54:番外編[遊園地]
六月中旬。梅雨まっしぐらの今日この頃、二週間後は期末試験が控えているにも関わらず、生徒たちの間にはどこか弛緩した雰囲気が漂っていた。じっとりとした湿気と、初夏に差しかかり高まりつつある気温が、彼らから勤勉さを奪い取っているのかもしれない。
――とクロードは愚考する。
実際のところ、それほど勤勉な者はこの学校にはいないのである。勉強とはテスト前になってからするものであり、普段はあくまで"それなりの努力"でこと足りるはずなのだ。
その最も顕著な例が、目の前に寝転がっていた。
「校則は破ったらいけないよ」
「……それはお前の価値観だろ」
テメエの考えを押し付けるなよ、と朽葉悠斗はつまらなそうに呟き寝返りを打つ。
「でも、今朝のホームルームに出てないんでしょ?」
「ああ、そうだが?」
それがどうしたとばかりに平然と言い張る悠斗に、クロードは言うべき言葉が見つからなかった。
国立魔術アカデミーの男子寮は基本的に相部屋なのだが、この友人は上手く立ち回って相部屋を一人(現在は緋芽がいるので語弊があるか?)で使用しているのである。
大変厚かましい。が、それは別にどうでも良い。
「ねえ悠斗。君の今学期の単位の合計は?」
「えっと……月曜は魔法史、錬金学。で、水曜は魔術経済学、数学B、現代国語だから、合計で十二単位か?」
「はぁ!? じゅ、十二単位!?」
ちなみに、時間割表のひとマスが二単位である。
この学校は上級魔術理論と上級魔術実戦を所得すれば卒業できるので、悠斗のしていることに問題がある訳ではない。始業と終了のホームルームに出てさえいれば、担任は何も言わないのだから。
とは言え、最低でも二十単位は取っておくべきだろう。
これでは何のために学生をやっているのか分からない。
「……あのなぁ」
悠斗はクロードの悲鳴じみた声に耳を押さえた。
「お前だって一年の頃に"上級"取っておけば、今頃は楽ができたんだぞ。克己はともかく、お前にはそれだけの頭脳と技術があるだろ」
「そ、そんなこと……できたかもしれないけど」
でも、そんなやり方は邪道だとクロードは思った。
どちらかと言えば、クロードは努力型で悠斗は天才型である。元々非凡な才能を持つ二人であるが、取るべき手段は人それぞれで、悠斗は最短距離を突き進むのに対し、クロードは積み木を重ねるがごとく物事を進める。
石橋を叩く――と言えば聞こえは良いが、実際のところクロードには自分に自信がないのである。おそらく幼少の頃のトラウマが原因だろう。
こればかりは追求されては堪らないので、クロードは話の矛先を変えた。
「悠斗は姫川さんのこと、どう思ってるの?」
クロードは最近通学路で見かける少女のことを思い浮かべる。長い黒髪の楚々とした美少女で、どこか儚げな雰囲気を醸し出している姫川咲夜。
アカデミーと学園が合併したことで、学園の優秀な生徒がアカデミーに編入してきた。そのどさくさに紛れさせ、彼女を編入させたと悠斗は語っていた。色々と根回ししたのだろう。
「イマイチ理解できないのだが、お前は何を言いたい?」
「いや、えと……その、ねぇ?」
「ん〜、どうしたものか」
咲夜の名前を聞き、悠斗の視線が鋭く細められる。どうやら何か思案しているようだ。これは悠斗が思索するときの表情なのだが、見ている方は咎められているようで肝が縮む。
それが、女受けするらしいのだが――。
この点が、鈍感なクロードにはあまり良く分からない。
「規則に始まり、単位、咲夜のことね……」
「どうしたの?」
「……ああ、なるほど。そう言うことか」
ふと、悠斗の視線が緩んだ。
敵わないなとクロードは思う。この友人はどんなことでもあっという間に見抜いてしまう。クロードは生涯、彼に隠し事はできないだろう。
