♯飛行機
「本間すごい・・すごすぎやでこれ!!」
「澤田お前・・落ち着けや」
「莉乃、ちゃんと座りや」
伊丹空港をさっき出発したばかりの飛行機の中。
平次、和葉、莉乃の3人は、その飛行機に乗っていた。
「何でそんなに騒いでんの?飛行機初めてちゃうやろ?」
飛行機が上がって行く今、窓から外を見降ろしている莉乃に和葉が言った。
3人は、窓際から 莉乃 和葉 平次 と座っている。
「だってめっちゃ人や車が小さく見えるんやもん!修学旅行の時乗った飛行機、先生に言われて窓のカーテン閉められとったし・・」
言い訳っぽく莉乃が言うと、横から平次が口を挟んだ。
「大体、こいつを其処の席にしたんが、間違いやったな」
そもそも3人が此処に何故居るかというと、それは蘭の誘いのせいだった。
その誘いは、3人で東京に遊びに来ないか というもの。
蘭は莉乃に逢った事すら無かったが、和葉との電話で彼女の話になり、どうせなら連れて行こうと和葉が言いだしたのだった。
飛行機から下の景色が見えなくなると、莉乃は席に大人しく座った。
「それはそうと、和葉。何でうちまで東京に?」
莉乃が隣に座っている和葉に少し小声で聞く。
その声は、平次にも聞こえていた。
「あたしが蘭ちゃんに言ってん!連れてってもええか って。大人数の方が楽しいやろ?」
「それはそうやけど・・ うち連れてって良かったん?和葉は・・」
今度こそは平次に聞こえない声で言った。
「アカンなら誘わへんよ!高校生活最後の夏休みやもん、皆で楽しみたいやん!」
和葉は笑って言った。
この笑顔を見ると、莉乃は何でも納得してしまうような気がした。
「最後の夏休み・・か」
「9月からは就職・大学受験やら何やらで・・ 考えるだけで最悪..」
「地獄の受験シーズンその2って感じやわ・・」
がっくりと肩を落とす2人を、平次は笑い飛ばした。
2人は平次を睨みつけて文句を言い返した。
「あーあ・・。うちも服部みたいに頭よぅなりたいわあ・・」
嫌味っぽく2人はそんな事を繰り返している。
そんな3人を乗せて、飛行機は東京に向かっていった。
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