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異世界でアイテムコレクター 作者:時野洋輔

第一部 東大陸編 Episode01 勇者試験

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価格破壊のプラチナソード

~前回までのあらすじ~
プラチナを大量購入しました。
 店という名の倉庫を出たときには、すでに陽も沈みかけ、一番星が空に輝いていた。あと数十分したら満天の星空が見えることだろう。

 途中の井戸で水を掬っていき、瓶に入れて持っていく。
 さらに重みが増す。

 さすがにきついな。
 力が1,8倍とはいえ、元はただの高校生だからな。
 宿屋に入り、自分の部屋に向かう。

 一応、ノックをしたが中からは反応はない。
 まぁ、着替え中とかそういうのはラブコメだけだろうと思い入ってみたら、やはり誰もいなかった。
 夕食に行ったんだろうな。ちょうどいいと、俺はプラチナ鉱石を取り出し、アイテムクリエイトで不純物を取り除く。

……………………………………………………
白金インゴット【素材】 レア:★★★★

白金鉱石から不純物を取り除いた、純度99%以上の白金の塊。
とても綺麗だが加工が困難な金属。魔力に強い耐性を持つ。
……………………………………………………

 白金インゴットができたことにより、プラチナ製の武器防具アクセサリーのレシピが追加された……はずだ。
 とりあえず、脳内のレシピ一覧から、白金インゴットを使ってる作るアイテム一覧をソート機能で検索したら、やっぱり出てきた。
 目当てのアイテムの名前を見つけ、アイテムクリエイトを唱えた。

……………………………………………………
プラチナソード【剣】 レア:★×5

白金で作られた、魔法攻撃をも切り裂く剣。
芸術性もさることながら、その威力に多くの者が虜となる。
……………………………………………………

 上品な光沢が冴える一級品の剣が出来上がった。素晴らしい出来だ。
 あと、次にするのは、鉄鉱石と石炭だ。
 この二つをアイテムクリエイトで少し工夫すると、
……………………………………………………
鋼インゴット【素材】 レア:★★

鉄と炭素の合金。鉄よりも硬度があがった。
ちなみに、炭素の割合は1%。
……………………………………………………

 が出来上がった。
 炭素の割合は1%というのに、鉄インゴットと石炭を1:1で消費するとか。
 相変わらずアイテムクリエイトの能力はわからない。

……………………………………………………
鋼の剣【剣】 レア:★★★

鋼で作られた剣。鉄から作るよりも威力が上がった。
冒険のおともとして頼もしい剣になるだろう。
……………………………………………………

「ま、こんなもんか」

 プラチナソードと鋼の剣。
 一本をクリスに渡して、一本は俺が使うか。
 プラチナソードを二本作ってもいいんだけど、どうせなら残ったプラチナは別のアイテムを作りたいからなぁ。

「ただいまぁ! あぁ、お腹いっぱい」

 クリスが笑顔でお腹をさすりながら帰ってきた。

「ちょうどいい。お前の武器作ってきたぞ?」
「え゛……」

 彼女がとても嫌そうな声をだす。

「我儘言うつもりはなかったのですが、その、適当に作られた武器では――」
「文句は見てから言え。それでも文句があるならまた別の武器を作ってくる」

 そういい、俺はさっき作ったばかりの剣を二本、無造作にクリスに投げた。
 鞘に入っているから怪我することはないだろう。
 クリスは二本同時に、両手で受け止めた。
 そして、一本をベッドの上に置き、もう一本を鞘から抜いた。

「――これは?」
「鋼鉄の剣。ロングソードよりも扱いやすいと思うぞ」
「ええ、この勇ましい、だけど研ぎ澄まされた名工の一品です。これをコーマさんが?」
「まぁな。作り方は実家に伝わる方法で。錬金術あたりの応用なんだがな」

 アイテムクリエイトを使うことができる人間は俺の他にはいないので、このようにごまかすことに決めていた。
 アルケミーを使うアイテム使いのことを錬金術師と呼ぶらしい。