クロードは悠斗を"心配"しているだけだった。
「俺の周りの奴らは口を揃えて俺のことを"優しい"と持てはやすけどな。どうしてお前の優しさは話題に上らないのか、まったく理解できんよ」
「と言われましても……」
「そうだな。何なら適当な女をデートに誘ってみるか?」
理解者がいないなら、作れば良い。
悠斗は自分の意見を名案だと自賛しながら、ベッドから身体を起こした。
本が積み上げられた机の引き出しを開け、古ぼけた本を取り出す。それは、と訊ねようとするクロードを制して、悠斗は本を開いた。
どうやら栞にしていた紙片を抜き取ったらしい。
それは、二人用の遊園地のチケットだった。それも、二枚もある。
「そんな優しいクロード君に感謝し、これを進呈しよう」
悠斗は気恥ずかしそうに笑い、一枚をクロードに渡した。
「カップルを対象に販売されているチケットらしい。普通の入場券よりも少しオトクなんだとさ。商売上手な遊園地だと感心させられたが、不景気だからな。こうまでしないと経営を支えられないのだろう」
「これ、どうしたの?」
「克己に貰った。御剣の次男坊から何枚かせしめたらしい」
どうして御剣蒼夜が出てくるのだ、と言うクロードの質問を受け、悠斗は「魔法庁もお役所なんだよ。聞き込みを円滑にするため――賄賂みたいな使い方をしたり、取引先の顔覚えを良くするときに使うらしい」と脱力して答えた。
「それにしても、克己がどうして?」
「さあ? 副会長でも誘うのかね?」
悠斗は特に興味なさそうに呟くと、ベッドに寝転がった。
先ほどの古ぼけた本を開き、大きな欠伸をする。
もうそろそろ、潮時のようだ。クロードは頃合を見計らい、悠斗の部屋を辞した。
「このチケット、どうしよう……」
手に残った薄い紙を天上に向け、意味もなく光に透かしてみる。
溜息しか出てこなかった。
……誰を誘えと!?
†
クロード・キリングゲートは途方に暮れていた。
無難なところで妹か? いや、だが兄を毛嫌いしているあの妹が「うん」と頷く光景を思い浮かべてみろ。果たして生きて帰れるだろうか? 水魔術をぶっ放されるのは目に見えている。
遊園地……と言うことは、やはりデートなのだろう。
克己は――いや、男を誘うのはチケットの仕組みからNGである。
しかし、悲しいことにクロードの身近には女性がいないもので……。
姫川さんは悠斗の……何なんだろう? あのお姫様はなんだか苦手だな。まあ、誘える訳ないけどさ。えーっと、幽香先輩と沙希先輩はどうだろう?
中島幽香。あの無言で敵を焼き滅ぼす――。
……いやいやいや。
並々ならぬ恐怖もあるが、彼女は元々悠斗を敬愛(信仰?)している。クロードのことなんて道の脇に生えた雑草ぐらいにしか考えていないだろう。
どうしてあの友人はあんなにモテるのか、納得できないものがあった。
しかし、沙希はどうだろう?
彼女が悠斗と会話しているところを、クロードはほとんど目撃したことがない。お互いの実力こそ認め合っているようだが、それ以上は何もないのではないだろうか。あれは一線を引いた関係のような気がする。
それに……。
……沙希先輩かぁ。
クロードは去年の頃から、ずっと沙希に憧れに似た感情を抱いていた。
それが恋愛感情なのか、自分でも良く分からない。だが、彼女のことを考えると不思議と胸が高まるのだ。
「でもなぁ」
沙希はもうアカデミーを辞めている。
探して……どうするのか。デートしましょうとチケットを渡せと言うのか。
恥ずかしすぎる。考えただけで、穴があったら入りたくなってくる。
「……はぁ」
クロードは溜息を吐いた。
授業中だった。悠斗も選択している魔法史の授業で、担当の教師が黒板に描いた地図を示している。ギリシア神話の成立について説明しているところだった。
……悠斗は、誰を誘うんだろう?
