから切り伏せたケンクの刀の防御に回った


二人が同時に距離をとる


先ほどの戦闘時間に大詠師ユーキの栄昌が終わり、術が発動する


『グランドダッシャー!』


すると地面がひび割れ荒々しい岩石の刃が飛び出した


しかし青年はジャンプしてそれをかわしある程度の距離が生まれた


『あちゃー…こいつは予想以上だな』


ケンクが呟く


『ケンク!昌也!もう少し時間を稼いでくれ、これじゃあ中級呪文しか使えない…』


『んなこと言ったってなぁ?昌也』


『結構キツイですよ』

その光景に近藤はただただ唖然としていた


『やっぱり前衛は俺一人じゃないとやりにくいですね』


昌也が口にした


『どういうことだ?』

ケンクが食らいつく


『足手まといだっていうことですよ』


ケンクが昌也の胸ぐらをつかみあげた


『お前…』


『昌也!お前なにを!?』

『落ち着け』

近藤がさけんだのをユーキがとめた


『どうして!?』


『いいから黙るんだ』

昌也は挑発するように言った


『さっきだって、おれひとりならまだましな防御が出来たのに』


『テメェ…』


ケンクの表情が強ばった


『前衛…ならね』


『?』


昌也は淡々と言う


『やっぱりケンクさんには剣は似合わない』

昌也が乱れた胸ぐらを直す


『最大呪文を唱えて下さいよ…それで決めますから』


『お前…』


『はやく!!』


ケンクは下がり二人に告げた


『昌也が時間を稼ぐ!その間に最大の連携で行くぞ』


『え?』

『いいからやるぞ』

ユーキが栄昌にはいる

それにつられ近藤も栄昌に入った


『昌也……』


ケンクは昌也の刀から鍔をとり、弓に装着した


『ぅあ……ぁああぁあああああ!!!!!』


近藤が右手を前に突き出し、魔力を込める

その先にはすでに1mほどの火の玉ができ、どんどん質量がましてゆく


一方大詠師ユーキは己の体を中心に現れた魔法陣に魔力をそそぎこんでいる


その魔法陣は二色に別れていて鮮やかな光を放っていた


そしてケンクは限界まで弓に力を注ぎ、同時に魔法栄昌を終了させた


『!?』


流石に青年もこの膨大な魔力に気づき、体制を建て直そうとする


『おっと、させないよ』


昌也が己の体で青年を取り押さえる


『出来ました!』


近藤の声が響いた


『こちらもだ』


ユーキも完成したようだ


『行くぞ!』


『絶対に…逃がさないよ』


昌也の腹部には青年からはっせらる幾多の鉄拳が食い込んでいた


『昌也!』


『やれぇぇぇぇ!!!!』

『ゆくぞ!大地に生まれし神の檻!グランドトリガー!!!!』


青年と昌也の回りに岩壁が取り囲み逃げ場を消したこの呪文は魔力を相当使う最上級魔法


『まだだ!エア・ブレイク!!』


さらに分厚い空気の壁を岩壁の檻の前につくる


そして


『地獄のマグマよ降臨せよ!!フレイムバースト!!!!』


近藤は赤黒くなった火の玉をケンクに向かって打ち出した


『いけぇぇぇぇ!!!!』

弓が放たれ火の玉を貫く、そして炎を纏った刀は空気の壁に突き刺さり炎を盛り上げる


『へへへ………死ぬときは一人で死にな』


すると昌也の下の地面に亀裂が入った


『グランドダッシャー!!!』


岩壁により昌也の体は檻から放り出される


そして刀はついに空気の壁を貫いた


『くらぇぇぇ!!!!!』


近藤が叫ぶ


『フレイム・インフェルノ!!!!!』


檻の中を炎の竜巻が包んだ



次回へ続く!


戦いはまだ続いている













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