どうしてだろう。
朝が恐い。
朝、目が覚めたら、君が居なくなっている気がする。
朝、目が覚めたら、僕が居なくなっている気がする。
朝、目が覚めたら、幸せが無くなっている気がする。
朝、目が覚めたら、自分の知らない場所にいる気がする。
目が覚めて、僕は震えるんだ。
あの場所に、君が居ない。
あの場所に、僕が居ない。
あの場所にしか、幸せはない。
知らない場所には、幸せなんてない。
全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部………無いんだ。
僕には、何も残されていなかった。
あったのは、僕を幸せにしないものだけ。
あったのは、僕を否定するものだけ。
例えば、血に染まった大きな布。
例えば、いつか着ていた、黒の軍服。
例えば、君が持っていた、家紋入りの短刀。
例えば、僕が持っていた、オリジナルの拳銃。
全部、人殺しの証。
そうさ、僕は………俺は人を殺したんだ。
沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山沢山!
人殺しが英雄になって、英雄が殺人鬼になって、殺人鬼が殺人狂になって、殺人狂が幸せな人生をおくれるくらいに、俺は殺した。
だって、仕方がないじゃないか!
戦争なんだ!
殺したくないのに、殺したくないのにッ!!
俺は悪くない。
俺は悪くない訳ないけど、悪くないんだ。
俺は悪くない。俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない。
でもごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい………。
許してなんて………殺してなんて………幸せなんて………楽になりたいなんて………言えるわけ無いんだ。願う訳にはいかないんだ。
俺は、死ぬよりも、苦しさを恨みを憎しみを背負い………後悔と懺悔と贖罪をしなければならない。
だから生きたんだ。
だから死ななかったんだ。
おかげで、君に出会えたんだ。
そのせいで、僕は全てを無くしたんだ。
後悔と懺悔と贖罪は消え失せ、背負ったはずの苦しさに恨みに憎しみに飲み込まれ、僕は………俺はまた、あの連鎖を、繰り返す。
奪ったから奪われて、奪われたから奪う。
帰ってくることなどないのに、奪う。
好きなだけ奪え!
そうしたら、俺も奪ってやる!
その存在の証すら!
奪って奪って奪って奪って奪って、奪い尽くしてやる!
来い!
来いよ!
何を奪われたか分からない程に奪ってみろ!
そして奪わせろ!
俺から奪え。
あの恐怖を。
あの感触を。
あの温度を。
あの瞳を。
あの叫び声を。
あの絶叫を。
あの断末魔を。
あの、色を。
俺から、奪ってくれ………。
そうしたら何もいらない。
後は、何も………。
嘘だ。
何もいらないなんて嘘だ!
全部嘘っぱちだ!
殺したくない! 殺したくないんだ!
戦争は終わったのに!
なんで、俺はまだ殺してるんだ!?
あぁあぁあぁあぁあぁあぁ!
そうだよな! 今更だよな! 幸せなんてこんなもんなんだよな! 俺が手にしていいもんじゃなかったんだよな!
どれだけ後悔しても、どれだけ懺悔しても、どれだけ贖罪をしても、許される事じゃないんだ!
許してくれ、ごめんなさい、すまない、悪かった、本当は殺したくないんだ。
何度も。
何度も何度も何度も。
何日も。 何週間も。 何ヵ月も。 何年も。
呪文みたいに、馬鹿の一つ覚えみたいに、唱えたのに………。
許されないと知っていながら、尚、俺は願い続ける。
罪なんかじゃないんだよ。
貴方は、十分、苦しんだじゃない。
無理しないで。
大丈夫。
って………君は言ってくれたじゃないか。
言ったのは、君じゃないか。
あは。
へへへ………そぅさ、きっと俺にそんな事を言ったから、君は死んだんだな。
俺に血染めのマントを残して。
ははっ、赤いマントは勇者が着るもんだろう?
俺は人殺しだ。
勇者じゃない。
殺すぞ。
全部。
壊すぞ。
俺が裁かれる日が来るまで。
俺が何も考えられなくなる日が来るまで。
永遠に、刹那に、俺は生きる。 そして………殺す。
君のような希望が、世界を満たすまで。
俺は、赤で居続ける。
本当は、殺したくなんてないのに。
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