残りの一枚は、悠斗が使うはず。だとすると、緋芽か咲夜か、大穴狙いで幽香だろう。だが、あの面倒臭がりの友人が身近にいない幽香を誘うために身を削るだろうか。そうは思えない。
「朽葉君、アキレウスを魔術的な解釈で分析して下さい」
「はい。ギリシア神話系魔術師が書いた本によると、アキレウスには俊足と鉄壁の属性を持つようです。俊足は日本神道の韋駄天と似たようなもので、下半身の運動能力の加速を助けます。風のエレメントと相性が良いとされています」
「では、鉄壁とは?」
「魔術を扱うときの心構えのようなものです。アキレウスは不死の身体を持っていました。不死は鉄壁。あらゆる軍勢を跳ね返す盾になります。しかし、アキレウス腱……アキレス腱の部分だけが不死ではなかった。つまり、結界を張るときはわざと一点だけ脆い部分を用意する。すると、敵は脆い部分を狙って攻撃するので守りやすい」
担当の教師は満足気に頷いた。
この教師は良く悠斗を当てる。悠斗もこの授業はあまりサボらない。こうして質問されるのも満更ではないようだった。好きな授業なら真面目に取り組むと言うことなのだろう。
……心配する必要、なかったかな?
クロードは苦笑した。どうも、自分はお節介でいけない。こんなのを、最近の言葉ではウザイと言うのだろう。だから妹に嫌われているかもしれない。
「おっと、そろそろ時間ですね。では、今日はここまでにしましょう。来週はアキレウス繋がりでゼノンのパラドックスにしようと思います。皆さんにはぜひ、知っておいて貰いたいので……朽葉、サボるなよ」
「……と言われましても」
「朽葉は前回サボったから『アキレスと亀』について調べとけ」
朽葉なら調べる必要がないかもしれないが、と担当の教師は苦笑いしながら教室を出て行く。同時にチャイムが鳴り、昼食を用意していない生徒が購買や食堂へ流れて行った。
昼休みだ。
クロードは自分の教室に戻ることにした(さっきの授業は移動教室なのだ)。
ちょうど、その時である――。
「クロード先輩!」
聞き覚えがあるような……でも、誰のものだったか思い出せない声。
振り返ると同時、クロードの鼻先に一枚の紙が突き付けられる。
「わ、わわっわ、私と遊園地に行きませんか!?」
「えええええええぇぇぇっ!!」
件のペアチケットを突き付けているのは百合原綾香だった。
……だから僕にどうしろと!?
†
時は少し遡る。
梅雨空の一日、百合原綾香は退屈そうにアカデミーの授業をこなしていた。学生生活とは、ともすれば作業的になりがちである。部活などの勉学とは方向性を異にする活動があってこそ、色付くもの。それが学校生活であり、恥ずかしい言い方をすれば青春である。
綾香は一枚のチケットを眺め、溜息を吐いた。
自分の教科書に挟まれていた物なのだが、まったく身に覚えがない。となると、誰かの持ち物なのだろう。しかし、持ち主を探そうにもカップル用のペアチケットとなると誤解されそうで渡せない。
世の中には落し物を口実に、デートに誘う馬鹿な男子がいるのである。
現に、昨日から綾香は何人もの男子と「ゆ、ゆゆゆ、遊園地に……」「ごめんなさい」と言う会話を繰り広げているのだ。
チケットが何十枚も出回っていると考えるべきだろう。
「あの……百合原さん?」
「なに?」
クラス委員の坂上美優が、恐縮しながら話しかける。
草壁涼二の襲撃事件に巻き込まれた彼女は、綾香が悠斗たちの知り合いだと分かると態度を硬化させてしまった。触らぬ神に何とやら、である。たしかに、悠斗たちに関わると……巻き込まれる。
でも、綾香はその点は不満ではない。
