表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
144/742

斧の材料は見つからず

~前回のあらすじ~

ブックメーカーについていろいろと聞いた。

 エントは人がこの地に住みつく前からこの地にいて森を守っていたという。

 とても理性的な性格で、争いを好まず、人と森の領域を理解し、決して領域を侵さぬ人には手を出さなかったし、領域を侵した人に対しても森を傷つけなければエントが怒ることはなかった。

 彼はただ、森を守り、森のために生きるだけの存在だったという。


 そんなエントが、どういう経緯で魔王になり、人と敵対する関係になったのかは記されていない。

 だが、エントを倒すには、強力な一撃を放つことができる斧、もしくは火焔による攻撃のみだという。


 見つけたエントに関する本を読み、俺は嘆息を漏らした。

 火と斧か。厄介だな。

 火の魔法は使えるが、強力な炎の武器道具はない。

 そして、斧は作ったことはあるが、それでも強力な斧がない。

 ルシルも火の魔法は使えない。


「ルシル、エリエール、強力な斧って何か知らないか? あと、火の道具の材料もあったらいいんだけど」

「コーマさん、なんで私には聞かないんですか!」

「あぁ、悪い。クリス、知ってるのか?」

「知りません」


 俺の謝罪を返せ。

 最初から期待していなかったから別にいいんだけどさ。


「火の道具の材料って?」

「火炎蝙蝠の牙とかかな」

「火炎蝙蝠の牙はマグマ迷宮に生息する火炎蝙蝠が落とすアイテムですね。マグマ迷宮は過酷な環境のわりに手に入るアイテムの価値が他の迷宮とあまり変わらないので、あまり出回らないアイテムです」


 だよな。あれから俺もギルドに依頼を出したりしてみたんだが手に入る様子はない。 

 んー、どうしたらいいか。


「あの、コーマさん……」

「ん? どうした?」

「斧ならコーマさんが作ったらいいじゃないですか」

「そうは言うが、材料がないんだよな」


 俺が作ったら……か。

 そんなのわかってるけどさ、材料がない。

 あるとしたらミスリル鉱石くらいだけど。それも斧を作るには足りない。


「材料ですか……流石にコーマさんでも材料そのものは作れませんよね」

「……作れるといえば、ダイヤモンドくらいだけどな」


 相手は火属性が弱点だからな、火炎剣ファイヤーソードを使い火属性にしたいが、ダイヤモンドは火に弱い。

 とりあえず、プラチナで斧を作るか。


 その時、通信イヤリングが震えた。

 ここにはクリスとルシルがいる。ということは、メイベルからか。


「もしもし」

『コーマ様! ずっと連絡待ってたんですよっ! どうしたらいいんですかっ!』


 通信イヤリングの向こうでメイベルが怒っていた。

 ずっと待っていた?

 一体何を?


『部屋に魔法陣を置いたらそこからいっぱい人が出て来て、彼らリーリウム国の調査団だっていうじゃないですか! どうするんですか、密入国の幇助は立派な罪なんですよ』

「あぁ、悪い。すぐに戻ってもらうから……ルシル、あっちの持ち運び転移陣って、この持ち運び転移陣に繋がってるんだっけ?」

「そうね」


 ルシルから答えがもらえたので、安心した。


「悪い、調査団の人を戻すから、ちょっと謁見の間に戻るわ。みんなは何かいいアイテムの情報がないか探しておいてくれ」


 俺はそう言い、ブックメーカーのいる部屋の魔法陣を潜って城の地下に。

 階段を上がっていく。


 謁見の間にたどり着いたときには、すでに血だまりはなくなっており、リーリエ女王が玉座に座っていた。

 さっきまで鼻血ぶーで倒れていた人と同じ人とは思えないほどの威圧感がある。


「エントに関する書物は見つかりましたか?」

「はい。ただ、解決の糸口はまだ見つかりません」

「そうですか。私に協力できることがございましたらなんなりと仰ってください」

「ありがとうございます。それでは女王陛下。調査団の人をここに呼びたいんですが、よろしいですか?」

「ええ、事情はクリスティーナ様から伺っております。よろしくお願いいたします」


 本当にクリスが関わらなければこの人はまともな人なんだな。

 ということで、謁見の間に魔法陣を広げた。


 そして、そこに俺が入って行く。    


「メイベル、みんな、お待たせ! ここに入ればリーリウム国の城に行けるから入ってくれ」


 俺がそう言うと、全員は歓喜し、その魔法陣の中に入って行った。

 全員、向こうに女王陛下が居ると知ったら驚くだろうなぁ。

 俺に礼を言いながら、調査団は次々に魔法陣の中に入って行く。

 そして、倉庫の中は俺とメイベルが残された。


「悪いな、忘れてて」

「やっぱり忘れていたんですね。でも、事情は聞きました。ラビスシティーの外の迷宮とか、厄介なことになりそうですね」


 いや、あっちはもっと厄介なことになってるんだけどな。


「あぁ、そういえば、メイベル。フリーマーケットに伝説級の斧とかないか?」

「そんなものありませんよ。この店で一番高い斧はコーマ様が作った金の斧くらいですが、売れる気配はありませんね。まぁ、強度もありませんから、飾りとして使うほかは溶かして別の用途に使った方がいいくらいです」

「そうか……ん? 溶かして……? それだっ!」


 それはもはや禁じ手ともいえる方法だ。

 だが、それなら最強の斧ができるかもしれない。


 即ち、魔剣グラムを一度溶かして、それを材料に斧を作る。


すみません、頭痛で意識がもうろうとする中書いています。

いろいろと走ってますので、細かい描写後で追加するかも。

……ブラックバス書けなかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