「なるほど、鍛冶技術と錬金術を組み合わせた武器作成ですか。では、こちらもその技法で?」

 クリスは鋼の剣を鞘に戻し、今度はプラチナソードを鞘から抜いた。
 同時に、クリスの目の色が変わる。

「こここここ、これ、もしかして白金ですか!?」
「ん? わかるのか?」

 驚いた。白金は世間にあまり出回っていないはずだ。
 少なくとも白金鉱石があんな安値で売っている時点でそれは確かなはずだし、白金の存在を知らない人間が見たら、銀の剣と間違いそうなものだが。
 彼女は一目見ただけでこれを白金と見抜いたというのか。

「はい、実家で一度……これもコーマさんが!?」

 実家で? 彼女の家はもしかして金持ちなのか?
 まぁいい、俺は素直に頷くことにした。

「あぁ、俺が作った」
「凄い、白金鉱石から不純物を取り除くだけでも錬金術レベル7は必要、現代では白金を扱える錬金術師は世界に数人しかいないって聞いてましたが」

 ちなみに、錬金術レベルは最高で10らしい。

「へぇ、よく知ってるな。クリスのくせに」
「それ、どういう意味ですかっ!」

 そのままの意味だ。
 だが、これでクリスの実家が実は金持ち説が再浮上したな。

「さて、クリス。これら二本の剣はさっきの店だといくらで売れると思う?」
「鋼鉄の剣は銀貨30枚にはなると思います。まさに名剣です。数を揃えば聖騎士隊にも卸せる一品ですね」

 おぉ、一気にロングソードの6倍か。
 銅貨1枚の石炭を加えただけなのにな。

「じゃあプラチナソードは?」
「……買い取ってくれませんね」
「え? なんで?」

 てっきり、金貨1枚! とか言ってくれると思ったんだけど。

「高すぎるんです。白金でできた短剣で金貨5枚でした。白金でできた剣なんて、さっきの武器屋では買い取ってくれません」
「まじですか!?」

 えっと、俺の感覚でいえば、銅貨1枚100円、銀貨1枚10000円くらいだと思っていたから。短剣で500万円?
 じゃあ剣だと……もしかしたら1千万円?
 元値は銅貨2枚くらいなんだけど?
 素材の値段というよりは加工賃ということか。
 そりゃ買い取ってくれないわ。町の古本屋に、シェイクスピアの初版本を持っていくようなもんだな。

「で、クリスはどっちを使うんだ? 選んだ方の代金が自動的にクリスの借金になるわけだが」
「…………あ、すみません、間違いでした。鋼鉄の剣は銀貨2枚白金の剣は銀貨5枚くらいですね」
「そうか、じゃあ早速武器屋に査定してもらいにいこう。もしもウソだったら、クリスとの契約は破棄させてもらおう。宿屋からもとっとと出て行ってもらって、夕食代は払ってもらうからな」
「すみませんウソついてました!」

 土下座。まさにジャパニーズアイムソーリースタイル!
 随分板についている。

「じゃ、俺は夕食に行くから、ゆっくり考えてくれよ」

 もしかしたら、クリスが剣を持って逃げる、ということも考えられるのだが。
 その時はその時だ。俺の見る目がなかったといって諦めよう。
 まぁ、どうせ帰ったところでクリスは悩んだままだろうが、多少安く譲ってやることにしよう。一応は俺のご主人様になるわけだしな。

 それにしてもお腹空いたなー。
 考えてみれば、朝飯代わりの栄養補助食品(カロリー〇イト)をルシルに食べられたせいで、昨日の夜から何も食べていない。
 飯屋に行き、レメリカさんに挨拶。夕食を頼むと、

「先ほどクリスティーナさんが二人分召し上がっていかれましたが?」
「……え?」
「どうなさいます? 追加分の代金をいただけましたら新たに用意しますが」
「…………お願いします」

 前言撤回。きっちり料金分取り立ててやろう。
 そう心に誓った。
~鋼の剣~
本作品中では「はがねのけん」ですが、同じ漢字で「はがねのつるぎ」というアイテムがあります。ドラ〇エでおなじみの鋼の剣。
ドラク〇の武器でいえば、「ひのきのぼう」や「銅の剣」のほうがよく出てきますが、鋼の剣のほうが長い間使える武器の代名詞として有名です。
ダ〇の大冒険やアベ〇伝説などでも序盤~中盤にかけて使われていますからね。
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