♯4人目の訪問者
3人がこの事務所に着いてから10分程経ち、蘭とコナンは帰って来た。
事務所のドアを開けると、3人の大阪からの客が漸く落ち着いてソファに座っていた。
「ただい・・わっ!?」
なるべく子どものフリをして、コナンが驚いた様子で言った。
「和葉ちゃん! あ、この子が噂の莉乃ちゃんね?」
後から入ってきた蘭は驚く様子も無く、和葉と莉乃の側に駆け寄った。
平次は逆にコナンに近づき、
「よお」
と一言だけの挨拶をしている。
「初めまして!うち、澤田莉乃です!」
「毛利蘭です。何か、莉乃ちゃん想像と違うなあ」
蘭は笑顔で莉乃に言うと、まじまじと彼女を見た。
「ちょっと和葉!あんた何か言ったん?」
「別に何も言ってへんよ!」
蘭が想像する程自分の話をされていたのかと思うと、莉乃は少し恥ずかしくなった。
「でも、うちはこの子の話和葉から全然聞いてへんけど?」
横目で和葉を見ながら莉乃は言った。
和葉はドキっとして蘭に視線を移し、助けを求める様子を見せた。
「ごめんて莉乃〜!悪気とかは無かってんで?」
「そんな本気にならんといてやっ」
2人の遣り取りを、蘭は楽しそうに見ていた。
「ごめんなー蘭ちゃん。こんな調子で」
和葉が蘭に謝ると、彼女は 良いよ と一言返すだけだった。
「そういえば、和葉ちゃん」
蘭は2人の小規模な口喧嘩が終わった後に口を開いた。
呼ばれた和葉は彼女の方を振り向いた。
「最近どうなってるの? はっ・・」
蘭がそう言い掛けた時だった。
探偵事務所のドアが音を立て開いた。
皆の視線はそこに集中した。
「おじゃまします・・・」
入ってきたのは、哀だった。
「哀ちゃん! いらっしゃい」
蘭が一番初めに哀に向かって口を開いた。
「この子は?」
小声で莉乃は蘭に聞く。
和葉も哀の事は知らず、同じ様に蘭の方を向いた。
「この子は知り合いの博士の家に住んでいる、灰原哀ちゃん。今日はその博士が用事で家を留守にするみたいだから、私たちが今日1日預かる事になったの。」
蘭は簡潔に説明した。
和葉と莉乃だけではなく、平次も哀に軽く挨拶する。
「よろしく、哀ちゃん。あたし、遠山和葉!蘭ちゃんの友達やねん!」
「うちは澤田莉乃。よろしくなっ」
何度か言葉を交わしたり、コナンから話を聞いていた平次は、哀に挨拶以外何も言わなかった。
哀は、一言返事をしてからコナンに荷物の置き場所を聞いた。
さっき、哀が入って来る前に言い掛けた事を、蘭は続けようとはしなかった。
―・・ 最近どうなってるの?はっ・・
この続きを莉乃は容易に想像出来た。
最近どうなってるの?服部君とは
蘭は莉乃が平次を好きな事を知らない。
だからこの言葉は悪気が無い言葉なんだろうと莉乃にも分かった。
そう思っても、自分の気持ちは素通されてしまっているみたいで、少し辛かった。
和葉はライバルでもあるけれど、1番心配してくれる親友。
「莉乃?どうかしたん?」
だけどこの笑顔を見る度に思ってしまう。
和葉が大切なんや
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