先に関わろうとしたのは自分からだったし、むしろ、倉渕祐作の事件で除け者にされたのが気に入らなかった。
「えっと……これを、渡して欲しいって皆が……」
と言って、彼女が机に落としたのは十五枚ほどの封筒だった。
「ら、らぶれたぁ?」
「そ、そうみたい……」
素っ頓狂な声を上げてしまったのを後悔し、綾香は手紙を拾い上げる。
宛先はクロード・キリングゲートや立花健一郎。どうやら、自分は"悠斗たちご一行"と親密だと思われているようだった。綾香は猛烈に頭痛がした。
「そ、それじゃあ渡したからねっ!?」と去っていくクラス委員。
綾香は手紙を光に透かしてみた。
……チケットが入っている。
「出回ってるなぁ、これ」
発信源は一体誰なのだろう。綾香は首を捻った。
それにしても、クロードである。彼は金髪碧眼の西洋人的風貌から、黙っていればそれなりに絵になる少年だった。だが、クールそうな見た目に反して、内面はかなり"甘い"。
克己の貫いているような信念。
健一郎の持つ影のような苦悩。
悠斗の鋭利な刃のような頭脳。
どれも、クロードには欠けている。戦闘力を別問題とすると、あのメンバーの中で、クロードの人格は至って平凡なのだ。
「クロード……先輩」
でも、その"甘さ"こそクロードの最大の長所だった。
人を殺すしたのは初めてでしょ?
ちょっと休んでおいた方が良いよ。
必要ないよ。僕は戦うつもりはないからね。
これはただの兄妹喧嘩さ――。
アリスとの決戦の時、それでも綾香への気遣いを忘れなかった。
「……クロード先輩」
綾香は梅雨空を見上げ、溜息を吐いた。
……誘ってみようかな。
†
「わ、わわっわ、私と遊園地に行きませんか!?」
「えええええええぇぇぇっ!!」
「い、嫌なら別に構いませんけど……」
「………………」
「えっと、その……私なんかではクロード先輩も迷惑ですよね……?」
「いや、そんなことはない!!」
「そ、それでは!?」
「あ……うん。分かったよ」
茜崎克己はヘッドフォンから流れている声を、ニヤニヤと笑いながら観賞していた。克己のデスクに並ぶ三つのディスプレイには、アカデミーに仕掛けられた隠しカメラの映像が映っている。
無論、三つの画面ではすべての範囲をカバーできないので、クリック操作で観賞場所を切り替えれるようにプログラムしている。なお、容量の問題もあり、映像の保存期間は一週間である。
「ふむ……これは意外な展開だにゃー」
克己は遊園地のチケットを百数枚持っていた。
これにはひとつの仕掛けがある。そもそも、これだけのチケットをあのケチそうな御剣蒼夜がタダで譲るはずがないのだ。しかし、それが期限切れ寸前のものだったなら話は違う。
――チケットは来週末までには使えなくなる。
そんな面白そうな物を、机の中に眠らせておく克己ではない。克己はあらゆる知り合いに、このチケットを配りまわったのだ。手違いで悠斗に二枚分渡してしまったのは誤算だったが。
クロードは誘われる側だろうから、チケットを渡す必要はないと考えていた。
どうせ最後には溜息を吐いて、自分から渡すのは断念するに決まっている。あの少年にはその手の甲斐性が決定的に欠けているのだ。
人はそれを、ヘタレと呼ぶ。
†
梅雨明けを待ち、各人は行動に移った。
休暇の土曜日の早朝。クロードは何度も天気予報を確認し、最後に新聞の株価を調べて、閉園になる気配がないか確認する。
「って、分かる訳ないよ!」
遊園地の株を調べても、クロードの知識では何も分からない。天気予報を調べようとしたのに、どうしてここまでテンパってるのだろう。
そう、デートなのである。
