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異世界でアイテムコレクター 作者:時野洋輔

Episode02 呪いの剣

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建築業務の万能粘土

~前回のあらすじ~
ただの布きれと遭遇しました。
 土地を手に入れたため、俺は建築作業にとりかかる。
 とりあえず下準備として――アイテムバッグから、2種類のアイテムを取り出す。

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視界遮断結界【魔道具】 レア:★★★

四つセットの石。外側から内側を見えなくする。効果は3日。
外から何が見えるのかは使用者の想像力次第。
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 これを土地の四隅に設置する。
 とりあえず、これで中の建築作業は外からは見られる心配はない。
 ちなみに、外側からは、木の壁に覆われているように見えるという設定にした。
 建築途中だと思わせるために。
 そして、もう一つ。

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人避け石【魔道具】 レア:★★★★
この石を置くと、使用者以外の人が近付きたくなくなる。
強い意志を持った人には効果がない。強い意志には弱い石です。
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 ダジャレかよ。
 そう思ったが、これも便利なアイテムだ。
 強い意志を持って建築現場に来ようとする人はいないだろう。
 ちなみに、これらはルシルの迷宮のトラップ用に開発していた。
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万能粘土【魔道具】 レア:★★

鉄と石の混合素材。少量の魔力を込めることで変形する。
夏休みの自由工作にぜひ使いたい一品だ。
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 魔王城建設にも大いに役立ったこのアイテム。
 今回はこれを大量に用意させてもらった。
 材料となる瓦礫は、()()()魔王城の瓦礫を利用させてもらった。
 ルシルに断られるかとも思ったが、掃除する手間が省けると言ってくれたしな。

 そして、最後に、
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鉄のシャベル【槌】 レア:★

鉄製のシャベル。土を掘る道具。
土を掘るから槌ではありません。
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 またもやダジャレかよ。
 そう思いながら、俺は土台を作るために、土を掘っていった。
 力の妙薬を飲んで。

 設計図は作ったし、構造の問題は万能粘土の自動補正機能である程度解決してくれるからな。
 まぁ、出来る限り最高の建物を作ってやる。

   ※※※


「ということで、従業員の寮を作ってみたんだが、どうかな、メイベル?」
「この建物を三日で作ったんですか?」

 メイベルは開いた口が塞がらない様子だ。
 彼女にだけは、建物を作ると言ってあったんだけどな。
 ちなみに、レンガ造りに見えるが、全部万能粘土で作った。
 だいたい、1個の万能粘土で煉瓦50個分に見えるらしい。
 外壁だけだと5時間で完成した。
 従来の建築方法は完全に無視しているが。

「とりあえず、中に入ってくれ」
「は、はい」

 中に入ると、一階は多くのテーブルと椅子、そしてカウンターと厨房、トイレのある大きな部屋だった。
 イメージ的にはレストラン。
 寮の食堂として使うもよし、イメージ通りレストランを開業させてもいい。

「ちなみに、厨房にもいろいろ用意したからな」

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魔力コンロ【魔道具】 レア:★★

魔石を使い、火を出す魔道具。
温度調整は弱火から強火まで5段階調整可能。
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 これは魔王城から持ってきた。
 魔王城に置いてあったら、ルシルがまた料理してしまうからな。
 冷蔵庫に関しては、保存という点ではアイテムバッグを利用してもらう。

 他にも水道もあるんだけど、水道は魔道具じゃないからな。
 冷蔵庫と電子レンジはない。作ることができないのか、材料が足りないのか。

 一通りの道具の説明を終えて、俺達は二階へ。

「二階はリラクゼーションルームと風呂にした」

 リラクゼーションルームには、本棚用の棚と、ソファ、卓球用の机など。

「風呂……そんなものまで。薪を入荷しないといけませんね」
「あぁ、薪とかはいらないから。魔石で沸かすタイプだから」

 俺はそういい、『風呂』と書かれた暖簾をくぐる。
 脱衣所。風呂は従業員専用にするつもりなので、ロッカーも鍵もない。
 脱衣籠が棚にあるだけだ。

 そして、風呂場に行くと、湯気がすでにたちこめていた。

「コーマ様、もうお湯を出してるんですか? さすがにもったいない気が」
「あぁ、このお湯止まらないんだよ」

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湧き湯装置【魔道具】 レア:★★★★

魔石を使い、お湯を湧きださせる魔道具。
水温は30度~98度まで調整可能。
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「ってのがあって、お湯を出し続けるんだ。あ、魔石は(低)で1ヵ月くらいはいけるよ」

