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鎖鎌と短剣の獅子退治

~前回のあらすじ~

料理大会はルシルが優勝

 シメー島を後にして、俺とスーとシーの三人は、南へと進路を取った。

 もちろん移動中は全て地竜ランドドラゴンに走ってもらうので楽なものだ。


「それにしても、スーとシー、警備員とか言ってながら、結局全部、食事の達人(イーティングマスター)が魔物退治してたな」


 俺が何気なく発したその台詞に、二人は気分を害した様子もなく、「ま、あの子のほうが私達より強そうだからね」と言いながら、


「それに、私達が捕まえてたのは別にいたからな」

「そう……本当に恐ろしいのは魔物ではなく、人だから」


 と反論。それってどういうことかというと、他国の諜報員が、料理人を誘拐しようと会場に忍び込んでいたらしい。

 なんでも、殺人料理を軍事利用しようという目論見があったとか。


 なにせ、使うのは全て食材のみという殺人料理。その力を悪用すれば、一騎当千の暗殺者になり得るそうだ。

 そのため、怪しい動きをする人間達を見張り、捕まえていたんだという。

 確かに、あの力が悪用されたら……特にルシルの料理が悪用されたとしたら……。


 目に浮かぶ光景は、料理の化け物たちに蹂躙される町の光景だった。

 まるで怪獣映画だ。


 料理大会の裏でそんな攻防が行われていたとは。

 選手控室に近付いたとき、誰にも見つからなくて本当によかったと思った。


「あ、そういえば、二人のために武器を作るって言ってただろ? 作ってみたんだが、見てくれないか?」


 俺はそう言い、アイテムバッグから、まずはシーの武器を取り出した。


……………………………………………………

ドラゴンダガー【短剣】 レア:★×6


竜の牙を加工した短剣。その切れ味はまさに超絶。

破魔の力も持ち、魔法を切り裂く力がある。

……………………………………………………


 透き通るような白さを持つダガー。

 プラチナダガーよりも遥かに強い短剣だ。


「……綺麗」


 シーはその短剣をうっとりとした表情で見つめる。まさに一目惚れしたと言ったところか。


「コーマ、次は私だ、私!」

「ああ、焦るなって。スーは使い辛い武器がいいって言ったからな」


 俺はアイテムバッグからそれを取り出した。

 スーは、それが何か最初はわからなかったようだ。


「鎖のついた鎌?」


……………………………………………………

竜の鎖鎌【その他武器】 レア:★×7


鎌と鎖と分銅を組み合わせた武器。暗器として使われる。

鎌は竜の牙、鎖は竜の鱗が使われている。

……………………………………………………


「ああ、鎖鎌って言うんだが、知らないか?」

「聞いたことあるよ。確か、カリアナに伝わる暗器だよね。へぇ、これがそうなのか」


 スーは鎖鎌を興味深そうに見る。


「鎌で普通に攻撃してもいいし、分銅で攻撃してもいいし、鎖で縛ってもいい。特殊な形をしているが、使い方はそれだけ多い武器だぞ」

「こりゃ、確かに私向きの武器だね。躾けがいがありそうだよ……とはいえ、実戦で試してみたいね」

「なら、敵を呼んでみるか?」


 俺はそう言い、アイテムバッグから「魔物寄せの粉」の入った袋を取り出す。


……………………………………………………

魔物寄せの粉【薬品】 レア:★★★


魔物の好きな香りの粉。使うと周辺の魔物を引き寄せる効果がある。

使い時を間違えたら取り返しのつかないことになる。

……………………………………………………


「へぇ、いいのかい? 結構貴重な薬品だったはずだけど」

「このあたりの魔物が落とす素材が欲しいからな。どうだ?」

「……試してみたい……です」


 スーとシーが魔物寄せの粉を使うことを了解したので、俺達は地竜ランドドラゴンから降りた。


 おっと、危ない危ない、大事なことを忘れてた。


……………………………………………………

鼻栓(巨大サイズ)【雑貨】 レア:★


鼻を塞ぐ栓。臭い匂いを嗅ぎたくないあなたに。

巨大サイズのため、巨人にも巨竜でも使える。

……………………………………………………


 鼻栓を地竜ランドドラゴンに詰め込む。こいつも立派な魔物だからな。

 魔物寄せの粉を撒けばこいつが真っ先に興奮してしまうだろうからな。


 そして、俺は魔物寄せを手の袋からばらまいた。

 暫くして……砂煙が見えてきた。

 魔物の群れ……おぉ、あれは憐れな被害者サンライオンじゃないか。

 やっぱりこのあたりに生息する魔物だったんだな。

 橙色の鬣は闘技場にいたころよりも立派に見える。野生だからだろうか?