シャワーを浴びた方が良いのか、変な格好をしていないか、口臭は大丈夫だろうか、財布の中は潤っているか、携帯を忘れていないか、色々とチェックする。
と、ドアがノックされる。
「は、はいぃっ?」
思いっきり裏返った声で返事をすると、ドアを開けて悠斗が現れた。
こんな季節なのに長袖の黒革ジャケットを羽織り、膝の辺りが少し破けた紺色のジーンズを穿いている。腰の辺りに上着の上から金属質なベルトを巻いていた。暑そうな格好だが、様になっている。
悠斗は珍獣を見るような顔をしていた。
「………………おい」
「な、ななな、なに?」
「正直に言わせて貰うが、その格好は何だ?」
と言って、クロードの服装を指摘する。ねめつけるような視線に、クロードの身体が堅くなった。
変である。と言うか、気色悪い。ブレザーのような服を着ているのは、まあ置いておこう。それより髪型である。どうしてオールバックにする必要があるのだろう、と悠斗は疲れた顔で言った。
上ずった声で「ど、どどど、どこか変かな!?」と答えるクロードに、悠斗は溜息を吐いて――。
「……変以外の何物でもないな」
朽葉流殺法――闇月。
突然背後に現れた悠斗が、後頭部に手刀を放った。当たり所が悪ければ脳震盪を通り越して死に至ると言う暗殺術である。
「……ぐへぇっ」
と、間の抜けた悲鳴を出して床に崩れるクロード。
クロードが意識を取り戻すと、すでに時計の長針が二周していた。
「あれ?」
身体を起こし、周囲を見回す。自分の部屋である。どこも違和感はないのだが、なんだろう、この頭に残る鈍痛は。
鏡で確かめるが、どこにも瘤は残っていない。
「あれ? 僕ってこんな格好してたっけ?」
Tシャツに薄手の青い上着を羽織っているのだが、そもそもこんな服を持っていたかも定かではない。髪が少し濡れているのも気になった。
おっと――。
そろそろ待ち合わせの時間だ。
クロードは爆発しそうな心臓を片手で押さえながら、部屋を後にした。
悠斗が部屋の外で溜息を吐いていたのは余談である。
†
普通と快速を電車を乗り継いで目的地に到着する。駅の入口にあり、地方に密着した遊園地ながら、規模はそれなりに広いところだと聞いたことがあった。やはり不況の時代に生き残るのは大変なのだろう。様々な企画で顧客の維持(増加ではない)を狙っているようだ。
クロードは待ち合わせ場所にした駅の入口で突っ立っていた。
まだ時間まで三十分もある。ウォークマンを持ってくれば良かったかな、と後悔していると、ピンク色のカーディガンを肩にかけた少女が姿を現した。
「あ、あ、あああ、あの!」
「や、やあ……」
「おはようございますっ、先輩!」
どうやら彼女も相当緊張しているらしい。地震などでパニックになっている人を見ていると、自分だけ冷静になる――と言うエピソードをテレビで聞いたことがあるが、そんな心境かもしれない。
クロードは予想外に冷静になっている自分に苦笑した。
「早かったね。僕もさ、こんなのは初めてだから到着時間を計算するの、ミスしたみたい」
「そっ、そうですね!?」
お互い様だよね、と笑いかけると綾香は身を堅くした。
どうも、違和感が拭いきれない。百合原綾香と言う少女はもっと強気で他人のことなんて気にかけないタイプだと思っていた。クロードのことなんて雑草のように――って、この表現はもう何度目になるだろう。
「まだ開園してないけど、混雑するだろうから先に並んでおこうか?」
クロードはそう提案すると、綾香の手を取って受付に並んだ。
手を握られたからか、綾香は顔を赤くする。そんな初々しい反応に朴念仁の少年はまったく気付かず、学校の授業の話などをして一人で笑っていた。 |