 魔石の減り具合で計算した。
 温泉じゃないけど、源泉かけ流しの湯。
 ちなみに、排水溝に流れた水は下水管を通って、
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浄水装置【魔道具】 レア:★★★★
汚れた水をきれいにする魔道具。
綺麗な水を飲んでも綺麗な心になるかは別。
……………………………………………………
を通過し、地下水道へと流れるようにした。
浄水装置は1年に1回魔石を取り替えないといけない。
そのため、地下へ続く階段が実は1階にある。

「そんなにすごい装置が……それに、鏡もこんなに使って……。あの、これはなんですか?」
「シャンプー、リンス、ボディーソープ。シャンプーとリンスは髪を洗うもので、ボディーソープは身体を洗うものね」
「そんなに種類があるなんて」
「これも大量に作ったから」

 物を作りすぎたせいで、リュークさんの店は品不足だ。
 ちなみに、脱衣所には、化粧水も作っておいてあるので是非使ってほしい。

 次に、3階、4階は後回しにして、屋上へ。
 屋上には水槽タンクが置いてあり、中には、
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湧き水装置【魔道具】 レア:★★★

魔石を使い、水を湧きださせる魔道具。
水温は3度~29度まで調整可能。
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 これは魔王城に設置するために作った。
 井戸から水を汲むのって意外と大変だからな。
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浄化石【素材】 レア:★★

水の中にいれておくと水をきれいにすることができる。
飲み込んでもあなたの汚れた心は浄化されません。
……………………………………………………
 これは普通に落ちていたアイテムらしく、リュークさんの店で購入。
 高価なアイテムで、1個銀貨20枚もした。
 それにしても、さっきから俺の心が汚いみたいに扱われているような気がする。なんでだろう。魔王だからか?
 これら二つを入れてあるので、いつでも清潔な水が水道管を通じて、各水道へと送られる。
 ちなみに、一定水量を超すと自動的に下水管に流れるようになっている。

「……仕組みはわかりました、ですが、これだけの建物を三日で作るなんて、ギルドにはなんて説明したらいいんでしょう」
「ま、俺が作ったってことは内緒だけどな。あとは警備装置なんだが……」

   ※※※


 フリーマーケットで、コーマさんに放置されてから4日が過ぎた。
 通信イヤリングで、「3日ほど用事ができた」とだけ知らせがあって、こちらから通信しても「今忙しいから」と取り合ってもらえませんでした。
 その間にも、私の勇者講習は進んでいきます。
 とはいえ、本当に退屈な内容でした。
 特に最終日は、勇者の引き抜きをする国からの話で終わりましたしね。
 もちろん、どこの国にも所属するつもりはないですが。
 そして、全ての講習を終えた今、私は晴れて真の勇者として名乗ることができます。

 さて、今日は余ったお金でちょっとだけ贅沢な料理でも食べようかな。
 そう思った時でした。イヤリングが鳴りました。
 イヤリングを強く握ります。

『クリス、聞こえるか? 俺だ』
「はい、聞こえます。コーマさん、ひどいじゃないですか!」
『悪い悪い、ちょっと用事で立て込んでてな。それでな、クリスに頼みがあるんだけどさ、フリーマーケットの裏の煉瓦でできた4階立ての建物に行ってくれないか?』
「え? なんでですか?」
『いいから、頼んだぞ』

 一方的に通信が切れました。
 酷いです、そもそもコーマさんには私の従者という自覚はあるのでしょうか?
 まぁ、借金している手前、強くは言えませんが。

 それにしても、フリーマーケットの裏に4階立ての建物などあったかな?
 私の記憶が確かなら、フリーマーケットの裏は空き地だったはずですが。

 フリーマーケットは相変わらずの長蛇の列でした。
 入るのに1時間待ちと聞こえていました。私はそこをスルーし、裏手に回ります。
 そこにあったのは――見事な四階建ての煉瓦でできた建物でした。
~家~
家はアイテムに入るのか?
と聞かれたら、NOと言いたいんですが……FFではコテージを普通に持ち歩いています。なので、やはり答えはYESです。
でも、大体は持ち運び不可能なアイテムです。

MMOでは、全員が持つことのできる家と、そうでない家があります。
そうでない家とは、つまりは数の少ない有限の家。
そう言う家を購入するのは早いもの勝ちで、譲ってもらおうとかしたら、膨大な金額が必要になります。もちろん、維持費は払わないといけませんし、放置が続けば家の権利も失われますが。

そういうゲームでは家は一種のステータスでもあり、トラブルの種にもなります。住宅トラブルは現実でも虚構でも多いということか。
……………………………………………………
次回は、今回の寮に実際に住んでみよう、というお話です。
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