 それとも、料理大会の前に、万が一逃げ出したときのことを考え弱らせていたのか。

 もしくは、HPは満タンだったけど、空腹だったのかもしれない。


 最初に到着した一頭に、スーが鎖鎌を構えた。


「まずはこいつからだよ」


 スーはサンライオンに近付くと、分銅を飛ばした。分銅がサンライオンの額に命中し、怯んだところでスーが跳び、サンライオンの首を掻っ切った。

 サンライオンは一瞬のうちにこの世から去った。

 流石は勇者試験一位通過者だな。初めて使う武器とは思えない。


「……次は私が行きます」


 今度はシーが短剣を持った。

 シーはスーよりも身軽さをウリとしているのかと思ったら、違った。

 その手数の多さをウリとしていた。

 広い袖から無数の短剣が飛ぶ。その数、100本にも達する。

 どこにしまっていたんだ? あの武器。


 サンライオンはそれにもひるまずに突撃してきたが、足が何カ所かやられて、明らかに速度が落ちている。

 そこでシーが最後に投げたドラゴンダガーがサンライオンの眉間に命中。


 サンライオンは消え、素材を残して消えた。


「凄いな、二人とも」


 俺は二人の技術に魅了されながらも、落ちているアイテムを拾った。


……………………………………………………

獅子の鬣【素材】 レア:★★


獅子型魔物の鬣。魔物にとっての誇りでもある。

雄しか持っていないのが特徴。

……………………………………………………


 ちなみに、サンライオンの雌は、この地方ではムーンライオンと呼ばれるらしい。

 数は圧倒的に少ないそうだ。


「こりゃまずいね」

「……困った」


 あれ? 魔物を楽々倒したはずの二人が武器を見て固まっている。

 何がまずいんだ?


「もしかして、悪いところがあったか? なんなら作り直すけど」

「いや、その逆さ。性能が良すぎるんだよ」

「……これに見合うお金、払えない」


 スーが、「この分銅、もしかしなくても白金だよな?」と問いかけてきたので、俺は頷いた。

 分銅は重ければ重いほどいいと聞いたので、比重が金よりも重い白金を使った。


「これだけ純度の高い白金、これだけで金貨1枚にはなるよ」

「いや、気にしなくていいって。白金鉱石なんて銅貨で買える代物だぜ」

「それを加工する手間賃が払えないって言ってるんだよ」

短剣ダガーの威力も、他の短剣100本分以上になる」


 あぁ、そういえば、シーが投げた百本の短剣、ほとんどサンライオンに当たってたのに、ダメージはあんまり通っていなかったな。

 とはいえ、ドラゴンダガーがたまたま当たり所がよかったんじゃないのか?

 眉間を捉えてたし。

 そう尋ねたら、シーは、「そうじゃない、たぶんあの短剣、命中補正もつけてある」と言って、作った俺自身を驚かせた。

 流石はアイテムクリエイトだ。


「……こうなったら」

「……うん、お姉ちゃん、こうなったら」


 二人は声を合わせて言った。


「「体で払うしかないね」」


 ……おい、どこの年齢制限ゲームだよ。

サンライオン、弱そうに見えるけど、

ミノタウロスより僅かに弱い程度です。

群れになったサンライオンなら、ミノタウロスも普通に狩りの対象です。


~この後、コーマは裏でこんなスライムを作っていました~


スライムの核×獅子の鬣

……………………………………………………

スライオン 【魔法生物】 レア:★★


立派な鬣を持つスライム。

今度は立派な牙が欲しいです。

……………………………………………………

通称、見かけ倒しスライム。



~大会中、とある二人の会話~

スー「警備お疲れさん。ところで、どこかで会ったことなかったっけ?」

タラ「ない……」

スー「本当かい? どこかで会った気がするんだが」

タラ「ない。気のせいだ」



~300万アクセス突破ありがとうございます(読み飛ばし推奨)~


 300万アクセス突破ということで、俺とルシルは闇の中にいた。

 これからメタな会話が繰り広げられる。


「300万アクセスかぁ。おめでとー」

「ルシル、なんか発言が適当になってるぞ。本当に凄いんだからな」


 本当に感謝してもしきれないほどだ。


「そうよね、同じ作者のノーチート村長は200万、KISSからはじまるチートな無双時間なんて24万だから凄いわよね(9/4現在)」

「いきなりそんなメタな発言はやめてくれないか?」


 いくらメタな空間だからって、本当にやめてほしい。

 作者がどれだけ他の作品をさぼってたかがバレバレだ。


「でも、まだ同じ作者のチートコードで俺TUEEEの半分にも行ってないのよ! なによ! 日間ランキング1位がそんなに偉いの!? あんなのテンプレ書いて一日に10本くらい更新したら取れるものじゃないの!?」

「お前は誰に喧嘩売ってるんだよ! いい加減にしないと作者が怒られるんだぞ!」

「いいじゃない、炎上すればそれだけアクセス数が上がるわよ!」

「お前は一体誰なんだよ!」


 こんなネタだから、あとでこっそり追加されるんだよ。

 ていうか、マジで大丈夫か? 作者が自粛して全カットになるんじゃないか?

 ていうか、日間一位作品は面白いから一位を取ってるんだよ!

 とかフォローしたら、俺TUEEEが面白いみたいな自慢になるじゃないか!

 なんてフォローすればいいんだよ。


「とにかく、このコーナーでは、メインヒロインに質問をするコーナーらしいんだ」

「炎上ヒロインとか言われたらいいのよ」

「お前はなんでそんなに荒れてるんだよ」

「どうせヒロインに質問するとか言って、スーとか、マユあたりを呼ぶからよ」


 あぁ、それで荒れてたのか。まぁ、100万アクセスの時はコメットちゃんが質問され、その時に強制退場させられたからな。


「でも、今回はルシルに質問するらしいぞ」

「え?」


 ルシルは驚き、そして考えを逡巡させた後、


「皆さま、300万アクセスありがとうございます。これも全部読者様のおかげね」


 急に丁寧に挨拶を始めた。

 ということで、ここからは10の質問が繰り広げられていく。ただし、ネタバレ抜きで。


Q:名前をお願いします。

A:ルチミナ・シフィルよ。ルシルでいいわ。フルネームは後付け設定だし。


Q:設定とか言わないでください。えっと、普段はどうやって過ごしてるんですか?

A:寝てるか、散歩してるか、コーマが作ったお菓子を食べてるわ。


Q:魔王軍元帥としての仕事はないんですか?

A:師団長のコメットとタラ、あとマユに任せてあるからいいのよ。


Q:スリーサイズをお願いします。

A:元のスリーサイズは92・58・85よ。今は答えるつもりはないわ。


Q:料理がなんで魔物になるんですか?

A:料理が魔物になるんじゃないの! 魔物になったのがたまたま料理だったの!


Q:日本の知識はどの程度持っているのですか?

A:召喚魔法を使った時にある程度知識が入ってきた程度よ。そうね。犯人はヤスだってことなら知ってるわ。


Q:コーマが作ったものの中で一番欲しいものはなんですか?

A:デラックスチョコレートパフェ!


Q:将来の夢はなんですか?

A:もちろん、お父様みたいに立派な大魔王になることよ!


Q:最近、その設定忘れてませんか?

A:タタミが悪いのよ! タタミが! 気持ちよくてついだらけちゃうの。


Q:一番後悔してることは何ですか?

A:コーマを召喚したことよ。それだけは後悔してもしきれないわ。



 ありがとうございました。

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